ebisuya Sporkさん

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SLはどれだけ素晴らしいコンテンツがあっても、それを入れる箱、
つまり建築物がダメだとまったく絵になりません。
それはSLの世界がビジュアル的に捉えられやすい傾向にあるからです。

そんな重要なSL建築の世界は、この人を外して語るわけにいきません。
「MonacaTown」や「Cocololo Island Resort」、そして株式会社METABIRDS の事業による各種建築物。

http://slurl.com/secondlife/Vari/18/23/30

http://slurl.com/secondlife/Cocololo%20Island/175/247/23
本日は現在METABIRDS所属の名ビルダーebisuya Sporkさんにお話をお伺いしました。
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emo8889 Xeno: 最初にSL始めたきっかけをお願いします。

ebisuya Spork: elleair Plasmaさんと、RLで知り合いでして
彼女が1年前にSLを見つけてきてたんです。
elleair PlasmaさんがちょこちょこSLをいじってて、彼女が商品作り始めた頃
僕も面白そうだなーと思ってSL始めました。
最初は二人でわいわいキャーキャーやってる感じでしたね。

emo8889 Xeno: RLの友人だったんですか。

ebisuya Spork: そうこうしているうちに、作った商品売りたくなって、じゃー店作るかと。
で、リアルで建築の仕事をしていた私が、建物を建てて。
建築に追われて結局オープン時にelleair Plasmaの商品は10点近くあって僕の商品は2点だけw
そんなこんなでオープンしたのがMonacaです。

emo8889 Xeno: あの有名な千手観音はその頃ですね。

ebisuya Spork: 最初に借りてた土地ってのが、桃源郷のファーストランドでして
当時は1ヶ月の期限付き無料レンタルだったもんだから
その期限が切れるって時に、桃源郷内の現Monacaの位置に土地を借りました。


当時、Monaca引越し前から僕は千手観音アバターの制作に没頭してまして
ひたすらサンドボックスに篭ってちまちまと腕を作ってましたw

そのときに結構いろんな人から助言もらったり応援してくれたりして
今の自分の基礎ができましたね。

emo8889 Xeno: 自分の基礎とは具体的にどういった所?

ebisuya Spork: 商品作りの基本みたいなの、それからプリム弄りやテクスチャ弄りの基本。
千手観音って僕にとって初めての本格的な商品だったんですよ。
それまではちょっとした家具を作った程度で、アニメやら音仕込んだりパーティクル仕込んだり、
そういった事を色んな人からアドバイスをもらったんです。
なので僕のSL内技術の基礎部分です。

emo8889 Xeno: しかしなんで千手観音を作ろうと?

ebisuya Spork: とにかく他に誰も作ってないジャンルのものを作りたかったんですよ
ジャンルとして新しかったから、それと外人ウケしそうだったからからかな。

emo8889 Xeno: 売れていると噂は聞いています。

ebisuya Spork: それから、満を持して千手観音をリリースして
当時はまだ人口も少なかったですから外人客目当てに
有名どころのクラブに千手観音を着て、プロモーション行脚を友達としたり
そうこうして結構売れるようになったんです。

emo8889 Xeno: 素晴らしい。

ebisuya Spork: みんなそれぞれ、売り上げが順調に伸びてくるようになって
桃源郷の土地自体が手狭だったこともあって、
メインランドに土地を購入して本店を建てることになりました。
で、出来たのがMonacaTown。


「MonacaTownはみんなが納得できる環境ってのを探した」

emo8889 Xeno: MonacaTown、素晴らしいですよね。



ebisuya Spork: MonacaTownに関しては、ひたすら土地の選定から時間をかけてやりまして
みんなが納得できる環境ってのを結構探しましたね。
普通の土地というよりは特徴のある土地って感じで選んで、今の場所が選ばれました。


そんで構想としてはelleairがミコノス島 ってのを言い出して、
ミコノス風にしつつ商品を置くスペースを確保してって感じで
僕が建物デザインを担当し、CRUNKYさんがランドスケープデザインを担当して、
elleairは口を出してそんで出来上がりましたw

emo8889 Xeno: ミコノス島というコンセプトで苦労した点や意識した点どありますでしょうか?

ebisuya Spork: 意識した点は、あそこの土地は傾斜地なんですが、

傾斜地の一番高い部分に道路が隣接していて、その道路を中心に、扇型にひろがってる土地なんですね。
その特徴ある土地にいかに馴染むように敷地内の動線を確保して、
高低差を解消しつつ機能を配置するか。

それと、あそこの土地ってのは4000平米ちょっとしかないんですが
高低差と建物のスケールを調整することで、面積以上に広く見えるように工夫してます。

emo8889 Xeno: 苦労部分は?

ebisuya Spork: 一番苦労したのは、
Monacaの商品イメージとミコノス島ってのが合致しないってことですw
ただ周辺景観とは見事にばっちりでしたけど、
あとは、ああいうテーマ型の店舗ってのは
出来上がった瞬間に作ってる本人が飽きちゃうってのが問題ですね。
もう出来た瞬間に飽きてますw

emo8889 Xeno: ちなみに作業日数ってどれくらいかかったんですか?

ebisuya Spork: あそこは時間かかったなー。
構想段階でラフな感じで何度もやり直ししたりしてたのも含めると
2週間ぐらいかかってるかも。今なら3日とかなのにw
まぁ2週間といっても、その前の企画とかは含まずですが。

emo8889 Xeno: それでも2週間・・・。

ebisuya Spork: それから、そのMonacaTownの建設が一段落したころ
僕自身の商品があまりにも少ないってのと
僕の興味がRLでの本業でもある建築に向いていったので
建築のプレファブ商品を作り始めるようになりました。

emo8889 Xeno: 今販売されてる建築物ですね。

ebisuya Spork: 丁度その頃、rocky sassoonさんから小さな別荘の建築を依頼されまして
その繋がりもあって、Cocololo Island Resortのプロジェクトに参加したりと
かなり建築主体の活動に入っていきましたね。

emo8889 Xeno: Cocololo Island Resortの製作はどの建物を担当されたのですか?

ebisuya Spork: まず、SIMに降り立ってすぐの港部分、
その港から発着する熱気球、ダイビングボート、
それからCocololoモールの建物、アイランドクルーズの発着場、
rocky sassoonさんの自邸。



emo8889 Xeno: 凄い沢山製作されてるんですね。

ebisuya Spork: あとSIMの全体構想図をrockyさんの意見を汲んで、
図化したり動線考えたりそんな感じですかね。

emo8889 Xeno: Cocololoって共同作業ですよね。
SL建築における共同作業の難しさってありますでしょうか?

ebisuya Spork: Cocololoの場合は共同より分業に近かったですよ。
ホテル棟や式場は他の方が作って、その他コマゴマは僕って感じで。
なのでCocololoでは苦労した部分ってのは
どっちかというと我々クリエイター達ではなく、rockyさんが行った調整部分とかなのかなと。

emo8889 Xeno: なるほど。

ebisuya Spork: クリエイター同士は一緒に作業するって感じじゃないんですが、
rockyさんはそれぞれのクリエイターの特徴を活かしつつ、
最適な建物を作ってもらい、且つ全体としての調和を意識しないといけないから。
個々のクリエイターはそれほど苦労していないかと思われます。。

emo8889 Xeno: そんな苦労しなかった?

ebisuya Spork: どちらかというと僕の作業の進捗が遅くて迷惑かけたり、焦って建物作ってた感じで。
作り始めるとサクサク進む方なので、建物のイメージが沸くまでが苦労した部分かもしれません。


「rockyさんとおおはしゃぎして喜んだ思い出が」

emo8889 Xeno: Cocololoって世界的にみてもレベル高いですよね。
ebisuyaさん自身はどう思われます?

ebisuya Spork: これは良し悪しなんですが、メインのビルダーが3名ってのもあって
しかもそれぞれ個性が強かったので、全体としての統一感みたいなのが、
いまいち取れてない部分ってのがあるかとは思います。
逆にそれぞれの個性的な建物があることで、魅力を増してる部分もあると思うので
なんともいえない部分ではありますね。

emo8889 Xeno: ちなみに製作後の感想は?

ebisuya Spork: やっと終わったですw 3ヶ月ぐらいかな、結構時間かかりましたね。

あと思い出話ですが、rockyさんとアイデアをいろいろ話してて
その中で気球を飛ばそうってのが出て、
既存で売ってるガイドツアーってシステムを応用して、気球を飛ばすアイデアを考えたんですね。
CocololoらしくSIMを巡る方法として、乗り物は何がいいだろうって事で気球だったんですが、
実際作ってみると、買ったスクリプトの特性なのか気球が重くて飛ばなくてw


せっかくのアイデアなのにボツかーと諦めかけてた時に
SLのアップデートがあって、なぜかそのアップデート以降飛ぶようになって
rockyさんとおおはしゃぎして喜んだ思い出があります。

emo8889 Xeno: そして次はMETABIRDSですよね。

ebisuya Spork: それで、Cocololoが一段落したころには、Monacaでの活動はほとんどしてない状態でw
elleairちゃんも、あんまり活動してない時期がありまして。
そんな時にmina CookieがMETABIRDS SIMを建設するから、モールの建築を頼みたいって話がきて、
建設をした所、METABIRDSのNao Noeさんがえらく気に入ってくれまして。

emo8889 Xeno: 有名なメタモールですね。

http://slurl.com/secondlife/Metabirds/147/74/26

ebisuya Spork: 実はそのかなり前にも一度、今後のSLについて雑談したことがあったんですが
そのときの話とかも含めて、お互い意気投合した感じで
それからMETABIRDSの建築物関連を受託するようになりました。
それが縁で2007年5月から正社員になったと。

emo8889 Xeno: METABIRDSでebisuyaさんが手がけた建築物って
メタモールが有名ですが他は何がありますか?

ebisuya Spork: 銀座シムにあるcosmoさんのオフィス。
セシールさんの施設の建築企画。ちなみにセシールさんの建築はOnakagoo君がやってます。
それからShimokitazawa SIMの全体構想と駅舎高架や、
銀座の隣に出来たbizislandの全体構想と街路建設
それから近々オープン予定のmetaeggシムの建設。
ざっとですがこんなもんです。



emo8889 Xeno: SLで仕事としての建築はMETABIRDSに入ってからが初めて?

ebisuya Spork: SL内通貨でのやり取りはそれまでもやってましたが
日本円で請ける仕事としては、最初はMETABIRDSからの外注って形ですね。

emo8889 Xeno: やっぱりお金が絡んでくると、作る意識ってのも変わってきますか?

ebisuya Spork: 大きくは変わんないですよ、良いもの作ろうってのと、
どんな建物をクライアントが望んでいるのかを意識するのは共通です。

emo8889 Xeno: 仕事の進め方はどういった方法で。

ebisuya Spork: 僕のSLでの建築の仕事の進め方ってのが、
まず、ミニチュアの模型制作から始めるようにしてるんですね。
RLでの建築では常套手段なんですが。

それをSL内でやることに意味があるのか?って思われるかもしれないですが
メリットとしてはSIM単位での開発の場合などだと
シム内での建物の配置や、動線計画、各建物のボリュームを検討するうえで
手軽に修正できるので楽なのと、アルバイトのビルダーに建設をお願いする時に
イメージの共有がしやすいんですね。


あと建物単位での開発の場合も同様で、
手直しが早く、数案を同時並行で検討できるってのがメリットなんです。

emo8889 Xeno: METABIRDSの仕事で思い出深い事ありましたか?

ebisuya Spork: どの案件って訳じゃないんですが、共通した話題として。
自社事業の場合は問題ないんですが、
受託事業でクライアントさんがいる場合などは、
受注してある程度企画を詰めた段階で機能に分解して
それを本建設の前に模型で数案作って提示するようにしてます。

だいたい1日で模型は出来るんですが、その生みの苦しみを超えて出来た案のうち
最終的に残るのは1案な訳で、悩んだ末に愛着のある案を
捨てなきゃいけないってのが一番辛いです。これはRLでも一緒ですね。


「SLは自由な表現ができるんですが、 逆にピュアな建築でもある」

emo8889 Xeno: RLとSLの建築の違いって何ですか?

ebisuya Spork: それを話すと長くなるのですがw

かいつまんで言うと、RLってのはどんなにデザインに凝ろうが
第一優先は人命なんです。それが構造設計だったり、設備設計、建築法規だったり。
そういうのに縛られてRLの建築は成り立ってるわけで、SLはその部分が一切無い世界です。

自由な表現ってのができるんですが、 逆にピュアな建築でもあるんです。
純粋に機能性を追求し、その機能を象徴する装飾を与える。
つまり建築のもっている象徴性と、必要とされている機能のみで構成が可能なわけですね。

emo8889 Xeno: それって逆に難しくないですか?

ebisuya Spork: ええ。本気で考えるとむっちゃ難しいです。
その本気で考えて行き着く先ってのは、リアル建築の模倣とかではない
別次元の表現のような気がしてまして。


それを追求していきたいという個人的思いがあるんですが、
クライアントの要望や、万人受けするといったとこから
RLの模倣の域を出れてないってのが現実ですw

emo8889 Xeno: そんなSLってebisuyaさんにとってどんな存在なんですか?

ebisuya Spork: 無限の可能性があってアイデアを実現できる場所。
いろんな表現を試していきたい、それを実現可能なプラットフォームなのかなと。
・・・他にもある気がしますが言葉になりませんw

emo8889 Xeno: 最後に読者の方へメッセージをお願いします。

ebisuya Spork: あんまりがんばらないで欲しいですね。僕の食いブチが無くなると困るのでw
とまぁ、それは冗談でw

SLはまだまだ色んな表現の可能性を秘めた世界だと思います。
今後sculptedprimの登場など、さらに表現の幅が広がる中で、
自分なりのSLスタンダードってのを模索していくのが、
ビルダーの宿命なのかなと思うので、
技術的な部分はみんなで情報交換しながら切磋琢磨できればいいなーと思ってます。

emo8889 Xeno: ありがとうございました!


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一つ一つの建築に必ず理由を持ち、その上で素晴らしい技術、センスを駆使して
建築物を作り続けているという事が、今回のインタビューを通じて伝わってきました。

現在SLの世界には沢山のクリエイターが存在しますが、
その中で報酬を貰うプロフェッショナルとしてSLをプレイするという事は
資格等の制限がない分、非常に厳しく、そして実力主義の世界だと私は思います。

しかしそんな中でもトップクラスのebisuyaさんの姿勢は、本当に学ぶ事の多いもので、
是非、みなさんもインタビューの中に出てきた建築物をチェックしてみてください。
意識すればするほど改めてその完成度の高さに驚く事になるでしょう。