ヴァイオリニスト奥村智洋さんのレクチャーコンサートが昨日(6月8日)、徳島市のあわぎんホール(小ホール)で開催されました。

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奥村智洋ヴァイオリンレクチャーコンサート
日時:2013年6月8日(土) 18:30開演 20:15終演
場所:あわぎんホール 5階小ホール (徳島県郷土文化会館)
第1部 奥村智洋無伴奏ヴァイオリン演奏会
曲目 無伴奏ヴァイオリンソナタ第1番(バッハ)・無伴奏ヴァイオリンソナタ第2番、第3番(イザイ)
第2部 レクチャー(公開レッスンと解説) ヴァイオリン:林田圭祐(徳島大学交響楽団) ピアノ:加藤佳子
曲目 ヴァイオリン協奏曲(ベートーベン)より

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会場が通常のコンサートホールではなく、講堂のような形だったため、事前打ち合わせの際に奥村さんの希望で、前半の無伴奏ヴァイオリン演奏はステージ上ではなく、客席近くで演奏して頂きました。目の前で演奏されるすばらしいヴァイオリンの音色に圧倒されました。

1曲目は、昨年のエンゲル・松江記念市民音楽祭にゲストコンサートマスターとして出演して頂いた時にも一部演奏されたバッハの無伴奏ソナタ第1番でした。重音が多用され複雑な多声部のフーガもあり、難曲ですが見事な演奏に引き込まれました。続いてイザイのソナタ2曲。ヴァイオリンが好きな人にはおなじみの名曲ですが、バッハの曲とともに大変高度な技術と音楽性が要求される難曲です。それを感じさせず流れるように演奏が進み、驚嘆するとともに大変感動しました。

ソロの演奏の時は演奏中の写真を撮影しませんでした。後半のレクチャーでは、ブログ掲載用に奥村さんの許可を得て少しだけ撮影しました。

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後半は6月23日のエンゲル・松江記念市民音楽祭でオーケストラと共演するベートーベンのヴァイオリン協奏曲の解説でした。ピアノ伴奏は阿南第九の会や女声合唱団グリューンコールの伴奏者として、またピアニストとして大活躍中の加藤佳子さん、レクチャーの一環として公開レッスンの形をとるための生徒役として、徳島大学交響楽団コンサートマスターの林田圭祐さんの演奏を交えて解説して頂きました。

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まず、ベートーベンがこの曲を作曲した頃の状況についての簡単な説明がありました。1806年、ベートーベンが36歳の充実した時期に作曲された作品で、同じ年にはピアノ協奏曲第4番や弦楽四重奏曲「ラズモフスキー」、交響曲第4番などの名曲が作曲されたとのことです。この長くて難しい協奏曲の初演は同年12月23日にフランツ・クレメントというヴァイオリニストによって行われたものの、ほとんど初見演奏のような練習不足の状態で行われて失敗に終わったこと、そのためか長い間忘れられていたことが紹介されました。そして、名ヴァイオリニストヨーゼフ・ヨアヒムの尽力で知られるようになり、現在ではヴァイオリン協奏曲の最高の名曲として位置づけられるようになったことが説明されました。

長い導入部をピアノで聴いた後、オーケストラとの共演ではソリストがずっと手持ち無沙汰で待っていることからもわかるように、この曲はソロに重点をおいているというよりも、オーケストラが非常に重要な役割を果たしているとの説明でした。その後、第1主題、第2主題をピアノと本人のヴァイオリンと歌声(!)で紹介し、第1楽章がソナタ形式で構成されていることを詳しく説明して頂きました。歌声は見事なバリトンという感じで、次回はソリストだけでなくエンゲル合唱団に加わって歌って頂きたい(!?)と思いました。

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時間が短くて残念でしたが、第2楽章から第3楽章まですべてにわたって曲の構成に関する説明が一通り終わった後、林田さんと加藤さんの演奏で重要な部分を弾いてもらいながら詳しい説明が続きました。

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具体的に演奏方法を指導する形で進行し、時には熱の入った模範演奏も行われ、充実したレクチャーでした。

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終了後、奥村さんと林田さん、加藤さんに大きな拍手が送られました。宣伝不足もあって大入り満員にはなりませんでしたが、来場者の皆さんは大変熱心に耳を傾けておられました。ただ演奏を聴くだけではなく、このような形で楽しめる演奏会は貴重な機会だったと思います。今回の演奏会ではアンケート用紙の準備が間に合いませんでした。ご来場の皆様からの感想やご意見などをぜひお知らせ頂きたいと思います。このブログへのコメントやメッセージ、または徳島エンゲル楽団ホームページのお問い合わせ欄などを利用してお知らせください。

奥村さんは6月23日のエンゲル・松江記念市民音楽祭でベートーベンのヴァイオリン協奏曲のソリストとして全曲を演奏して頂きます。今後も徳島エンゲル楽団との共演のほか、様々な形で徳島におけるドイツ兵俘虜との友好の歴史を伝える活動に協力して頂けることと期待しています。
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