悪魔の言葉

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久しぶりにむねくそが悪くなった。

本当に今不機嫌だ。


偽善だと?


なんだよ偽善って。

偽りの善行?

本当の善行すら見切れない奴が何を言ってるんだ。


人がした善行にケチつけんのか。

どれほど偉いんだ貴様。

むなくそ悪いったらありゃしない。


自分の善行にケチつけるんなら別にかまわないよ。

だって自分がした事でしょ?

ならそれが本当か偽者かわかるもんね。


善行ににせものとか本物とか、

その論点がまずちゃんちゃらおかしいけどさ!

マジでムカついてきた。


でも人の善行に


アンタそれ偽善じゃーん!?



幼稚園からやり直せよ


貴様いつからエスパーになったんだよ。

人の心を知れない人間が、

大体人間が人の心なんて知れるわけ無いんだよ!

いるのかよそんな人間が!

会ってみたいね!

知れないから人間は「思いやる」ってことするんでしょうよ!

違うかよ!どうだよ!いらいらする!

人の善行を偽善だといって指差す奴はこの国からいなくなれ!

何も判ってない半人前が!




少し落ち着いてきた。


自分の行動にしてもさ。

自分の行動が偽善?

ならもうやめちゃえよ。

良いことするの止めちゃえよ。

人間一人が良い事しなくても別にいいんだよ。

だって世界にはあと60億人いるもん。

あんた一人が止めたところでどうって事無いよ。世界回るよ。


人のこと、助けるの気持ちいいでしょ?

いいじゃん、助けた人もハッピーになれていいじゃんねぇ?

皆知ってるんだよ、良い事すると自分も幸せになれるって。


でもイカレタ奴がそこにだけ反応するんだよ


自分が気持ちよくなりたいだけだろって囁くんだよ!


違うでしょ?

二人とも良い気持ちになってるじゃんかよ!

助けられた人も助けた人もさぁ!

違う?

そうでしょ!?

違うと思う奴が居たらでてこいよ!

助けられた相手が不幸になって、

それで助けた側だけ幸せになるかよ!


なるはずねーだろ!


そりゃあさ、さっきも言ったけど人間エスパーじゃないよ。

だから自分がした、思いやってした事が裏目に出るときもあるよ。


でも謝れるじゃん。

人間謝れるじゃん。

そして一人だけ幸せになれないじゃん。

助けたはずの相手が不幸になって、

お前幸せになれるか?

なれるとしたらお前のそれは善行じゃなくて、さいしょから悪巧みだよ。

日本語勉強しなおして来い。


偽善なんて言う言葉使うなよ。


それは、


悪魔が人間の心をへし折る際に使う言葉だよ。




はい、

解散。

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孤独死

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取りあえず、

隣の70代の老人が死んだらしい。


朝部屋から出る時に生ゴミが腐ったような匂いがした。

なんかきついとは思った。


米を三合炊いて、

ラップに包んで冷凍保存をしている最中に、

インターホンが鳴った。

面倒臭いな、新聞屋か宗教かとか思いながら開けて見ると、


「すいません。」


警察だった。


「207号室の老人についてお話を伺いたいんですが。」


後になって気付いた事だが、

遠藤が住んでるのが207号室だ。

恐らく間違えたんだろう。


「あの、ちょっとやってる事があるんでどうぞ。」


と遠藤は女性警察官を中へと入れた。


「どうしたんですか?」

「あのー、207号室に住んでいる70代の老人について知りませんか?」


孤独死


その言葉がぱっと頭に浮かんだ。


「人死にですか?」


何もオブラートに包まないで聞いた。


「恐らく。」


警察官も包まないで返してきた。


「そうですか。」


カチャカチャとしゃもじをジャーに突っ込んで白米を取り出す。


「何か知りませんか?」


その後、電子ジャーからしゃもじで米をサランラップの上に乗っけて包みつつ、

知る限りの情報を警察官に言った。

途中で包み終わって空になったジャーを見つめながら話した。


「まだ、部屋の中には入ってないんですか?」

「はい。」


でも恐らく死んでるんだな。

そう思った。


「すいません、お役に立てませんで。」

「いえ、ありがとうございました。

 もしかしたら後日ご協力をしていただくかも知れませんが。」

「はい、その時はよろしくお願いします。」


しゃもじを持ったまま、

警察官を見送った。


「そうか。」


何がそうかなのか知らないが、

一人ごちた。


しゃもじを空のジャーの中に突っ込んだ。

ジャーの中は残ったデンプン質でカピカピになっていた。


遠藤も、

孤独死とかするのかな。

でも、大学院の奴らや後輩がいるから大丈夫か。


不安は、無かった。

人間のつながりがはっきり見えた。


孤独死は嫌だ。

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冬場は奴らが盛るのさ

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いつも来てくれている好き者の諸君、ありがとう。

もう抱きしめて大声で


「俺はコイツの体で舐めた事無い部分なんて皆無だぜ!」


と言えるほどに愛してやりたい。

と、先生いつもよりハードコアな愛です。


で、ところで。


Myチャーリーの自転車三号君のチェーンを先日切りました。


バイト帰りの帰り道。

手前にはいつもかよう青信号。

さぁ!さぁ渡るんだ今こそ!


と言う時になんで都合よく切れやがりますか。

最初はは何事かわからず自転車を降りてみたものの、

そこには無残に死に絶えたチェーンの姿が。


先生の頭の中にね…過去の偉業が浮かんでは消えていったよ…。

過去の自転車との偉業がね…。


一年前。

どこぞの馬鹿にパチられた。


二年前。

チェーンロックの鍵が差し込まれたまま折れた。

バイトの初日に行く途中謀ったようにパンク。

スタンドが金属疲労で砕け散る。


三年前。

チェーンロックの鍵が(以下上と同じ。記念すべき一回目。)

注意)ちなみに全く同じ場所で折る。

チェーンがやたら外れてくれる。


四年前。

新品の癖にやけにチェーンが外れだす。


五年前。

スタンドを蹴り抜き赤足のゼフの如く破壊。

某大学受験後駐輪場にいったら見事にパチられていた。


六年前。

(伝説は色褪せるもの。)


何故に、こんなに冬場になると悪魔が張り切ってくれるのか。

そんなこったで、今先生の自転車三号君、チェーンなし。

機動力、ゼロ。

完璧役立たず。


だれか、チェーンだけくれ。

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うつになりそう

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しまった。
迂闊だった。
こんな時に来るなんて。
あの子が傍にいない時に来るなんて。

「えんどうせんせーい。」

いけない。死ぬ。

「遠藤先生、なんであの娘は待てなかったんですかねー?」

いきなり畳み掛けてくるか。

「ねぇ、何でだと思います?」

あぁ、急所をえぐってくるな。

「そんなの判っていることですよねー。
 貴方がさっさと本音を、
 好きだと言わなかったからですよねー。
 全ては貴方が悪いんですからねー。」

あぁ、思い出させないでくれ。

「でも、全て貴方が悪いと言う訳でもなかったですよねー、
 あの時は。
 だってあちらの家庭環境、
 心理状態、のグラついてること、グラついてる事。」

そうだった。そういう状態だった。

「ほんと、見てて面白いったらありゃしない。
 そして彼女は、神様との約束を破った。
 貴方との約束を破った。
 あぁ、かわいそうな先生。
 愛している人に裏切られることほど、悲しい事は無いですよね。」

俺は、あの子と約束なんてしてはいない!!

「そうでしたね、忘れてましたよ。
 約束したのはその後ですよね。
 だって、約束があったら、
 あのような事は起こらなかったでしょうからねー。」

!!!

「あーあー、人間なんてほんとに馬鹿な生き物ですよねー。
 駄目って言われてる事ほど、やりたくなっちゃうんですもんねー。
 後先の事なんて何にも考えずよーー!!
 ホント見てておもしれーーーやーーー!!
 あぁ、アホだ!!ほんとにアホだ!!
 何で神様はこんな生き物創ったのかねーーー!!!」

あぁ…ホントだ、なんでこんなに愚かな設定にしたんだ、神様は。

「…ん。」

「ほら、あなたももう判って来てるのでしょう?
 全ての人間は弱くない。
 同時に強くも無い。
 人間は人間なんですよ。
 だから、あの時の彼女の行為も、
 あなたが嘆くには価値がなさ過ぎる。」

なんだその台詞。
どこから聞こえてきた?

「遠藤先生。」

佐藤君。

「いこうよ、講義。」

あぁ…そうだね。

なんだっけ。

テーマ:
「遠藤先生。」

…悪魔。

「…忘れましたね、何かを。」

…そうなんだよ。何だっけね。

「…。」

…。

「…。」

…ねぇ悪魔。今日は何?

「え?」

…何しに来たの?

「…。」

…。

「…私も忘れたんですよ。」

え?

「忘れたんですよ。今日やること。」

…。

「なんてね、悪魔に『忘れる』なんてシステム無いですよ。
 悪魔は人間ほど適当に作られてはいないですからね。」

…適当…人間は。

「そう、人間は適当に、作られたんですよ。」

…。

「…。」

…適当、



!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!



テメ…!!


悪魔は去っていた。


…あの野郎、しっかりと仕事していきやがったな。

おんな

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「遠藤先生。」

なんだ、悪魔か。
嫌な奴は無視に限る。

「瞳先生って御綺麗ですよね。」

…。

「私も人間だったら、一度は一緒にお茶を飲みたいものですよ。
 彼女は美しい。
 外見のみを言っているのではないです。
 その心も、知恵も冴え渡っている。
 彼女と同じ空気を吸うだけで、人間の男は幸せでしょうね。」

…。

「あ、瞳先生ですよ。」
「ん。」
瞳先生が廊下を歩いている。
「御綺麗ですよね。
 彼女の長い足。
 その角のない滑らかな手。
 見るものを釘付けにするその眼差し。
 そして男が見たいと止まないその肢体…。
 彼女は『男から見る女』として完璧だ。」

確かに瞳先生は美しい。

悪魔が瞳先生の横へ飛ぶ。
「遠藤先生、あなたが瞳先生を見るとき、 
 最初に目が行くのが、ここだ。」
そっと首筋を悪魔がなぞる。
「遠藤先生、私の存在がうらやましいでしょう?
 人間には気付かれずに、こうやって好きに動ける、触れる。
 そう、この完璧な瞳先生の首筋をなぞる事も。」

…。

「私は、遠藤先生の心の中だけではなく、
 瞳先生の心の中も知っています。
 完璧に見えても、人間の心というものは寂しいものですよ。
 彼女も、例外ではない。」

…。

「瞳先生も、あなた同様に、貴方の事を思ってるんですよ、実は。
 でも、あなた同様、仕事仲間だからという理由で何もない。
 いや、何もないように見せかけている。
 ほんの、気付くか気付かないか判らない狭間のところで。
 貴方が、一度瞳先生に」

黙れ。

「いいじゃないですか。
 人間には、何かしらの癒しが必要なのですよ。
 それをお互いに求めるなら、そこにはためらいなど邪魔なだけですよ。
 抱いたらいいじゃないですか。それも神様が定めた動作なのですから。」

目を見開き、悪魔を脅した。

「おぉ、怖い。それでは、また。」
瞳先生が歩いてくる。
「こんにちは遠藤先生。」
『あなたが瞳先生を見るとき、最初に目が行くのが、ここだ』

ちっ、悪魔の言葉がよぎりやがる。

「遠藤先生?」
「ん?あぁ、回診行きましょうね。」

いつも心に残りやすい言葉ばかり言いやがる、あのヤロウ。