【PR】
宅間孝行(東京セレソンデラックス)・右
×
坂口真人(演劇ぶっく編集長)・左
【プロフィール】
たくまたかゆき○70年東京都出身。97年「東京セレソン」旗揚げ(01年「東京セレソンデラックス」と改名)。主宰を務めると同時に座付作家・演出家・俳優も兼ねる。映画『同窓会』では、監督・脚本・主演を務めた。現在、フジテレビ「映画の達人2~エンド・クレジッツ~」、NHK連続テレビ小説「つばさ」に出演中。脚本の代表作は「花より男子」シリーズ、「歌姫」、「スマイル」など。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
東京セレソンデラック『流れ星』公演は9/20~23◎名古屋・テレピアホール、9/30~10/4◎大阪・イオン化粧品 シアターBRAVA!にて上演。
<東京セレソンデラックス 公式モバイルサイト配信中!>
さかぐちまさと○84年に演劇ぶっく社を設立。雑誌「演劇ぶっく」を創刊、編集長に就任。97年には “演劇や映画を作りたい人”のための学校「ENBUゼミナール」を設立(現在は別会社が運営)。09年に(株)えんぶを設立。ほぼ通年「演劇ぶっく」編集長を続けている。
演劇史に名を残すような人は、必ず過剰なエネルギーの持ち主です。そしてその人と、その時代にふさわしい(それがたとえ不幸な出会いであっても)出会いがあります。東京セレソンデラックスの宅間孝行と演劇ぶっく編集長の坂口真人が、その時代、人と作品のエネルギーを現代に蘇らせるべく、弥次郎兵衛、喜多八を気取って、時代を逆向けに演劇の世界に旅立ちます。
■[序章二]その当時、演劇ぶっくがあれば取り上げたい。
坂口 連載をやるにあたり、いろんな作家を扱いながら、演劇の歴史をアトランダムに辿っていきたいと思ってます。僕がやりたいのはシェイクスピアやチェーホフといういわゆるみんなが知っている人たちの時代とその人間です。たとえばチェーホフだと、鉄道がない時代に、モスクワから当時の流刑地サハリンまで1万キロを旅して調査に行くエネルギーがあったりするんです。船とか馬車を乗り継いで、4ヶ月かかって半分死にそうになりながら流刑地を調査して、帰りは船でエジプトの先を回ってスエズ運河を通って帰ってきたりするんですね。そんな訳のわからないエネルギーを持った人が、やむにやまれぬ時代に出会って、結局生き残っている気がするんです。そんな人たちがつくっている作品に興味があります。
*
宅間 ここへ来てあらためて古典というか、演劇に立ち返るというのはこういう機会じゃないとできないと思うので、こういう試み、アプローチはおもしろいなと思います。シェイクスピアもそうですけど、時代における彼らの立場と環境の中で作品を発表していったことと、今取り上げられている古典はまったく別物だと思うんです。『恋に落ちたシェイクスピア』という映画を観たときに腑に落ちたんですけど、シェイクスピアは書くのを悩んでいるんですよ。どの時代のどの作家もこういうふうに残っている人たちはたぶん大衆に受け入れられているはずなんですよ。当時の作家が取り巻かれている状況がよくわからないので、そういうことを調べて、その人の人間性や当時の環境を踏まえた上で、新しい解釈というか…逆か。そもそもの解釈か。僕らが教科書にしてしまっているものではなくて、まさに当時演劇ぶっくがあれば取り上げられてたような(笑)、それが見えたらおもしろいと思います。
*
宅間 この連載では、ある作品を題材にしたら、こう解釈すればいいとかを話し合うんですか?
坂口 できれば一つの結論を出すのではなくて、僕は僕なり、宅間さんは宅間さんで意見を言って、ちぐはぐさが出ればいいなと思います。
宅間 じゃあ例えば、お互いある一つの結論を持ってくるというのはどうですかね。「チェーホフは変態だ」とか。いろいろ調べ、自分なりに解釈し、そこから攻めていけば、こいつの世界は現代に蘇るんじゃないか的な感じで。僕と坂口さんの観方が全然違っていていいと思うんです。お互い一つの結論を持ち寄りながら、認めるところあり、譲れないところあり、最終的にこの人はこういうやつだったということを導き出す。独断と偏見の新しい人物像を勝手に作り上げる。これをもとに作品を解釈し演出すると現代の日本で受け入れられるというキャッチコピーつきで(笑)。
坂口 では宅間さんが企画の内容を決めたということで、よろしくお願いします(笑)。
(次回テーマはチェーホフ『桜の園』です)
宅間孝行(東京セレソンデラックス)・右
×
坂口真人(演劇ぶっく編集長)・左
【プロフィール】
たくまたかゆき○70年東京都出身。97年「東京セレソン」旗揚げ(01年「東京セレソンデラックス」と改名)。主宰を務めると同時に座付作家・演出家・俳優も兼ねる。映画『同窓会』では、監督・脚本・主演を務めた。現在、フジテレビ「映画の達人2~エンド・クレジッツ~」、NHK連続テレビ小説「つばさ」に出演中。脚本の代表作は「花より男子」シリーズ、「歌姫」、「スマイル」など。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
東京セレソンデラック『流れ星』公演は9/20~23◎名古屋・テレピアホール、9/30~10/4◎大阪・イオン化粧品 シアターBRAVA!にて上演。
<東京セレソンデラックス 公式モバイルサイト配信中!>
さかぐちまさと○84年に演劇ぶっく社を設立。雑誌「演劇ぶっく」を創刊、編集長に就任。97年には “演劇や映画を作りたい人”のための学校「ENBUゼミナール」を設立(現在は別会社が運営)。09年に(株)えんぶを設立。ほぼ通年「演劇ぶっく」編集長を続けている。
演劇史に名を残すような人は、必ず過剰なエネルギーの持ち主です。そしてその人と、その時代にふさわしい(それがたとえ不幸な出会いであっても)出会いがあります。東京セレソンデラックスの宅間孝行と演劇ぶっく編集長の坂口真人が、その時代、人と作品のエネルギーを現代に蘇らせるべく、弥次郎兵衛、喜多八を気取って、時代を逆向けに演劇の世界に旅立ちます。
■[序章一]演劇の知識に自信のない二人が・・・
坂口 今回、演劇史ネタで僕と対談をしていただくのですが、宅間さんは演劇の知識は豊富ですか?
宅間 そんなにないですよ。そもそも僕は演劇が大好きで始めたわけでもないですし。僕らが劇団を旗揚げしてから、いろいろアドバイスをしてくれている博学の人がいて、その人からなんとなく聞きかじっている程度です。
坂口 僕は演劇の知識はないです。
宅間 演劇誌の編集長でしょう(笑)。
坂口 みんなが演劇の歴史を知っていてものをつくってわけではないですからね。必要なときにのぞきに行けばいいと思いますが・・・。
*
宅間 昔の演劇人は博学っぽいですよね。
坂口 新劇は明治時代からの欧米の影響を受けていた流れで、芝居をつくる上でかなり必要な知識だと言われていたようですね。唐十郎や寺山修司のいわゆる“アングラ劇”では、影響を受けつつも、圧倒的に肉体を含めた現実の方を重視した作りになって、小劇場の演劇になってからもその流れが続いているという感じでしょうか。ここ数年はその比重が少し変わってきているようですが。
宅間 小劇場の流れはバッチリですか。一番いいときを見てるんですよね。
坂口 “小劇場演劇ブーム”と言われたりして、“ほぼ学生”だった人たちが、自分たちのやりたいことをやって成功していったという意味では、ちょうどその時期に演劇ぶっくをつくっていましたね。
*
宅間 僕は演劇にまったく興味がなかったんです。早稲田大学に行っていながら、演劇が盛んだということすら知らなかった。もちろんやってるのは知ってましたよ。大隈講堂の前で発声練習しているのを見て「大学生にもなって劇なんてやってアホなんじゃないか」と思ってたぐらいですから。
坂口 演劇を意識的につくり出したのはいつごろからですか?
宅間 97年くらいからですかね。僕はそもそも、自分がやりたいことや、見せたいことがあってものをつくっているわけじゃないんです。台本を書くことに結果的になってますが、全然望んでいることではなく、自分が役者で出るステージをつくるために劇団をつくったんです。自分が芝居に出たい、舞台に立ちたい、この集団を大きくしたい、お客さんに来てもらいたい、となると結局物語づくりに帰結していって・・・。それでどうなるかというと、お客さんが求める方向に流れていく。お客さんが嫌がることをしない。
*
坂口 ご自分のスタイルをつくる背景はわかりましたが、作品のかたち、中身はどういうふうに決めていったんですか。
宅間 それは毎回死にそうなんです。ものを一本つくるのは本当に死ぬほどつらいというか。方程式があればどれだけ楽かと思います。今は、セットをきちんとした中で芝居をつくりたい。そこで生きた芝居があって、お客さんを笑わせたいという。それ以外の縛りは僕の中で何もない。どうしたらお客さんがゲラゲラ笑ってくれて、どうしたらボロボロ泣いて観に来てよかった、また観に来たいと思ってもらえるかということでしかないですね。
坂口 死ぬほど大変だとおっしゃいましたがフリースタイルだから大変なわけですね。いつもひとつひとつ確認していかなければならないから。
宅間 ここまでやってきても、初日終わってお客さんの反応を見ないとホッとできないんですよ、毎回怖いですし。安心できませんね。ちょっと皮肉でもあるんですけど、大御所の人たちは評価され続けて、「今回の芝居は…」と酷評されることはまずない。でも小っちゃいところでやってると酷評されます。
坂口 厳しい状況の中でつくっている。
宅間 厳しいです。つまんないのを一本つくっちゃうと、いきなり「終わったねあそこは」と言われる、非常にキワキワの線でやっている。
坂口 でもそこは望むところなわけですよね。
宅間 (笑)。でもつらいですけど。
坂口 つらいけど望むところ。自分がそういうふうにしたいわけですね。
宅間 方向性としてこうなっちゃったんですけど、本当は僕は役者がやりたいんで、つまんないことやってもお客さんが集まってくれる方がラクはラクなんですけど。
坂口 いや、それは本音じゃないですよね。舞台を観ていると、自分がやりたいことにものすごくこだわっている感じがしますもんね。
宅間 そうしないと今までやってこられなかったという怖さがあるんで。
坂口 そうじゃないと人はそう簡単に感動しないですしね。
([序章二]につづく)
Amebaおすすめキーワード