しかし、幸いに日本は多くの貯蓄を持った国である。また、報道にあるようにこのような震災下でも一定の規律を守って生きられる民族でもある。
また、多くの研究で天災そのものが長期的に経済を落ち込ませるものでもないことは実証されているようだ。復興需要によって、経済の落ち込み分を取り戻しよりよい街づくりなどができればかえって生産性を高めることもできるだろう。
震災の傷は被災地を中心に大きなものになろうが、長期的に恐れることはまったくないように僕は思っている。むしろ新しい世界を構築するチャンスである。
しかし、一方の大きな問題はここにきて多くの政治課題が棚上げにされている点である。
日 本では震災とそれからの復興が大きなテーマになっているが、震災前に議論されてきた多くの課題に関しての議論は棚上げにされている。一方で世界では話がど んどん進んでいる点を忘れてはならない。世界の変化のスピードは従来にないほど早く、(経済成長とは単純な競争ではないものの)ライバルとなる国の数は過 去に比べてはるかに多くなっていることを忘れてはならない。
イギリスは先日発表の予算で今年度の法人税を2%下げ、さらにその後1%ずつさげ23%まで引き下げることとなった。
アメリカでも法人税を下げる議論がなされている。
日本では復興に対する財源探しから法人税下げは凍結される可能性が高そうである。また、TPPなどの議論も完全にストップしてしまっている。
これらは仕方がない面があるものの、今後の日本の経済の回復に重石になる可能性は高いと僕は考えている。もちろん、復興に関する議論が話題の中心になるのは仕方ないものの、世界は止まらずに動いていることを忘れてはならない。
日本人はたしかにすばらしい。しかし、日本人はやはり素晴らしいといって悦に浸っている場合でも、自粛・自粛と言って経済活動を停滞させている場合でもない。(もちろん、むやみやたらに自粛ムードを批判することも疑問ではあるけど。参考過去記事→カネを回さないといけないは本当か?自粛ムードは間違いか? )
日本でも法人税引き下げやTPPをめぐる議論が早く再開されることを祈ってやまない。日本に残された時間はそれほど多くはない。世界はどんどん動いているのだから。
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