モデル・定住旅行家 ERIKOのブログ

2016年2月〜 三重県答志島への定住旅行が始まります


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              洗い物をするタナカ


シャラッドくんの実家には、彼の家族でも親戚でも遠縁でもない子供が一緒に生活している。タナカだ。日本人の苗字のような名前だが、コタン村に住む立派なライ族。
彼の実家は、シャラッドくんの家から少し下った場所にある。家族がいるのにどうして別々に家に住んでいるのか?少し気になってはいたが、ラテンアメリカなどでも、全く血の繋がりの関係ない人が住んでいることはよくあるので、当初はあまり気にしてなかった。

 

タナカは現在8歳。その働きっぷりは、いつも目を奪われてしまう。

食事前、スパイスを石で一生懸命すり潰し、調理場へ運ぶ。食事ができたらみんなに配膳。そして大人にはチャン(ネパールの地酒)を注ぐ。みんながお腹一杯になってお茶を飲んだり一服していると、貴重なタンクのお水を少量で効率よく使いながらすべての食器を洗い上げる。
その間、家畜が遠くへ行ってしまいそうになると、まるで狩猟民のように全力疾走で追いかけ元の場所へ誘導する。その姿は牧羊犬も顔負けである。

そしてすべての仕事が終わった夜、2階の部屋の電灯の下で教科書を開き、黙々と勉強する彼の姿があった。
毎朝私たちが起き出す頃、タナカはもう学生服に着替えて、徒歩1時間半の丘の上のYou Me Schoolへ歩き出している。

 

普段の彼は立派な大人みたいで、子供らしく遊んでいるところや何かを食べたりしているのを見たことがないが、私が話しかけると、無邪気な子供の目に戻りはにかみながら話をしてくれる。

そんなタナカが大好きになった。タナカの生き方は、命を本当に大切にしているように見えたからだ。

 

タナカのお母さんは耳が聞こえない。お母さんとのコミュニケーションは手話。彼は立派に手話で会話ができる。お母さんと村の人が話をするときはタナカが間に入ってそれを伝える。そして彼のお父さんも障害を持っている。一般家庭と比べて生活が大変なので、今はシャラッドくんの家族と一緒に生活しているのだ。
彼の姿に心打たれるのは、彼自身が一生懸命に生きているだけでなく、そんな背景を背負っているからなのだろう。

 

シャラッドくんの家を去る時、妹のサーテが忘れたスカーフを、全力疾走で走りだす車に届けてくれたタナカが最後の姿だった。その彼の走る姿とキラキラした目は、とっても人間らしかった。
生きている姿だけで人に感動を与えられる人間はそういない。タナカに会って、私はこれまで感じたことのなかった新しい価値観の財産をもらった。

ERIKO

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