透明ドロップ

法律関係のトピックを中心に扱っています。


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再掲。


平成23年新司法試験の実施日程等に関する意見募集の実施について
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=300020007&Mode=0
 
意見公募要領
http://search.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000065315
 
(別添)平成23年新司法試験の実施日程イメージ
http://search.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000065316

 

原案では、
 
1.論文式試験の民事系科目の問題数を現行の2 問(100点配点の問題1問と200点配点の問題1問)から3問(いずれも100点配点)に変更すること
2.論文式試験必須科目の試験時間を2時間毎(問題毎)に分割すること
 
とされています。

 

このパブリックコメントに対しては、事実上、これまでも分離問題だったのだから大きな影響はない、という意見もあります。それはその通りですが、それでもいくつかの影響が出ると思いますし、また、受験生の受験戦略も修正が迫られる可能性があります。


大大問廃止の影響ですが、こちらは受験生にとって、メリットの方が大きいように思われます。何より、対策がしやすくなるように思います。大大問対策向けの練習問題はこれまで少なかったわけですし。他方で、大大問などの融合形式では、出しにくかった問題も、これからは出題される可能性はあり、出題範囲は事実上広がるのかもしれません。


次に、原案通り、分離された時間割で試験が実施された場合について考えてみます。こちらはいくつか留意すべき点があるように思われます。


まず、受験生が留意しなければならないと考えられるのは、時間の使い方です。これまでは2問4時間でしたので、4時間の使い方は、受験生に委ねられていたわけです。出題者としては1問2時間を理想としていたと思うのですが、これまでの受験生の少なくない人たちは、1問目に3時間ぐらいかけてしまうということもあり得たわけです。しかし、この方法はもはや使えなくなります。

 

もっと言えば、得意な科目をいっぱい書いて点数を獲得する、という手段も使えなくなります。例えば、憲法、行政法で、憲法は苦手で、行政法で点数を稼ごう、という人は、行政法で3時間一生懸命書いて、憲法は1時間で簡潔に書いて逃げ切る、という手段もあり得たわけですが、これは今後は不可能になります。

 

ちょっと分からないのは、これまで論文の最低点(足切り点)は、系統毎になっていたのですが、これからは問題毎になるのか、それともこれまで通り系統毎になるのか。原案では示されていないので、やはり系統毎の可能性が高いように思われます。

 

パブリックコメントで示された原案を読む際に注意したいのは、分離とは言いながら、試験日程には「公法系第1問」、「民事系第1問」などとあるだけで、旧試験とは異なり、科目(例えば、憲法、民法など)は明示されていないわけです。もしかしたら、今後、旧試験にのように1問目は民法、2問目は商法、と明示される可能性もありますが、やはりこのままの可能性もあります。

 

仮に科目まで明示されないとした場合、2つの点に留意すべきだと思われます。1点目はフタをあけるまで、どの科目か分からない、ということです。したがって、試験前、どの科目を確認すべきか分からない場合もあることです。もちろん、公法・刑事系については1問目が終わった段階で、民事系については2問目が終わった段階で、残りの科目は分かりますが。第2点目は、憲法の問題で、どのような行政訴訟を提起すべきか、会社法の新株の発行で、仮処分を提起すべきかなど、他の科目についての理解もほんのちょっとだけ問うような、「ソフトな融合問題」(ESPによる造語)の可能性が排除されていない、ということです。「憲法なのに行政法も聞くの?」という疑問があるかもしれませんが、「公法系第1問」とあるだけですので、そのような出題は許されるでしょう。したがって、商法の問題だから、民法や民訴の理解は「絶対に」問われない、と決めつけるのは危険かも知れません。現に、第4回の新司法試験民事系第2問の後半部分は会社法が中心でしたが、設問6では民事保全法上の手続も問われています。ただ、刑事系については、これまでの出題傾向を見る限りでは、完全に分離されているように思われますので、今後もこの傾向は変わらないと思います。

 

あとこれは1点これはお願いなのですが、これを機会に、得点開示を問題毎にして欲しいと思います。現在は公法系、民事系、刑事系の系統別ですが、これではどの科目がよかったのか、どの問題が悪かったのか必ずしも明確ではありません。例えば、刑事系で1問目50点、2問目50点の人と、1問目70点、2問目30点の人では、その人が今後改善すべき点は異なると思いますが、現在の得点開示の仕組みでは、どちらの場合も「刑事系100点」としか開示されないわけです。試験問題を分離とするのであればなおさら、わざわざ合算した得点を開示するのではなく、個別の得点を開示することは技術的にも問題はないように思われます。「法曹の質」という言葉が濫発されている昨今ですが、「法曹の質」を上げるには、これから法曹を目指そうとする人が、自己の弱点を認識して、それを見直すことが大切だと思います。そのための1つの方策として、法務省の担当者の方々には、真剣に考えていただければ幸いであります。

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