2008-08-20 11:08:02

*PART2*a Piece of love①

テーマ:ブログ
*PART2*a Piece of love①
(らんま1/2novel乱×あ)


※この作品は以前書き途中だったものをかなり内容変更しています。





うちの近所のコンビニに無愛想な男の子が働いている。

なんでも接客業のくせにニコリともせず、けど近寄りがたい雰囲気なわけじゃない。たまに見せる笑顔が子供っぽくてかっこいいだとか、可愛いのだとか…。


「なんだかすっかり有名人ね」

「あ?なんの事だよ」

その噂の男の子とは私の許婚、早乙女乱馬(17才)。


「お!アイスじゃねーか。おい、俺の分もちゃんと残しとけよ!」

私がアイスの6個入りの箱、二種類を乱馬の立っているレジに持っていく。

「乱馬はバイトしてるんだから自分で買って食べればいいでしょー」

「いいんだよ!バイトでも食って家でも食うのっ。オメーもいつも甘いもの買いやがってブタになってもしんねーぞっ」


「ブタはよけーよっ!
ったく食い意地がはってんだから。
じゃあ、バイト頑張んなさいよ」

「おー。気を付けて帰れよ」


乱馬がバイトするコンビニをあとにする。



乱馬がコンビニでバイトをはじめて一週間。

なんだかんだいっていつも目立ってしまう乱馬。

本人いたって大人しくしてるらしいんだけど、この近所ではもうすっかり有名な様子。

もともと毎度毎度のお騒がせである意味有名ではあったんだけど…。

「ねえねえ、今のレジの男の子可愛くなかった?」

「私もこないだからそう思ってたのよ」

すっかり同い年くらいからお姉さん系の女性の間で人気みたい。
私がコンビニに行く度にすれ違う女の人達が、こんな会話をしているのをよく耳にする。
たまにおばあさんにも「あんな子を孫に欲しい」とか言われてたりもする。




乱馬がコンビニでバイトすることになったきっかけは先々週のことだった。

一学期の終業式を終えた私たちが居間に入ると、このコンビニのオーナーの田中さんの奥さんがうちのお父さん達と話をしていた。
田中さん夫婦は最近まで酒屋をしていたが数年前から大手チェーンのコンビニを始めた。
そのお店は町内にあって私も乱馬も学校帰りにお菓子を買い食いしたりと頻繁に利用していた。



「おお!ちょうどいいところに帰ってきた!乱馬くん、田中さんの奥さんがちょっと話があるそうなのよ」
お父さんがニコニコと乱馬に話しかける。

「俺に?」

お父さんがなんとなくうさんくさい笑顔をするから乱馬は怪訝そうな表情をした。
お父さんはそんな乱馬の様子に気にせず話し続ける。

「なんでも、田中さんの旦那さんが腰痛でしばらく仕事ができなくなってしまったそうなんだよ。その上ここ最近男の子が二人辞めたばかりみたいでね、男手が足りないみたいなんだって。」


「最近、隣町でコンビニ強盗があったでしょう?
町内の下着ドロもまだ捕まっていないし…このところ何かと物騒だから腕の立つ男の子にバイトに入ってもらえないか天道さんにお願いに来たんです。乱馬くん、是非お願いできないかしら?」


田中さんの奥さんは本当に困っている様子だった。


「うーん、そうはいってもなぁ…俺も修行があるし…」

乱馬が弱ったなぁと言うような表情でポリポリと頬を掻く。

「心配には及ばん、乱馬よ。今年の夏はコンビニでアルバイトをするがよい。困っている市民の手助けをするのも武道家の務め。」


早乙女のおじさまが口を挟んできた。

「親父、明後日から山籠りするんじゃなかったのかよ。」

「うむ。事情が事情じゃからな。やむおえんだろう。予定を少し先に延ばそう」

「お願いよ、乱馬くん。もちろん用心棒代も含めて他の子達より時給はよくするし…」

「ん?なんだこの日本酒やらビールやらは」

乱馬がお父さん達の後ろにあったビールやお酒の瓶を見つけた。

「ややっ…!これはだねっ、乱馬くん。田中さんの奥さんがどうしてもっていうから、ねえ?早乙女君」

「そうそう!わしらは決して酒に目がくらんだわけじゃ…ねぇ!天道君」

お父さんもおじさまも図星と言わんばかりに動揺している。

「もうすでに開けて呑んでんじゃねーかよっ!たくっ!もー…しゃーねーなぁ…」

「やるの?乱馬」

と私は乱馬をみる。

「仕方ねーだろ。もらうもんもらっちまったみてーだし。ったく酒で息子働かすとはどーゆー親共だよ」

乱馬らしいなぁ、と思いながら乱馬を見つめる。

なんだかんだ言いつつも困ってる人をみると乱馬は放っておく事が出来ない。


「ふふ…」

「なに笑ってんだよ」

「べつにーぃ」

「んだよ。変なヤツ」

私が乱馬を見つめると乱馬は照れた様にそっぽを向いてしまった。




乱馬がバイトをはじめてから一週間。
乱馬の夏休みは朝から夕方までおじさまと道場で稽古をして、夜はコンビニでバイトをしている。

高校生だから10時には上がるけど、学校に行っている時より乱馬と話してないなぁ、なんて思ったりして、たまにアイスやノートを買うのだと口実をつけてはコンビニに行って様子を見に行く。


「あら、あかねまたアイス買ってきたの?」

居間でさっき買ってきたアイスを食べながら一人でぼーっとテレビを観ていた私。
なびきおねーちゃんがどこかからか帰ってきて居間に顔を出した。

「なびきおねーちゃん…」

「つまんなそーね、あかねは。乱馬くん夏休みの間忙しそうだもんねー」


「わ、私はべつに乱馬なんかいなくたって…!」


「はいはい。あかねもやったら?アルバイト。紹介してあげるわよ」


アルバイトかぁ。
私にもできるかな。


「ま、気が向いたらいつでもいいなさい」

ポンと私の肩を叩いてなびきお姉ちゃんは上に上がっていった。



「ただいまー」

しばらくして乱馬が帰ってきた。

「おかえりーごはんたべる?」

と乱馬に声をかける。

「いや、なんか期限切れの弁当もらって食ったから」
「あ、そう」

「アイスは食うぞ」

「はいはい。冷凍庫にまだちゃんと残ってるわよ」

「なにやってたんだよ」

「なにって?なにも」

乱馬の聞きたい意図がよくわからない。

「コンビニ来たあと」

と乱馬が続ける。

「ああ、テレビ観てた」

そんなこと聞いてどうするんだろう。

「ふーん。そうかよ。」

と乱馬は納得してもらえたようだ。

「あ、ねえねえ、乱馬!バイトってたのしい??」

「ああ?なんだよ急に」

「なびきおねーちゃんがさっき私もバイトしてみればって。紹介してくれるって。」

「なっ!ダメだろそれは!」

乱馬が勢いよくこっちに迫る。

「な、なんでよ。みんなやってるし…」

「いや、だから…その。
そう!おめーみてーな不器用な女がバイトなんて務まるわけねーじゃねーか」

え?そんな理由?!

「なによ~!やってみないとわからないじゃない!!」

「やらなくたってわかる!おめーには無理だっ!」

乱馬の言い方に頭に来た私は

「わかった!そんなに言うならやってみようじゃないの!!」

「え゙」

乱馬が動揺している様だった。
もうこうなったら意地でもバイトしてやるんだから!
「なびきおねーちゃん!」
と私は二階の階段にかけ上がる。

「お、おい!」


乱馬の声が聞こえたけど私は振り向かない。


こうして私のバイト生活もスタートしたのだった。



つづく
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