February 28, 2009

渋谷慶一郎さんからの手紙。

テーマ:ブログ
音楽家の渋谷慶一郎さんから、『エスクァイア休刊』に関して
お手紙を頂戴いたしました。

本当にありがとうございます!

渋谷さんは昨年、雑誌の休刊などとは比べものにならない
悲しみを、ご体験なさいました。

『for maria』という名で7月にリリースされるピアノソロ(!)アルバムの
一曲目の第一音から最終トラック最終音の残響に至るまでを、
ぼくは、粛として謹聴したいと思います。

渋谷さんには、頂いた手紙をブログにて
公開する旨ご快諾いただきましたので、
ここにご披露させていただきます。


音楽家にはどうしても残しておきたい音がある。

同様にこの音楽はどうしても世の中に残しておかなければ
いけないと思うときがある。
ATAKという音楽レーベルのオーナーでもある僕は、
そう感じた音楽だけCDとしてリリースしている。

デジタル・テクノロジーによって音楽を作っていると、
デジタルによるアーカイヴという言葉自体が
完全な語義矛盾であることに気づく。
デジタルデータはある日突然、痕跡も残さず消えてしまうという
儚さを完全性と引き換えに保持している。

だから将来の知性のために残しておくべき情報は
一度かたちにしておかなければいけない。
というよりも、それが一番利便性が高く現実的だという時代は
想像以上に長く続くだろう。

エスクァイア日本版の休刊の報を聞いて残念に思うのは、
こうした危機感とは全く別の次元で決定がなされているに
違いないという想像が容易なことだ。

東京に生まれて東京で育ち、東京から世界に音楽を発信している
僕は間違いなく情報に育てられた。
エスクァイア日本版はそんな中でも貴重なニュースソースであり、
次号の予測が不可能な未知と出会うことのできる数少ない雑誌だった。

あらゆる分野とその作り手の進化に必要な発信と蓄積が
今後もこの雑誌で継続されていくことを強く望む。

渋谷慶一郎(音楽家)


渋谷さんのような方を、ぼくらは『クリエイティブクラス』と呼び
彼ら『クリエイティブクラス』の方々に、何かしら刺激を与える情報を
紡ぎ出すことを、編集の基準として参りました。

特集主義を貫く男性月刊誌は、いまや絶滅種と言ってもいいかもしれません。
(そして『エスクァイア日本版』の休刊により、本当に絶滅しそうです。)

しかし、渋谷さんのお手紙を拝読し、改めて、
「個体識別」が可能な雑誌の存在意義を、思い知りました。

渋谷さん、ありがとうございました!

Esquire編集部より。
渋谷さんの情報は、こちらから↓
http://atak.jp/

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1 ■こんなところで

ニューヨークから隔月で寄稿させていただいているライターの佐久間裕美子です。
復刊コミッティのサイトから参りました。

渋谷慶一朗さんとは、学生時代、友人を通じて少しだけおつきあいがありました。
ご活躍の様子は雑誌などで頼もしく拝見しておりましたが、渋谷さんもエスクァイアの復刊を願ってこうして筆をとられたのだということを知り、うれしく思いました。

こういう一人一人の気持ちが、いつか新しい何かを生み出すことを心から願っています。

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