2014-05-25

発信すること

テーマ:映画
なんと、昨年8月8日以来の更新である。自分の書くものに、どれほどの意味があるのか、という思いが常にある。慧眼と認める知人から「つまらぬ」と言われたこともある。打たれ弱い私は、黙り込む。物言えば唇寒し……という思いもある。

昨日(5月24日)から、シネ・ヌーヴォで「革命の映画/映画の革命」という特集上映が始まった。これは、ボリビアのホルヘ・サンヒネス監督を中心とする「ウカマウ集団」が制作してきた全作品のレトロスペクティヴだ。
その1本目として、最新作『叛乱者たち』(2012年)を見た。チラシによれば《18世紀末、スペインの支配からの解放を目指す先住民族の戦いに始まり、(中略)2006年、ついに先住民出身のエボ・モラレス政権が誕生するまでの歴史を物語り……》とある。200年以上にわたって抑圧・差別されてきた先住民たちの戦いの記録と記憶が、83分のうちにコンパクトにまとめられている。南米大陸の内陸部にあるボリビアという国の知られざる歴史に触れるという興味が、映画を最後まで飽きさせないが、私はずっと「健全だなあ」という思いで見ていた。
公園に入ることも、道路の歩道を歩くことも許されなかったという先住民たちの被虐性は目に余るものだが、それに対して、直接民主主義と言ってもよい集団的討論を繰り返すことによって対抗策を考え実践してきた抵抗の歴史、新自由主義を背景とする多国籍企業の水や天然ガスの収奪に対する闘争など、そこには負け戦を覚悟しつつも正しいと思うことを主張し、正義を実現しようとする強い意志が連綿と脈打っている。
それを見て、「健全だなあ」と思った次第。ひるがえって、わが国はどうか。3・11以後、見捨てられる被災者たち、根本的見直し・出直しが行なわれない原発政策、特定秘密保護法、集団的自衛権……。どうしてこんな国になってしまったのか、という思いが強い。そして、私ごときが何を言っても、この流れは変えられないだろうという諦念。

『叛乱者たち』の上映後には、ウカマウ集団の映画を日本に紹介し、今日まで彼らと並走してきた太田昌国さんのトークもあった。出版社「現代企画室」編集長であり、『極私的60年代追憶』『「拉致」異論』などの著書もある太田さんは、世界を覆うグロバリゼーションや新自由主義への違和感を、静かに、しかしキッパリと語られ、それらの言葉は、めずらしくストンと私の胸に落ちてきたのだった。

というわけで、たとえ負け戦であっても、ごまめの歯ぎしりであっても、言いたいことは言っていこうと思ったのだ。小さな発信であっても、いくばくかの影響を他に与えられるかもしれない、と信じて。いや、「信じて」というほど強い意思でもないのだが。
今日も午後4時40分から、ウカマウ集団制作『地下の民』(1989年)の上映がある。続けて、ウカマウ集団にシンパシーを感じている(?)空族(くぞく)の名作『サウダーヂ』(2011年、監督:富田克也)も上映される。で、私は今日もシネ・ヌーヴォへ行く。
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