2012-10-09

私のトピックス/その2

テーマ:映画
ノーベル医学生理学賞を受賞された山中伸弥さん、おめでとうございます! まったく面識はないが、お人柄も良さそうだし、大阪人で、講演でも必ず笑いをとることを心がけているというのも嬉しい。
原発問題で脚光を浴びた京大原子炉実験所助教の小出裕章さんもそうだが、学者・研究者の世界には、本当に人類や地球のことを思い、私利私欲なく地道な研究や実験に没頭している人がいるようで、まことに清々しい。

さて、私が主宰する(と言うのもおこがましいが)月一回の映画観賞会は今も続いていて、先月はアッバス・キアロスタミ監督の『ライク・サムワン・イン・ラブ』を見た。見る作品・日時・映画館を私が決め、毎回30人ほどにメールをお送りしているが、来られるのは大体2~3人。この日は、Nさん、Yさん、K先生の3人がお越しになった。
イランの監督が、日本人俳優とスタッフを使い、日本で撮り、日本語で作られた日本・フランス共同製作という作品。侯孝賢(ホウ・シャオシェン)の『珈琲時光』を思い出したりした。
おもな登場人物は3人で、84歳の元大学教授タカシ(奥野匡)、女子大生のデートクラブ嬢・明子(高梨臨)、その彼氏のノリアキ(加瀬亮)。タカシは亡妻にも似たデートクラブ嬢・明子を自宅マンションに呼ぶが、明子はタカシが用意しておいた食事にも手をつけず、眠いと言いだす。翌朝、タカシは明子を車で大学まで送るが、そこにはストーカー的に明子を束縛しようとするノリアキが待っていて、明子に詰め寄る。タカシはその様子を車の中から見ているが、会話の内容までは分からない。ノリアキはタカシを明子の祖父だと勘違いする。やがて、ノリアキはタカシと明子の関係を知り、タカシのマンションに押し掛けて手荒くドアをたたく。その部屋には明子も居て……。
というような展開が、24時間にも満たない時間設定の中で起こる。説明的なセリフはまったくないので、謎がやたらに多い。そもそも、タカシはどこで明子を見つけたのか。明子を部屋に呼んだ理由は何か。ノリアキはどのようにして二人の関係を知ったのか。しかし、その「二人の関係」すらも曖昧なのである。
それはまるで3人の人生の中に突然飛び込み、わけも分からぬままに一晩と半日付き合わされ、また唐突にそれを打ち切られてしまったような映画体験なのだっだ。キアロスタミ監督は「私の映画は始まりもなく、終わりもない」と語り、また、タカシ役の奥野匡も「撮影に入るときになっても台本はないと言われ、毎日翌日撮影する分だけしかもらえませんでした。だから明子とタカシのあいだに何があったのか、僕らにもわかりません」と語っている。だとすれば、この謎の多さ、曖昧さは監督の意図したことではないのか。つまり、人生とはこういうものだと。

映画を見終わったあとは飲み会と決まっていて、この日も4人で居酒屋へ。見てきた映画の話になることもあれば、まったく触れられないこともあるのだが、この日は映画の話で盛り上がった。なにしろ謎だらけなのだから。たとえば、老教授はなぜ運転中の信号待ちで居眠りをしてしまったのか、という問題について。K先生は歳をとると眠くなるんだと言い、私はノリアキとの対決で実は疲れていたのではと混ぜ返す、という具合。
そんな話をしていると2時間があっという間に経ち、さてそろそろお開きにするかというころ、K先生が携帯のメールに気づいた。なんと、別のYさんが飲み会に合流しようと、どこかで待っているという。みんな青くなった。話に夢中で、4人とも携帯の電源を切ったまま(つまり、映画が始まる前に4人ともお行儀よく電源を切ったということ)だったのだ。あわてて電源を入れたら、私の携帯にもGさんからのメッセージが残っていた。「ヨドバシカメラあたりで時間をつぶしてます」と。というわけで、この日は2人の女性に待ちぼうけをくらわせてしまったのだった。すみませんでした!

翌日の夕方、K先生からメールが来た。「パンフレットを読んでいたら、女性評論家が、朝うとうとしてしまうのは、あの二人がしていたからだと書いていました。なるほど!と膝を打ちました。」とある。えーっ!?と思い、私もパンフレットを読み返してみた。川口敦子さんが《明かりが消えた後、ふたりは何かをしたのか。》と書いているが、「した」とは断定していない。しかし、朝の車の中で明子があくびをしていたことにも言及していて、これは私が見落としていた部分で、ちょっと分からなくなった。だが、タカシがソファーの毛布をたたんでいるカットもあったはずで、それはタカシがソファーで寝たことを示しているのではないか。うーん、これはもう一度見てみなければ。
京都映画祭で、この日のメンバーを交えてまた飲んだ。当然この話になり、K先生とYさんは「した」派、Nさんと私は「していない」派に分かれた。ますます、もう一度見てみなければという気持が強くなった。
もう上映は終わったと思っていたが、大阪では12日まで梅田ガーデンシネマで朝一回だけ(9:50~)上映していることが分かった。もちろん見に行くつもりだが、何度見ても迷うような気もしている。

ところで、タイトルの意味は「恋をしている誰かのように」ということだろうか。なかなか良いタイトルだと思う。私が身近に感じるのは、当然ながらタカシだが、84歳の恋心はまだ分からない。
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