日本は不幸か? | ロンドンで怠惰な生活を送りながら日本を思ふ 「東京編」

ロンドンで怠惰な生活を送りながら日本を思ふ 「東京編」

ロンドン・東京そしてNYといつの間にかいろんなところを転々とそしてまた東京に。海外なんて全く興味なかったし今もないという予想外の人生でした。今は東京に戻りしばらくお休みしていましたが少しずつ再開してみようかと思ってます。よろしくお願いします

「日本人は不幸なんだー」という怨嗟の声は相変わらず強いように思う。働いても給料は上がらない。残業は多い。ブラック企業も多い。円高のせいで不幸なんだと思ったら今度は経済音痴の安倍首相の政策で円安&消費税増税になって物価が上昇し生活感はさらに悪くなり…。まあ、こんな感じだろか。

格差の拡大もその一因といわれるが、そもそも格差は80年代後半から拡大しているしそれは日本に限って起こっていることではない。先進国全般、いや新興国でも起こっている。

日本人だけがそんなに不幸なんだろうか?

こんなグラフがあったので紹介したい。(pew research より)




上から、先進国・新興国・後進国の生活に対する満足度の変化だ。ここ数年で新興国の生活に対する満足度が大幅にアップする一方で先進国は全般に低下傾向にあることがわかる。

なぜだろうか。とはいえ、絶対水準ではまだまだ先進国のほうが豊かな生活を送っているはず。まして、日本なんて仕事量は少し多いかもしれないが、清潔で治安よくてサービスも行き届いておいしい食事もたくさんある…。しかも今は知らないが…少なくとも数年前までは物価もあきれるほど安く生活しやすかったはずだ。(ちなみに詳しい中身だと日本人の幸福度は2007年に比べて少しだけ上がっているわけだが)

なぜだろう?

格差が不幸の原因と考えるならば日本以上に格差がある先進国はたくさんあるし、新興国の格差の拡大も激しいのはご存じのとおり。

だが、新興国にはまじめに働けばどんどん豊かになれるという希望があるのだろうと思う。それが一番の原因ではないだろうか?また古い価値観から脱却して新しい価値観というと変だが、より自由な社会へ移行している過程であるということも大きいのかもしれない。

日本で言えば昭和30年代ということだろうか。以前も書いた(過去記事→always 三丁目の夕日は古きよき時代? )ように昭和30年代がそんなに素晴らしい時代だったのか…。というと現代的価値観からはかなり疑問があるが、それでも伸びていく時代の楽観的な雰囲気があったのだろう。

一方で、豊かになりすぎてこれ以上何がほしいかわからなくなってしまい、経済も停滞することを余儀なくされてしまっている我々。昔の人から見ればものすごく豊かな生活をしているのにだ…。それで不満を感じるなんて何かおかしいのだけれども…。人間というのはやはり向上心を常に持っているので伸びていかない生活には満足できないのかもしれない。