2006-02-16

大阪を侮るなかれ

テーマ:映画
「おおさかシネマフェスティバル」報告の続き。2日目の2月4日(土)午後から。

川本三郎さんと京橋で少し寄り道したが、1時過ぎには会場に到着。すぐに控室に入っていただき、用意されていたお弁当を二人でいただく。すると、映画祭実行委員長の高橋聰さんや、まんが評論家の村上知彦さんなどが次々とあいさつに現れ、控室は急に賑やかになった。ホッと胸をなでおろす私。実は、電車の中でも居酒屋でも、大阪弁についてや大阪の地名・地理などについて川本さんから質問ぜめに遭い、その都度「たぶん」とか「~だと思います」など、はなはだ歯切れの悪い答えしかできず、冷や汗タラタラだったからである。
お役目をひとまず終え、午後2時から、この日の目玉作品『花つみ日記』を見せてもらう。当時15歳だった高峰秀子と、川本さんが《心ときめいてしまった》という清水美佐子の友情物語。モノクロームによる光と影の描写、扱われている多感な少女たちの心の揺れなど、なんとも繊細な、愛すべき映画だ。舞台は大阪の宗右衛門町。高峰は芸妓屋の娘、清水は東京からの転校生。高峰は、小学校3年まで東京・浅草で暮らしていたという設定で、大阪弁と東京弁をチャンポンにしゃべるのだが、これが両方とも違和感なく聞ける。やはり天才であろう。川本さんお気に入りの清水は、小柄で華奢で色白。やや大柄な高峰と好対照をなしている。
上映が終わって、いよいよ川本さんと上倉先生のトークショーが始まる。清水美佐子の兄が出征するシーンで、清水が少し涙を見せるが、そういうカットを入れることは、当時(1939年=昭和14年)としては相当に勇気の要ることだったのではないかという指摘には、目からウロコ。だが、川本さんは東京生まれの東京育ち、上倉先生は横浜出身で、映画に出てくる場所が実際にはどこなのかが分からない。特に、地理・地名好きの川本さんは、それが気になって仕方ないらしく、「どなたかご存じないですか」と客席に呼びかける異例の展開となった。
ぱらぱらと手が挙がる。そして、出てくる学校は現在の大阪女学院(中央区玉造)で、当時はウヰルミナ女学校と言った。映画の中では、帝塚山あたりにある学校という設定になっているようだ。教会は、現在のカトリック玉造教会。その他、大川にかかる銀橋(正式名は桜宮橋)、生国魂神社(いくたまじんじゃ。正式には、いくくにたまじんじゃ)裏の階段、横堀川、北御堂(あるいは南御堂)、信貴山などが画面に登場していること、さらに、高峰の家という設定の芸妓屋は、宗右衛門町の角地にあった富田屋(とんだや)であろう、芸妓たちが芸の練習をしているのは実際に芸妓教室のあった大和屋の練習風景そのものではないか、などということが観客席の発言から分かってきた。こんなトークショー、私は初めてだ。
手を挙げて答えた人たちが、またすごい。着流しの老人は、元関西大学教授で書誌学の大家・肥田皓三氏。そして『ぜんぶ大阪の映画やねん』の著書もあるライターの武部好伸氏。金なべで有名な「明陽軒」のご主人 という具合。「明陽軒」は、まさに宗右衛門町のど真ん中にあるのだ。さらにさらに、「私、この映画がウヰルミナ女学校で撮影されているのを見ていました」とおっしゃるご婦人まで現れて、会場から拍手が……。大阪の文化的厚み、おそるべしである。
トークショーの興奮さめやらぬまま、川本さんは芦屋で人に会う約束があるとのことで、再び私がJRの京橋駅までお送りした。喫茶店でひと休みし、会場に戻る。それから夜の9時半まで、受付を手伝う。2日目の総観客数は300を超え、なんとか目標ラインを突破か。やれやれである。京橋でうどんと巻き寿司を食べ(これはうまかった)、帰宅11時。

なかなか終わらないですね。まあ映画祭最終日(5日)のことを書き終えれば、あとはトントンといくでしょう。今日はここまで。ちなみに、2月6日には、ウヰルミナの「ヰ」を探せなくて、あちこちキーボードをたたいているうちに、どこを押してしまったのか、一瞬にしてそれまで書いてきた文章が全部消えてしまったのでした。ようやくそこまで追いついたということだけど、何やってんだろうねえ、まったく。
AD
いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)
最近の画像つき記事
 もっと見る >>
2006-02-15

ゲッ!

テーマ:日常
なんと、もう2月も15日ではないか。この間、「おおさかシネマフェスティバル」もなんとか無事に終わり、6日に報告を書き始めたのだが、私のケアレスミスでまた一瞬にして消してしまい、ボーゼン自失。もう一度挑戦しようと思っている間に、9日が過ぎてしまった。また昨日(14日)は、忌まわしい「バレンタイン・デー」であったが、いただいたチョコレートはひとつ。それも身内から。「うーむ、甘い幻想は捨てて、孤独であることを再認識して先へ進もう」と腹をくくり、やるべきことを少しずつでも着実にやっていこうと決めた。
この日記更新もそのひとつだ。空白の2週間分を一日では書ききれないが、二三日かけても現時点まで追いつくつもりなので、ご容赦を。

2月2日(木) 2月28日に開かれるシネ・ヌーヴォの株主総会に向けて、株主にお送りする営業報告書・経営計画書などを校正する。2004年は黒字だったが、2005年は赤字に転落、校正していても気が滅入る。
夕方、思い立ってFさんに電話。ほぼ2年ぶりに会うことに。夜の8時ごろから2時間ばかり、ずっと私のおしゃべりに付き合ってもらう。帰るころにはスッキリし、「もっと早く会いにくればよかった」と思った。帰宅して、Fさんにお礼の手紙を書く。

2月3日(金) ついに「第1回 おおさかシネマフェスティバル」の初日である。上映は12時20分からだが、準備のために9時15分に会場の大阪市立鶴見区民センターへ。まず会場に椅子を200脚並べる。固定席が300あるので、最大800人まで入れる会場に500席を準備したことになる。その他、会場周辺にポスターや案内を張ったり(市の施設なので、張れる場所が限定されていて、もどかしい)、受付やチラシ置き場を作ったりしているうちに開場の時間となる。私は受付に立って、前売券のモギリ役を担当。
この日の上映作品は、「大阪出身女流作家・山崎豊子原作傑作選」として、『白い巨塔』(66年、山本薩夫監督)、『女系家族』(63年、三隅研次監督)、『華麗なる一族』(74年、山本薩夫監督)の3本。受付の混雑も一段落し、午後3時15分から『女系家族』を見せてもらう。堂々たるものだ。まずキャストがすごい。京マチ子、高田美和、鳳八千代、田宮二郎、中村鴈治郎、浪花千栄子、そして若尾文子。浪花千栄子や中村鴈治郎の大阪弁がなつかしい。さらに、脚本・依田義賢、撮影・宮川一夫、美術・内藤昭という豪華スタッフを得て、三隅監督の演出が冴える。63年といえば昭和38年だが、日本映画の黄金時代といわれた昭和30年代の邦画水準の高さを、改めて実感した。
初日の観客数は、トータルで200人と少し。やや寂しい数字だが、平日の午後としてはまずまずか。後片付けを終え、午後9時半に会場を出る。京橋で塩ラーメンを食べ(まずかったなあ、塩辛いばかりで)、帰宅11時。

2月4日(土) やはり9時15分に会場へ。この日は10時から上映が始まるので、準備の時間があまりない。場内では映写テスト、受付では釣り銭の確認などをしており、お客様をすぐに場内へ入れることができない。ロビーで15分ほど待っていただくことになったが、怒りだす人がいる。一度か二度は誰かが「いま映写テストをしておりますので、もうしばらくお待ちください」と声をかけていたはずだが、もっときめ細かく観客に配慮すべきだったと反省。
この日の上映作品は、昨日の3本に加え、大阪ではほぼ半世紀ぶりの上映となる『花つみ日記』(39年、石田民三監督)がある。この記念すべき上映に合わせて、川本三郎さん(評論家)と上倉庸敬先生(大阪大学大学院文学研究科教授)との対談が企画され、私は川本さんを新大阪駅でお迎えするという大役を仰せつかった。というわけで、一本目の『華麗なる一族』の観客入場を済ませ、早めに新大阪駅へ向かう。
12時2分着予定の「のぞみ113号」は、雪のために7分ほど遅れて到着。ホームで無事に川本さんと合流。すぐに会場へお連れしようと、JRで京橋へ。地下鉄に乗り換えるために改札を出ると、左へ行くべきところを川本さん、右側の雑駁な商店街を目ざとく見つけられ、「ちょっと見ていいですか」と言われる。時間に余裕があったので、「どうぞ、どうぞ」と私もあとに続く。ベタなCMで有名な「グランシャトー」や、ホステスの平均年齢が60歳を超えていると噂されるキャバレーなどをご案内したが、その途中、川本さんは居酒屋があると腰をかがめて暖簾の間から店内を物色され、「最初の店が良さそう」と呟いてスタスタと元の場所へ。どうやら、すでに頭の中に地図が出来ているようだ。で、最初に覗かれた店の前に立ち、「映画は2時からでしょ、一本だけ飲んでいきませんか」とおっしゃる。私に異存のあるはずもなく、二人で店内へ。客は私たちだけで、おでん・筑前煮・肉じゃがなどを肴にビールを1本。私はグラスに半分だけいただいたが、それだけで真っ赤。「雪で新幹線が遅れましてと言い訳しようと思ったけど、それじゃバレちゃうね」と川本さんに笑われる。

今日はここまで。続きはまた明日(書くつもり)。
AD
いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)
2006-02-01

ドキッ!

テーマ:ヨーガ

心にわだかまることあり、顔も洗わず、食事もせず、風呂を沸かしても入らず、だらだらと家に居続ける。

夕方になり、ヨーガ教室も休んでしまおうかと思ったが、指導者のSさんにお願いしていたことがあり、すっぽかすわけにもいかず、出かける。

アーサナ(姿勢、ポーズ)と瞑想が終わり、恒例の質問タイム。今日は発言しないと決めていたが、Sさんから「(アーサナと瞑想が)終わって、凛々しい顔になっていますよ」と言われ、「最初はボロボロだったってことですね」と冗談めかして答えたが、内心〔自堕落な時間を過ごしていると、顔に出るものなのか〕と、ドキッとする。

それにしても、Sさんをはじめ指導者の方々の、いつも変わらぬ朗らかさ、穏やかさには感心させられる。今日も、このクラスに参加したことで、「愁眉を開かれた」という思いだ。


かくして、ユーウツな気分にさせる事柄や人間関係からは遠ざかるのが正解だな、と考えつつ電車に乗り、ヨーガの本を読み始めると、《嫌いなことを積極的にやることは、素晴らしいヨーガのサーダナ(霊的修行)です》とある。ええ~!? どうすりゃいいのさ、この私。

AD
いいね!した人  |  コメント(2)  |  リブログ(0)

AD

ブログをはじめる

たくさんの芸能人・有名人が
書いているAmebaブログを
無料で簡単にはじめることができます。

公式トップブロガーへ応募

多くの方にご紹介したいブログを
執筆する方を「公式トップブロガー」
として認定しております。

芸能人・有名人ブログを開設

Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
ご希望される著名人の方/事務所様を
随時募集しております。