ロンドンで怠惰な生活を送りながら日本を思ふ 「NY 編」

ロンドン・東京そしてNYといつの間にかいろんなところを転々と。海外なんて全く興味なかったし今もないという予想外の人生ですがそれでも少しでも何かを伝えていければと思っています。よろしくお願いします


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世界一シンプルな経済学。

経済というとなんとなくハードルが高い。まして「経済学」なんていうともう数式とかグラフが出てきて何を言っているのかわからない。という人は多い。小さな政府は支持するんだけど。。。経済学に素養が有る人の言うことは非常に納得できるんだけど。。。敷居が高くて本も読まないからなんとなく受け売りばっかりになって、自分で考える力がつかないしちょっと反論されるとタジタジになってしまうという人は多いだろう。

そういう人にこそぜひ読んでもらいたいのが今日の一冊である。そして、日本ではそれほどメジャーではないのだが、欧米ではどうも多くの人が読む経済に関する古典的バイブルの一冊らしい。




世界一シンプルな経済学 (日経BPクラシックス)

まず、経済学というと大学の教養課程で学んだマクロ経済を思い出す人が多いだろう。政府が財政支出すれば。。。金融緩和は。。。という非常に単純な話。

しかし、それはあまり意味がない。重要なのは経済学的なものの捉え方である。そのためにはミクロ的な理論や考え方をまずは学ぶ必要がある。政府が財政支出したらGDPが拡大するらしいなどということを覚えても人生を生きていく上でもビジネスを行う上でも何の役にも立たないと僕は思う、。

そういう意味で本書を読めば経済学的な標準的な考え方に触れることができる。かといって難しい数式など出てこない。そして、本書では各種の政府の政策の広範に及ぼす影響に関して書いてある。政府の生活保護によって貧困者が救済されました。めでたしめでたしといった短絡的志向で話が終わってないのである。そして考えながら読み進んでいくうちに自然と経済学的なものの考え方が身についていくはずだ。

個人的に読むべきと思った章は・・・

第6章・・・公的融資の問題点を説いている。それは税金の無駄遣いのみならず競争力のある事業者を却って淘汰してしまい競争力のない事業者をいき残させるから税金の無駄遣い以上に国家にとって負の影響があると説く。さらに、融資を増やすのではなく借金を増やすと素直に言い換えれば多くの人が公的融資というものの怪しさに気付くだろうと述べる。

7章・・・よく有る議論。生産性の向上は雇用を減らすというトンデモな意見を明快に切って捨てる。特に雇用が伸びない現代において多くの人が勘違いしそうな論点や主張が明確にその誤りが指摘されている。

11章・・・同様にバカン首相が主張した雇用。オバマが主張する雇用。しかし、完全雇用というのは結果であり目的でないと筆者はとく。アメリカの女性は生産性の向上によって働かなくてもいいようになったのだ。こんない素晴らしいことはないではないか。完全雇用などバカげていると当たり前の主張をしている。

このようによくあるおかしな議論に対する想定問答集の様相を呈している。小さな政府は支持するし経済学も一通り勉強したけど、反論されるとうまく言い返せないんだよな。という人にとっては非常に参考になる。また、経済学を一通り勉強した人にとっても具体的な議論の中で頭の体操になるし、背景にある理論を思い出しながら読み進めばいい頭の整理にもなるだろう。

23章ではインフレの弊害に触れ、24章では貯蓄の重要性を説く。経済停滞が長い日本では貯蓄は悪で消費が善であるかのような言説がまかり通っている。しかし、それは古くからアメリカでも言われてきたことのようだ。筆者はなぜ貯蓄が悪でないかを理路整然と説いている。

そして、驚いたのは最後の部分。1970年代のアメリカでも「成熟化による生産性の停滞は致し方ない。経済の停滞を受け入れるしかない」という臨調があったことだ。そして筆者はそれはアンチ・ビジネスの政策によるものであり、経済はまだまだ発展するとといている。僕はこのあたりは現代においては逆の意見を持っているのだが、しかしそういう時代があったことを思えば我々はビジネスフレンドリーな政策を取り戻すことで再び経済を復活させることができるかもしれないと勇気付けられるだろう。)

最後に筆者の一言を紹介したい。

「あるひとつの集団だけを見ていると正しいと思われることも、生産者も消費者も含めたすべての集団の利益を考えれば、幻想に過ぎないということである。問題の一部だけを見るのではなく、全体を見ること。経済学という学問はつねいそうあらねばならない。」

世の中の近視眼的な見方しかできない知識人といわれる人々に送りたい言葉である。そして、そうならないためにも多くの人に本書を読んでほしいのである。


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