えりんぎのブログ

ホミン小説


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~ドンジュside~





「…フン。…まるで貴族みたいな面だな。」


そう言って持っていた写真を、ピンッ、と指で弾き目の前のテーブルに滑らせた男。



噂には聞いていたけど、…どうしてこんなに美しい男がSPなんて物騒な仕事をしてるんだ?


その事務所に出入りする屈強な男達の中でひときわ異彩を放つ存在。


────仕事はできる、って聞いているけど…。


この微妙な空気を感じとったのか、…その男は俺にチラリと視線を向け、ニッ、と口角をあげた。


「ふふ、…俺、…弱そう?」


切れ長の瞳にシャープな顎のラインを強調する高い鼻、薄めの上唇とは反対にポテッとした下唇はどこまでも紅く…。


───なんなんだ?


仕事柄、格好いいだけの人間は嫌ってほど見てるのに。


この、…人の視線を惹きつけてやまない存在感、…芸能人より、よほどこの男の方が──────。



「…こいつの腕っぷしは保証しますよ。下手な大男よりよほど強い。…試してみますか?」


事務所の社長が、いわゆる大男の類に入るであろう俺を見ながら口を挟んできた。


「…あー、いえ…、そういうつもりでは…。あの、自分は…シム・チャンミンのマネージャーでドンジュ、といいます。」


「今後、常に行動を共にしますので、宜しくお願いします。」


うやうやしく頭を下げて、目の前の男に視線を戻せば。


一度手放した写真をまた覗き込み、はぁ、…と軽くため息。


「…なぁ、社長。…どうして今回は、男?」


頬杖ついて納得いかなそうに。


「…まぁ、たまにはいいだろ?」



─────この美しいSPは仕事がデキる、以外に必ず依頼主に手を出すことで有名だった。


いや、…出されるのか?

芸能界に太いパイプを持つこの事務所は、芸能人のSPを派遣することが多く、何かと移動中も撮影される機会が多い中、女優と並んでまるで遜色のないこの男は引っ張りだこらしい。



「…あの、…彼は、シム・チャンミンは男ですが、…そこらへんの女優よりキレイな男でして…。」


遠慮がちに言ったら、あはははーっ、…と豪快に笑ったその男が、可笑しそうに片目を細めながら。


「…大丈夫。…俺、男と遊ぶ趣味はねぇから。」


人の意図するところを先に先にと、おどけた調子で言う男を前に、カァ、…と顔が熱くなる。


「…ああ、すみません、つい。…よろしく。ドンジュさん。」


「……チョン・ユンホです。ユノ、…と呼んでください。」


人の顔色を読むのがうまいのか、急に礼儀正しく、爽やかな笑顔で。


────喰えない男。

それがこのユノという男の第一印象。
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