2015年11月09日 06時52分32秒

◆ 分子標的剤にも重度合併症あります

テーマ:癌(がん)
私はテレビを見ていないので人づてですが、少し前の番組MCのMr.Mが「分子標的剤は癌細胞だけをやっつけて、しかも副作用がない画期的な薬剤」とい言っていたという。もし本当であれば、国民に誤った情報を植え付けることになる。Mr.Mはどこかからお金をもらっての故意な発言なのか、単なる無知なのか、ともかく軽率な発言をしたようだ。。。後で訂正しても、その情報は行き渡らない。いずれにせよ罪な男である。ちゃんと癌細胞以外もやっつけるし、副作用はそれなりに充分ありますからね。

これは覚えてますかね。

肺癌で使われる【イレッサ】は肺線維症で死者を複数出したので、注意喚起が厚労省、医師会からも出されました。


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最近は乳癌の話題が多いので、「HAR2遺伝子:陽性」の際に使われるハーセプチンの薬剤添付文書を見てみよう。
添付文書はこちらから ↓ ↓ ↓ ↓ ↓

http://database.japic.or.jp/pdf/newPINS/00062724.pdf

すごい量の警告文です。
「警告」ですからね!
ご注意下さいませ。

国語辞典:「警告」よくない事態が生じそうなので気をつけるよう、告げ知らせること。


その下には「原則禁忌」がある。
これらを見て分かるのは、心臓で命の危険に陥った患者さんが治験の段階か、実際の臨床で存在したことを意味している。何名だったのかは分からないが、けっこういろいろ起こしたことは記録されている。

心障害(頻度不明):心不全(症候:呼吸困難、起座呼吸、咳嗽等、症状・異常:S3ギャロップ、駆出率低下、末梢性浮腫等)、心原性ショック、肺浮腫、心嚢液貯留、心筋症、心膜炎、不整脈、徐脈等が報告されているので、本剤投与中は心症状の発現状況・重篤度等に応じて必ず心 機能検査(心エコー等)を行い、患者の状態(左室駆出率(LVEF)の変動を含む)を十分に観察すること。




そして、
遺伝子組み換え薬剤である。




重大な副作用
1)心障害(頻度不明)
2)アナフィラキシー様症状(頻度不明)
3)間質性肺炎・肺障害(頻度不明)
4)白血球減少、好中球減少、血小板減少、貧血(以上頻度不明)
5)肝不全、黄疸、肝炎、肝障害(以上頻度不明)
6)腎障害(頻度不明)
7)昏睡、脳血管障害、脳浮腫(以上頻度不明)
8)敗血症(頻度不明)

その他の副作用
精神神経系、消化器、循環器、呼吸器、血液、皮膚、腎臓、眼、その他
10%以上または頻度不明、2~10%未満、2%未満とある。けっこう、ある。

転移性乳癌に対する臨床成績
投与期間 1~10週間:18例 合計だけ表示

CR 1 消えた
PR 1 小さくなった
MR 3 少し縮んだ
NC 2 変わらない
-----------------ここまでが有効
PD 9 大きくなった(悪化、無効)
NE 2 評価不能

評価不能は外すと16例、その内悪化したのは9例なので、悪化率は56%ですね。消えたという1名も10週以降にどうなったかは不明です。下記データでは1大雑把再発率はハーセプチンと使おうが、使うまいが1割前後、8年後の再発率は3割前後。


最終解析結果:
 観察期間中央値8年時点で最終解析が実施された。本剤1年投 与群は対照群に比べて、無病生存に関するイベント発現率が有意に改善された。 本剤2年投与群と1年投与群の比較は、ランダム化の12カ月後に無病かつ生存し ている被験者に対して実施された。本剤2年投与群の無病生存に関するイベント 発現率は23.6%(367/1,553)で、1年投与群(23.6%[367/1,552])に比べて有意な 改善は認められなかった(HR:0.99、P=0.86)。

表現が難しいですね。。。
観察期間が8年間、ハーセプチン使用期間が1年間と2年間。
1年間だと統計学的に優位とされる結果が出たらしい。
再発などの現象を起こした人が少し減ったから有効だと。
 1年後 12.9%→7.5%
 8年後 33.6%→27.7%
2年だと効果は無かったとあるので、もし使うなら1年間に限ると考えて良いのかな。

データは結果の出た1年間投与のみが記載されている。


イベント発現:注9) 乳癌の再発(部位を問わない)、対側乳癌、乳癌以外の二次癌(皮膚の基底細胞癌及び扁平上皮癌、子宮頸部上皮内癌を除く)の発症、死亡(死因は問わない)


これで劇的な効果が有る薬剤と見ることはできるだろうか?
何もしないよりもましなのか?
データは信頼できるのだろうか?
僅かな改善に期待して副作用が出ないことを祈るのか?
はたして自分に当てはまるのだろうか?
或いは自己の治癒力を高めて使わない?
使ってみて小さくなったら自己治癒力を高めようか?
さあ、よく考えてみよう。
テレビはうわべなので流されないようにしましょう。
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