割と最近、非常勤で健康診断業務を行っていた頃の話しであります。

驚いたことはもっと後なので、先ずは背景から。

私の専門は元々脳外科ではありますが、基本的な診察形式は医学部で習うので何科の医者であろうともできるのです。記載の項目には細かな仕分けはないのでなんですが、自治体の規定用紙には貧血、黄疸、肝腫、脾腫、浮腫、などに〇×をつけます。ですから、通り一辺倒の診察を行います。

私の通り一辺倒とは、挨拶しながら、顔色、肌つや、表情をみて健康診断なのか不健康診断なのか、どうなのかなと観察して、あかんべーして貧血と黄疸を視診して、頚部リンパ節触って、鎖骨上リンパ節触って、ついでに肌の質感を感じて、心音を聴いて、不整脈の有無を気にして、呼吸音を前と後ろを聴いて、ベッドに仰向けになってもらい、お腹の張りを感じて、温冷を感じて、大便の質と出具合をききながらお腹を押し込んで反発具合などを感じて、胃の圧痛やら腹部腫瘤やら腹部大動脈やら、女性だと子宮筋腫やら、肋骨の下に指を突っ込んで肝臓の腫れの有無をみて、足の浮腫をみて、ふくらはぎの硬さみて、両手の指や爪をみてお終い。

こうして書くとたくさんありますが、流れの中で同時進行で行いますとなんてことはありません。3分くらい?かな?測ったことがないので分かりません。医学部時代に学んだことは更にありますが、限られた時間の中でできることをするためにはこれくらいかなと思ってしております。で、それで終わる人もいますが、質問してくる人もいます。最近〇〇なんですけど、どうでしょうか などですね。逆に、顔色が悪いとか、何か情報を得たときはこちらから追加質問をします。貧血があったり、不整脈があったり、心雑音があったり、お腹が張っていたり、胃の部分に圧痛があったり、足が浮腫んでいたり、ですね。

この健診は持病持ちの方も来られますが、自称健康の方でも、貧血、不整脈、心雑音、腎障害疑い、子宮筋腫、などが診察だけで見つかっています。胸部X線では、高血圧と心肥大は比例するなと感じます。その度に「診察も侮れんな」と思うのですが、まだ何かありそうだと違和感を感じても時間がないのでできません。病院勤務時代でも何気なく触ったお腹で腹部大動脈瘤を触れて、慌てて外科へ送った経験もありますし、意識不明で救急搬送されてきたら腹部大動脈破裂のショック状態だったなんてこともありましたし、いろいろと「恐い」と認識してます(そんな経験から触れると分かることあるなら触れないとと)

当然の成り行きですが、質問に答えたり、疑わしいところを追加質問したりをすると5分では終わりません。

すると、

スタッフから「(待ちの人が増えているので)もう少し早くして下さい^^」と笑顔で巻きが入ります。時間を削るところは「話し」しかないので、所見を記載しながら、後ろ髪を引かれる思いで「後は健診結果を見て必要なら受診してその時に聞いて下さいね」と送り出します。

施設的には不特定多数の医者が毎日入れ替わるものの、定期的に利用する方や、自治体で行う利用者さんは毎年行っていることがお話しから伺えます。

ここで やっと 驚いたことです。


こんなに診てもらったことは初めてです!

と 言われることが一度や二度ではありませんでした。聞くと、ベッドに寝たこともない人ばかりでした。こんなに触ってもらったこともないです とかも。他の医者はどうやっているんだはてなマーク削る時間を診察にしているのかはてなマークそれは分かりません。私が鈍くさいのは過去の外来業務でも看護師に巻きを入れられていましたので自覚はしています。にしても、、、 受診される皆さんはどうですか? 触られてますか?

今回は少し驚いたお話しでしたひらめき電球

ネット辞書で「診察」を検索 :「病気の有無や病状などを判断するために、医師が患者のからだを調べたり質問したりすること。」