などと大仰なタイトルを掲げてみたものの、F1など実車レーシングカーのように

制作したマシン(シャシー)を統一した名称で管理したら、面白いし、

次のマシンを考える際にも、これまではいつ、どのような問題点があって

それをどのように解決していったのかが 一目でわかる形にまとまっていると、

きっと次のマシン製作にも役に立つと思った次第です。

MA15 2015年12月作成

筆者のMAシャーシ初挑戦にして、初表彰台獲得マシン。

当時の戸田に合わせてフラット仕様としている。

タイヤやプレート等、ARシャーシ用として持っていたパーツをそのまま

移植しただけだったので、この結果には本当に驚いた。

MAシャーシのポテンシャルを私に突き付けた記念碑的マシン。

 

MA16P

2016年になって、MAシャーシのポテンシャルを認めた私は、

主力の立体マシンをはじめてMAで制作し始める。

素材こそキャッチャーを使っていたりと少し奇抜な印象だが、

フロント提灯にするという思想はこの頃から既にあったと言える。

(川越 精文堂で、私がコースアウトした着地点とまったく同じ場所に着地して、

 コースアウトしなかったとあるマシン・・・あれを見てフロント提灯にする事を決めたと思う)

 

MA16A

2016年1月下旬、職場のミニ四駆レースで勝利するために、

40時間以上に及ぶテストを経てついに見つけ出した、

『MAフロント提灯マシン』。

片軸シャーシを脱却してスピードと安定性、そして保守管理の容易さを兼ね備えた

このマシンは、正に当時の私の技術の集大成と言ってもよい。

レース本番の成績は総合2位に留まったものの、

ポテンシャルを確信した私は 以後マシンの基本構造をまったく変えていない。

 

MA16B 2016年2月作成

MA16Aに、タミヤ公認競技会規則に適応する様モディファイを加えた車両。

タイヤ幅を太くし、シャーシ両脇のマスダンパーもより内側に移動されている。

MA16A譲りの性能に、製作方法を変えて精度の上がったタイヤがプラスされ

更に安定性がUPしている。

2016年2月27日 ホビーゾーン与野優勝の『ステチャンマシン』。

3月19日、そのままの勢いで公式大会も、と意気揚々に飛び出していったが、

チケットまで使って一日に2回スピード負け。

原因はブレーキの効きすぎと車両重量過多であった。

 

MA16C 2016年4月作成

MA16Bの最大の弱点、車両重量の重さを筆者は深刻に受け止めた。

シャーシの至る所に肉抜き穴。FRPや金属はカーボンに置き換え、

それでも残るビスやナット等は数を減らす、長さを短くする、

素材をアルミに変更する等で徹底的に軽量化。

車両重量は140g⇒120gとなり、決勝に残ることを前提としたマシン作りを

この車両から本格的に開始したと言える。

(当時の公式大会は決勝進出後は優勝決定戦まで電池交換が禁止だった。

なので、連戦でのパワー低下を抑えるため可能な限りの徹底的な軽量化の必要があった)

 

前後バンパーはブレーキセッティングの選択肢を広げるために

ロードクリアランスに余裕を持たせたうえ、

スプリングポップの完走率向上に効果ありとの判断からスラダン化された。

これには、この頃から通いはじめた、熊谷・ドルフィン模型で得たテスト結果が

ふんだんに注ぎ込まれている。

 

5月19日、これら施策は見事に功を奏し、

スプリング最終戦で1次予選、2次予選を突破し初めての決勝ヒート進出を決めた。

しかし決勝ヒートでは2周目にミラージュバンプでコースアウト。

初の公式大会優勝の夢は文字通り、蜃気楼の如く揺らめいて、消えていったのだ。

 

 

 

MA16D 2016年6月作成

スプリングが終わり、ジャパンカップシーズン到来。

熊谷・ドルフィン模型のレイアウトもJC模擬へと移り変わった。

スプリング最終戦コースアウトの原因は、リアバンパーの加工精度の甘さによる、

バランスを失ってのアウトリフトだった。

より高い加工精度を求めた私は、マシン制作環境にフライス盤を導入。

これにより、高品質なパーツが短時間で作れるようになった。

部品製作にかかる時間が減ったことで普段の練習量や予備パーツが増加した。

しかし6月19日、ジャパンカップ開幕戦はアルプスで予想よりもブレーキが効かず、

飛びすぎで態勢を崩してしまい、コースアウト。

まだまだ車両性能の詰めの甘さがあることを、痛感させられた。

MA16D2 2016年7月作成。

先のジャパンカップ開幕戦の結果を受けて、更にマシンをアップデート。

よりアルプスで止まり、より態勢を崩しにくいマシンを。

そして何度もテストを繰り返した結果出来上がったのは、

まったく肉抜きをしない重いシャーシに、22mmの極小径タイヤを履かせた車両だった。
 

次に出場するジャパンカップは、8月21日の福井大会。

2016年8月8日週に、ドルフィン模型のナイトレース、コジマ宇都宮本店のチケット戦と

ダブルで優勝を獲得した私は、恐らく過去最高のパフォーマンスを発揮している。

狙うのはもちろん、オープンクラス優勝の栄冠。

もはや今の私に、それ以外に望むものなど、何もない。

 

(おわり)