2011-08-10

見るべし『大鹿村騒動記』

テーマ:映画
7月19日に71歳で亡くなった原田芳雄さんの追悼を、私なりに行なってきた。
シネ・ヌーヴォで『原子力戦争』(78年、監督:黒木和雄)と『生きてるうちが花なのよ 死んだらそれまでよ党宣言』(85年、監督:森崎東)を見、テアトル梅田で『反逆のメロディー』(70年、監督:澤田幸弘)、『ツィゴイネルワイゼン』(80年、監督:鈴木清順)、『われに撃つ用意あり READY TO SHOOT』(90年、監督:若松孝二)、『父と暮せば』(04年、監督:黒木和雄)を見た。そこには、40年以上にわたって、金はないが映画を撮る志は熱く高い監督たちに共感し、自由奔放な演技でそれに応え、また自らの映画魂をスクリーンに刻印してきた原田芳雄さんの姿があった。
直接お話ししたことはないが、守口(もりぐち)で行なわれていたころの「おおさか映画祭」(おおさかシネマフェスティバルの前身)に受賞者として来てくださったときには、われわれスタッフと居酒屋で酒を酌み交わし、シネ・ヌーヴォにゲストとして来てくださったときには、旧松島遊郭の中にあった(今はない)和風旅館をいたく気に入ってくださるなど、その飾らない気さくな人柄から、兄貴分のように思ってきた。
そして今日、梅田ブルク7で最新作であり遺作となった『大鹿村騒動記』(11年、監督:阪本順治)を見てきた。結論から言うなら、これが遺作でよかった! 笑って、泣いて、ジンときた。原田芳雄さんは堂々たる主役ぶりである。
亡くなる8日前、この映画の完成披露試写会に車椅子で現れた、やせて痛々しい姿の原田さんとは別人のように立派な体躯でもある。
内容についてはあえて触れないが、長野県下伊那郡大鹿村に300年続く村歌舞伎が物語の柱になっていて、私に歌舞伎の素養がないのが悔やまれた。しかし、そんな人のために(?)、必要最低限のことは瑛太君が台詞の中でうまく説明してくれる。脚本は荒井晴彦と阪本順治。
デビュー作『どついたるねん』(89年)から見ている阪本順治監督も大御所になったなあとか、共演している大楠道代、岸部一徳、石橋連司ら、原田さんの同志と言ってもいい人たちの思いはどんなだろうとか、さまざまなことが思い浮かぶ。さらに付け加えれば、キャメラの笠松則通も良い。ラストに流れる忌野清志郎の「太陽の当たる場所」も泣かせる。女の子のような声を出す新人・富浦智嗣(とみうら・さとし)も良いアクセントになっている。
梅田ブルク7での上映は8月19日までだが、ともかく一人でも多くの人に見てもらいたい「大人の映画」だと思う。映画人の粋な計らいか、料金は一律1000円である。
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