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2016-04-30 04:08:17

デンマーク国籍取得

テーマ:デンマーク事情

ついにデンマーク国籍取得!!

 

やったー、祝杯だ!!と喜んだのもつかのま、よくよく移民省からの手紙を読むと、いろいろとまだ面倒くさいことがあるらしい。

-質問票

-離婚証明証のコピー

-もしあったら親権証明のコピー

-現パスポート

を送らなければならないとのこと。それから帰化証明をもらえるらしい。

 

親権証明。。。去年の2月にも法務局から電話かかってきて、親権を証明するアポスティーユ付きの書類が欲しいと言われ、戸籍謄本を取り寄せ、翻訳をし、大使館にもっていって翻訳証明と事項証明を発行してもらって法務局に送付したのだが、、、また送れということなのだろうか。

まぁ、「もしもっていたら」という前置きがついていたので、手持ちの戸籍謄本の翻訳証明を送ればいいかと思っている。また親に戸籍謄本を送ってもらって、、、という手順は踏みたくない。

 

しかし、、、一番問題なのは、パスポートである。

パスポートに関しては、コピーではなく、実物を送れというのは、事実上の返上なのであろうか。

デンマークでは去年の9月から二重国籍が認められるようになったし、帰化できてもデンマークパスポートが手に入るまでは、日本のパスポートを使おうと考えていた。

もしすぐにデンマークパスポートを発行してくれるのなら問題はないが、聞くところによると、市役所に申請しても23週間かかるという。まずは申請するために必要な帰化証明がこれらを移民省に送付したあとにもらえるので、それ自体にいくらかは時間がかかるだろう。トータルで12か月かかるのではないだろうか。

しかしわたしは、6月頭にアメリカ出張が控えていて、パスポートはわりとすぐに必要なのである。しかも、ESTAもデンマークパスポートで取り直さなければならないから、少々余裕も欲しいところである。

 

アメリカに同行する同僚に相談したところ、なんだったらパスポートのコピーを送ったらどうかとのこと。クレームがついたらまた対応を考えてみればとのこと。

わたしもそれを考えたが、ほかの書類ではコピーでもいいのにパスポートだけは実物と指定していただけに、コピーの場合絶対文句言われるであろう。

 

しかし原理上は、デンマーク国籍をとった以上は、二重国籍を認めない日本の国籍は自動的に喪失するはずで、パスポートも無効になるのである。

それなのに、帰化しても、しばらくはデンマーク国籍を証明するものさえなく、実質無国籍状態のようなもの、といえる。

しかも、手紙が来たのは昨日だったが、手紙の日付は419日で、422日から帰化すると書いてある。1週間自分が帰化したことさえ知らなかったという。。そして、わたしはデンマーク国籍を得たはずの422日に、「知らなかったために」日本のパスポートをIDとして使い、スウェーデンに国境越えしている。

というか、12か月もパスポートがないというのはありえない。

しかも、赤ん坊と違って、自分の国籍取得日が前もってわからないというのも難しいところである。特にわたしの場合は、当初去年の10月に国会審議されて今年の1月に帰化する予定だったのが、10月に突然法律改正されて3か月延期になったこともあり。

 

とにかくすぐにパスポートが必要なのだということを言うべく移民省に電話したところ、担当者は病欠で不在だという。。しかし言われるままに日本のパスポートを送るのは怖いので、また電話して事情を説明しようと思う。

 

それにしても長かった。。

201311月に申請をし、

12月に警察との面談があり、

20142月に法務局から受け取りの手紙がきて最長16か月かかると書いてあり、

20152月に法務局から電話がきて親権証明を出すよう言われ、

20156月に国政選挙の直後に法務局から、何もなければ10月に国会審議かけるという手紙がきて、

201510月に移民省から、新政府が法律を改正したとのに伴い再審査にかけるという手紙がきて、

201511月に移民省から、翌年1月に国会審議にかけるという手紙がきて、

20161月に国会のホームページで帰化申請の国会審議の申請者リストをみつけ、わたしの名前をみつけ、

20164月に帰化。

ここまでで2年半。しかしまだパスポートを入手していないので完全終わりではない。

 

手紙を受け取ったときは狂喜したけれど、手紙をよくよく読んでアメリカに行けるかどうか不安になり、今は複雑なきもちである。

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2016-04-24 06:38:06

メンター辞退

テーマ:デンマーク事情

結局、メンターをやめることになった。

水曜日に、うちの職場に来てもらって、まずは大学のテクニシャンと話してもらったあとに、CVとカバーレターと化学分析職のアナウンスをみながらいろいろと話したのだが、もう本質的にどうしようもないことを認識したのである。

送ってきたジョブアナウンスは締切がすでに一か月前のものなので、返事はないようだがほぼリジェクトされたものとしていろいろ分析してみたところ、

・英語とデンマーク語両言語でビジネスレベルが必要→アナウンスは英語だったのでデンマーク語はそれほどクリティカルではないと思っていたが、どうもデンマーク人の応募を前提にあえて英語能力をはかるべく英語にしていたようだ。

・当局に提出する書類仕事も含むため、ペーパーワークの経験も必要とあったが、CVにその記載は一切なし。

・小さな会社なので仕事の幅が広いとあったが、それをカバーするような経験の記載はなし。

・ある装置の経験が少なくとも4年以上とあったが、2年しか経験していない。

などなど、実はいろんな条件が足りていないことがわかった。

 

そこで、

・今のところ、まったく言語の項目がないが、それはかならず記載すること。少しでもデンマーク語を学んだ経験があるのなら、そのことも書くこと。

・実験だけでなく、ほかの経験も書くこと。ルーチンワーク以外のことをもっと書くこと。

などを助言した。

 

さらに、CVをみて、あたかも大層な経験かのように母国での薬品会社でのことを大量に書きながら、なぜ1年半くらいで大学の学生課の仕事にうつったかを聞くと、

「大変だったから。」

との答えに唖然とした。

3年間大学ではまったく化学に関係ない仕事をしているし、その後のアメリカでのテクニシャンとしての仕事も5年働きながら、業績は分析仕事と実験装置のセットアップという2行だけと、37歳という年齢のわりにはキャリアを積んでいない感がCVにありありとあらわれているが、どうも大変な経験を避けて易きに流れに流れて今に至った、という結果のようだ。3月に契約が切れた仕事も、パーマネントでないにもかかわらず、契約が延長されるだろうとのんきに構えていて言われた仕事しかしていなかったようだ。

 

にもかかわらず、うちの会社で働きたいというので、

「会社のホームページのリンク送ったよね。それをみて、うちで何ができる、と思った?」と聞くと、

「いやー、こういう化学薬品系の仕事だったらできるし。」と言うので、

「でも、化学系のプロジェクトは今充分にあるわけじゃないよ。ひとつはあと2か月で終わるし。」と言うと、

「じゃあ、お金をとってくればいいんでしょう?」と言ってきたので、

「じゃあ、どうやってお金をとってくるの?」と聞いたところ、

「それを教えて。」

と言ってきて、頭がクラクラした。

さらに問い詰めたところ、実は仕事にこだわりはないこと、母国では解雇されることがほとんどなかったため、できる限り安定な仕事であることが好ましいこと、そして実はチャレンジすることは好きではないこと、がわかり、思わず、

「じゃあ、なんでデンマークにいるの?ここは小さな国だからドラスティカルに変化するし、安定した仕事なんて皆無だよ。公務員だって解雇されるんだから。安定を求めるのだったら、いっそのこと母国に帰るのが一番じゃない?」

と言ってしまった。というか、もうメンターとして続ける気が失せてしまっていた。

その日に、プログラムのコーディネーターに電話をし、メンターをやめることを伝えた。

 

木曜日にずっと会っていなかった日本人の友達と会って、いろんな話をしたのだが、

「でも、デンマークで働くってしんどいよね。。本当ここで教育を受けたかったと思う。」

と言ってきて、確かに、、、と思った。

デンマークは勤務時間が短くてラクと思われがちだが、実は精神的にはかなりつらい。それは、言われた仕事だけをやっても認めてくれないからである。自分オリジナルのインプットがないと、存在価値がないとみなされてしまうのである。まぁ、言われた仕事だけだったら、人件費の安い学生アルバイトでいいじゃん?というわけである。

デンマークの教育では、常にプレゼンをさせられたりレポートを書かされたり、イノベーション週間があったりと、知識を取り入れるだけでなく、自分の考察やアイデアを盛り込む訓練が常に強いられる。また拘束時間が短いため、長い自由時間をどのように過ごすのか自分で決めることにも慣れている。

それに対して、日本での教育は、常に答えはひとつしかないと思い込まされ、自分で考えたり意見を言う余地などなく、やることが多すぎて自分で何をしたいのか考えることにも慣れていない。だから、デンマークで自分で決めてね~と放置されると、とまどってしまうのである。

彼女と、デンマークで外国人が職を得にくいのは言語だけじゃないよね、、と言い合ったが、本当にこの労働カルチャーの違いを受け入れることのほうがタフなんだと思う。

 

メンティーにそのあたりのことも認識させたいと思っていたけど、受け入れるかどうかを決めるのはしょせん本人。

わたしだって、デンマークに居続けなければならないという事情があったから、不安を感じながらもデンマーク事情を理解しようとつとめただけで、もし娘がいなかったらとっとと日本に帰っていたかもしれないし、別に強制されてやってきたわけではない。

でも、メンターをやって、職探しについてかなり考えさせられたのでいい経験にはなったと思う。

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2016-04-19 06:21:45

メンタープログラム

テーマ:デンマーク事情

今日はメンタープログラムの全体ミーティングがあった。

前回からのメンティーとのアップデートとしては、メンティーはポスキ中から2週間母国に帰り、この週末の前の週末に母国からデンマークに戻ってくるはずであったが、しばらく音沙汰なかった。

しかし、デンマーク人同僚にならってこっちからはあえてアクションを起こさず放置していたところ、先週の木曜日にメールがきて、帰ってきてすぐに風邪をひいて連絡できなかったが、すでに今まで12件アプライしたこと、そしてそのうち5件がリジェクトされたこと、またうちのテクニシャンと話したいと書いてきた。

わたしはこの月火と予定があったので水曜日に来てもらうようお願いし、なおかつ同僚に教えてもらった失業保険のサイトのCVの書き方のページをリンクで貼り、なおかつ、3年前にうちの会社で出した募集要項と、そのときに採用になったひとのカバーレターとCVを、エンジニアとして応募するのに参考になるかもと送ったのだった。

いずれもデンマーク語である。サイトには英語版はなく、うちの会社はデンマーク人か限りなくデンマーク語が流暢である外国人しか雇わないので、アナウンスもCVもデンマーク語しかない。

でも、実際に採用になったひとのCVをアナウンスと一緒にみることは意味があることだと思ったので送ったのだった。

デンマークでよく言われているのは、CV30秒で判別されるということで、ポジションに関係する業績をもっていることを印象的にみせて短い時間で興味をもたせる必要がある。

ポジションによっては、英語で書かれているというだけで数秒でリジェクトされるかもしれない。大企業は英語でまったく問題ないが、うちのような小さな会社は言語がクリティカルになる可能性が高い。

それからまたしばらく返事がなく、今日やっと返事がきたが、「テンプレートをありがとう!これはエンジニアのポジションに応募するときに有用になるね。」とあり、テンプレートとして送った意図はないのだが、、と思った。

いまだに、CVは送ってくるがアナウンスは送ってこない。

  

それで、アレンジしているひとたちや、ほかのメンターと話ししてわたしの抱える問題をシェアしたいと意気込んで参加したのである。

今回は、メンター、メンティーで分かれて話し合ったり、56人のグループで話し合ったりと、自分のメンティー以外の参加者たちと交流をもつことができ、とても興味深いと思った。

中にはさくさくと失業保険を受けながら半分市の負担の仕事につけたり、母国であっさり仕事をみつけたり、いいオファーをもらったり、自分のビジネスを立ち上げるべくコースを受けながら着々と準備しているメンティーもいたが、キャリアをそれほど積まないままやたらいろんな教育だけを受けて迷走していたり、ある特別な分野で博士をとってポスドクをやった以降は主夫のまま、以降ほとんど活動してなくて今もメンターとのやりとりも積極的ではない、というひとがいたりと、わたしのメンティー以外にもいろいろ難しいメンティーがいることを知った。

しかしメンターの方々も、ネットワーキングの機会をもうけたり、自分の知り合いに話をつけたり、コースを紹介したりとか、いろいろなアプローチで助けているようだった。

 

わたしの問題に関しては、ほかのひとたちも理解してくれ、特にミーティングが始まる前にメンティー担当のひとに個人的に話したことで、メンティーだけの集まりで、メンターに期待できることには限界があること、あくまでも職探しは自らイニチアティブをとらなければならないことを話してくれたそうだ。

まぁたぶん、わたしのメンティーもその話を聞く前からもうだんだんわかってきているだろうし、ほかのメンティーと話すことで職探しは決して簡単ではないことも認識しているだろうと思う。

しかし、どのように会社にアプローチしたらよいのか、どのようにカバーレターを書くべきか、面接で難しいことを聞かれたらどのように答えるかなどプラクティカルなヒントも話したようなので、メンティーにとっても役に立つ情報が得られたと思う。

 

今後はもっと気楽に構えて、あんまりやりすぎないようにしようと思う。

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2016-04-18 05:36:58

労働者博物館

テーマ:デンマーク事情

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今度は熊本。。。

小さいときから、いつか東京にも大きな震災が、と言われ続けてきたが、神戸、新潟、東北ときて、ほとんど予想していなかった熊本で大きな地震が起きた。

つくづく日本が地震列島なんだと再認識する。プレートの境目で起きる海洋地震だけでなく、内部で起きる活断層のずれによる地震は、全国至るところで可能性がある。

日本に住んでいたときはまったく自覚していなかったが、地震だけでなく、水害もあるし、噴火もあるし、常に「普通の生活」が脅かされる環境にあったんだな、、と思う。

ともかく、熊本で余震が沈下して早くインフラが復旧することを祈るばかりである。

 

*************************

 

今日は、デンマーク人の知人につきあってもらい一緒に労働者博物館に行ってきた。

最近政治に興味をもち、デンマークと日本を比較すればするほど、デンマークの今の特徴が長いこと社会民主党が権力をもっていたことに直結しているような気がして、改めてその歴史を知るべく行きたかったのである。

同伴したデンマーク人にいろいろ質問して説明してくれたのもありがたかった。

 

まず言われたのは、デンマークの最大の特徴は、組合の力が強いことだそうである。それが社会民主党の影響力が大きいことの理由でもあるとのこと。

先日亡くなったばかりの元首相Anker Joergensenも、組合活動でアクティブだったひとで、倉庫協会の副会長になったのを皮切りに、輸送グループの会長になり、さらにデンマーク労働者・特別労働者組合の会長を経て、政界入りを果たし、社会民主党で党首になり、トータルで9年近く首相を務めている。

Grundvid Kirkeでの国葬で、なんであんなに赤い旗が並んでいるのだろうと思っていたが、あれは全国から集まったいろんな組合の旗だそうである。なるほど、赤=左=組合=社会民主党なわけである。

   


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Anker Joergensenは、経済を悪化させた首相ではあるが、それは国民のことを考慮して公的サービスを充実させようとした結果、増税をせざるをえなかったからだという。したがって、不景気にして失業率があがったとはいえ、なんだかんだ多くの国民に支持された首相だったそうだ。

それは、こないだの国葬をみてもうかがい知ることができた。反対の右側政党ベンスタ党首で現首相であるLars Loekkeだけでなく、あのPia Kirkegaardも参列していた。デンマークの今の社会形成に大きく寄与した重要人物であることは間違いない。

 

わたしはエンジニアなのであまり実感はしないが、ときどき今でもデンマークでは組合の影響が強いなと思う。

それはいわずもがな、ストライキである。2008年に起きた看護師と保育士のストライキは今でもよく覚えている。幸い娘の学童では影響がなかったが、ロックアウトになるかもしれないという寸前のところで合意に達したからよかったものの、ヒヤヒヤしたものだった。プロジェクトで一緒に働いていたひとは、もろ影響を受けて有給を使い果たしたといい、かわいそうだと思った。

看護師の友達いわく、ほぼ強制で組合に入ったものの、組合費が高いと嘆いていた。ストライキのときに給料がもらえないときに代わりに支給される補償金の資金源となるストライキ貯蓄が中に含まれているからである。

エンジニア組合は任意だし、労働条件交渉もなくストライキもやらないので、組合費は月に300krほど。しかし看護師はその倍は払わないといけなかったと思う。

2008年のときは、2か月間もストライキが続いたのでさすがにストライク貯蓄は底をついたらしいが、その備えをしてまでよくやるなぁと思う。

ちなみに、もっともすごかったのは、戦後に起きた141日間の新聞ストライキだったそうである。本当に45か月間の間新聞は発行されなかったそうだ。

 

もうひとつ特筆すべきことは、第二次世界大戦でドイツに占領されたことが、戦後赤側に偏ったことの原因のひとつとのこと。

戦争が終わった1945年の総選挙で、共産党が大躍進して18議席も獲得したそうだが、なんでも戦時中のドイツへの抵抗組織員のほとんどが共産党員だったことが影響したらしい。しかし、かのAnker Joergensenも抵抗組織に属していたらしいので、社会民主党員も含まれていたと思われる。

大きな権力に一極支配されたことの反動で、戦後は右寄りの社会になっていったのかもしれない。

 

デンマークは1871年に社会民主党の前身である労働組合が立ち上がったのだが、実は日本でもその20年後くらいにアメリカの労働運動に影響を受けて労働組合が結成されているし、各所でストライキも発生している。しかし、政府に弾圧された上、資本家の圧力で労働条件の向上には至らなかったらしい。その後は軍事国家になって弾圧はさらに激しくなる。

戦後も、壊滅状態だった日本をなんとか復興させることが重要だったため、国民も個人の権利どころではなく、厳しい労働条件を受け入れたのかもしれない。組合もあることはあるが、デンマークほど強い印象はない。ストライキも、当時は一日二日でもバスが止まれば「なんだよー」と思ってたけど、今となったら数日なんてかわいいものである。

でも、会社員はまだしも、公務員である教員でさえあの過酷な労働条件に反発しないなーと思う。デンマークだったら、即ストライキが起きて、数日どころか2か月間は平気で学校閉鎖になってもおかしくない。(たとえ、子供の教育にとって深刻な影響があっても、だ。)

あの2013年のロックアウトの原因となった小学校改正も、日本に比べたらまだ全然ラクなレベルである。(それでも、改正してからは子供たちにとってもハードになって今も満足しているわけではないが。)

歴史だけでなく、忍耐強さとか国民性も関係するのだろうか。

2016-04-15 05:22:15

エンジニア年金基金総会

テーマ:デンマーク事情

日本と同じく、3月末に大体前年度の年間会計の結果が出るので、45月は総会のシーズンである。

今日は、エンジニア向けの年金基金の総会に行ってきた。

 

博士のときは、この基金に年金を入れていたのだが、9年前に今の会社に就職したとき強制的に某巨大銀行の系列年金基金に入れなければならなくなり、不満をもちつつも不承不承入れ続けていたのだった。

そしたら、去年、最低給料の12%をその基金会社に入れれば、掛け持ちしてほかの年金基金に入れてもいいということになったので、従来165%を入れていたのを12%に減らし、5%をそのエンジニアの基金に再度入れ始めたのだった。

なぜかというと、アクチュアリーで年金事情にめちゃくちゃ詳しい前夫いわく、エンジニアのほうは一位二位を争うほど投資が上手でリターン率が高いのに対し、会社が契約を結んでいるほうは一位二位を争うほどリターン率が低いのである。

なんでそんな基金に年金を入れなければならないのか納得いかないが、おそらくうちの会社がその某銀行から融資を受けているなどして、契約を結ばざるを得なかったのだろうと思われる。そんな最悪な年金基金のくせに、キャピタル規模でいうと、デンマークで3番目に大きいそうである。きっとその某銀行の融資先が自動的に年金会社とも契約を結ぶ、、という構図になっているのかもしれない。

ちなみに、前夫は、出向でソーシャルヘルパー向けの年金基金会社で長いこと働いていたが、ここもまた最悪だったらしい。しかしソーシャルヘルパーも入金を避けることはできないのでかわいそうである。

 

復帰して9年ぶりにその年金基金から総会のおよびがかかり、もちろんそれ以前にも一度も参加したことがなかったが、なぜそんなにリターン率がいいのか知りたいのと、去年はそれでも原油価格の暴落と株価暴落というダブルパンチが起こったので、その影響はどうなのか知りたいということで行ってみることにしたのだった。

 

思ったよりも興味深い内容だったのだが、まず、意外にも年間会計収支は、2014年よりも2015年のほうが高かったらしい。

オイル関係の投資で大損失を出して、収入自体は前年度よりも低かったが、そのかわり、税金が低くなったのと、死亡と負傷による払い戻し額を下げるなどして出費が大幅に減ったおかげでより大きなポジティブバランスになったらしい。

 

金融投資に関しては、8月に大暴落が起きたのに、年前半でバブル崩壊前の株価大躍進で、意外にも株だけで元手よりも9%も高くなったとのこと。

個人的にも、前半では投資信託で25000krも元手より多かったのに、後半になって元手ギリギリまで落ちたという。。今年になってからはさらに下がって、元手を切って7000krもマイナスになったときはショックを受けたが、今は元手よりも少し上回るくらいで推移している。

株はともかく、債券が歴史的な低金利のせいで01%しかプラスにならず、トータルで51%のリターン率になったそうだ。

数ある年金基金の中で2番目に高く、わたしがメインで入れている年金基金会社は最下位でたった18%だったとのこと。まぁ投資が下手というだけでなく、経費がかかりすぎ、というのもあるのだろう。その系列の某銀行もやたら手数料がかかったりしてサービスの悪さを感じる。

また、エンジニアのほうは、より非営利っぽい感じだし、すでにアドミニストレーションでほかの年金会社と共同で行っているので、人件費コストも低予算でできているような感じである。

 

そのせいか、この競争が激しい時勢で、しかも銀行の融資がらみで雇用主ががっちり契約結んでしまうため任意で選びにくいのに、会員数は年々増えているとのこと。2011年で20000人だったのが、2015年には24000人になったとのこと。わたしのように、高いリターン率に惹かれて加入するひとが多いのかと思う。

ましてや、この寿命が年々伸びている時勢で、例えば1995年に6100krの払い戻し額だったのが、2035年には4700krになる見込みだそうで、できる限りリターン率が高いところを選びたいと思う。

まぁそれだけでなく、エンジニア向けだけあって、エネルギー関係への投資を重視しているのも好ましい。特に今後は再生可能エネルギーへの投資を増やすという。労働市場の確保のためにも大事なことである。

 

それにしても面白かった。結構知らないことも多かったので、参加してよかった。

自分の年金がどのように投資されて、どういう収支バランスになっているのか知ることはとても重要だと思う。

日本の場合は、知らなさすぎて、将来どれくらい年金がもらえるのか確信がないからこそ、不安が加速してよりお金を貯めこむのだろうし。

まぁ日本は国庫とごっちゃになっている感があって、年金基金として独立して財政状況を把握するのは難しいかもしれないが。

いずれにしても、自ら情報を入手して、周囲の情報に惑わされずに自分で確かめていくべきではないかと思う。

2016-04-08 04:16:38

デンマーク人のメンター

テーマ:デンマーク事情

昨日、日本人の知人の方の一人芝居を観に行ったのだが面白かった。まったく文化が異なるデンマークで外国人としての苦悩を感じつつ、なんだかんだデン人化してベタベタな日本の家族に対してちょっとうっとおしいと思う、宙ぶらりんな自分の葛藤がテーマで、まさにどっちにも属さなくなってきたわたしにとっては共感しつくしの劇だった。

彼女はダンサーなので、いわゆる日本のアイドルのダンスとか(モー娘とかAKBあたり?)、80年代90年代を彷彿とさせるような日本ポップ音楽の踊りとかも盛り込まれていて、ああ~日本!と思えるようなもの満載で面白かった。というか、個人的には、いかにもキャピキャピ、ブリブリのダンスが一番好きだった。彼女はわたしよりも少し年上なのだが、さすが女優、年を感じさせなくて、ものすごくかわいかった。

わたしも自分で日本人離れしてきていると思っている一方で(もう写真を撮るときにはピースはしません!!)、いまだに変わらないなと思うところもある。かわいいものが好きで、こないだもパンダちゃんの映画を観にいったし、うちのアパートに猫がいると理性を失う。ベッドのたもとにはわたしのお気に入りの猿のぬいぐるみが鎮座している。そしていまだに娘とはペンギンのぬいぐるみをダシにして遊んでいる。43歳になってもお子様なわたしなのである。

デンマークだと、大人だけでアナ雪なんて観にいかないし、ディズニーランドに行かない。まぁネズミはそれほど好きじゃないからいいけど、ときどきpinligかも、と生きづらさを感じるわたしである。

 

*****************************

 

今日、メンターをやっている同僚と話をした。

 

メンタープログラムの進捗といえば、メンティーとジョブメッセに行った後に、一度うちの職場をみて、大学のテクニシャンと話をしてみたらどうかというオファーをしたところ、わたしの同僚を紹介するのかと勘違いして、その翌日にでも訪問したいと、かなり色めきたった返事がきたのだった。

それで、話をしてもらうのはわたしの同僚ではないけど、エンジニアよりもテクニシャンのプロファイルが強い彼にとってよりrelevantな相手であること、またすでに休暇に入ってしまったのでポスキ明けにアレンジしたいと返事したら、5日間音沙汰がなく、ポスキ中にやっとカバーレターとCVを送ってきて、「これから2週間中国に帰ります。」と書いてきたのだった。しかも、あれだけ応募したポジションの記述も送るよう頼んだのに、知らされたのは会社名とポジション名だけ。グーグルで検索したものの、外国の本社のサイトしかみつからず、おそらくは麻酔の薬の化学分析の業務かな、と推測できるくらい。カバーレターもコメントするのが難しかった。

やっぱり彼がわたしに期待しているのは、そういうアドバイスではなく、誰かを紹介したり、仕事に結びつくなんかしらの経験の場を提供してもらうことなのかな、、と思ったのだった。

 

そもそもメンターってなんなんだ、という疑問から同僚と話をしたのだが、彼は典型的デンマーク人らしく、毎回新しいメンティーに会う度に、

「アクションするのはあなた本人であって、僕はアクションするためのアドバイスをするだけだから。」

ときっぱり宣言するのだそう。

CVにしても、彼のCVを参考に添付して、直すべき箇所を指摘するだけで、決して修正をしたりはしないらしい。あくまでも修正するのは本人次第、ということである。

もし、メンティーのプロファイルで、彼のネットワークの中で関係ありそうなひとがいれば、メールを出すこともあるが、断られることもあるし、返事さえこないこともある。たまにさらに別のひとに転送してくれることもある。しかしそれ以上追及はしないとのこと。

また、あるメンティーで、カバーレターをつけるコンセプトを理解せず、なかなか書かないひとがいたらしいが、書くようすすめても、強制はしなかったらしい。それでも、何度もアプライしては返事がこない、というのを経験していくうちに、デンマークの事情について徐々に理解していったらしいが。

ともかく同僚が強調したことは、

「メンティーはアドバイスするひとであり、それを理解し取り入れて実行するかどうかはメンティー本人が決めること。」

である。

 

同僚と話をして、わたしはむしろやりすぎていて、アドバイスしたことをなかなかやってくれないことに勝手にイライラしていただけなのかもしれない、と思った。

彼に、「That´s not your business」と言われたが、そうか、、そうだな、、、と。

わたしのほうこそ、メンティーとの線引きができていなかったのかもしれない。

彼は、メンティーがどんなに理解してくれなくてもゆるがないし、うまくいかなければほかのメンターをすすめたりもする。あくまでも、メンティーはメンティー独自の考えがあって意志があると認識しているようである。

 

それにしても、そういう意味でわたしはまだデンマーク人化していないんだな、、と思った。

やっぱりどこかで、相手を思い通りに変えたいと思う自分がいる。変わるかどうかは本人次第と割り切れていない。

確かに、仕事を獲得できるかどうかは本人の問題であって、わたしの問題ではない。なかなか就職がうまくいかないことにわたしが責任を感じる必要はないのだ。

 

メンターをやりながら、同時にデンマークの文化や価値観を改めて学んでいるような気がする。

2016-03-18 05:31:55

メンターの難しさ

テーマ:デンマーク事情

昨日、ジョブメッセに行ったのだが、期待していたような感じではなかった。

今日、やはり行ったという日本人の友達と会ったのでメッセについて話したところ、日本だともっとリクルートみたいでブースごとに軽い面接とかもやってくれるのに、ここではそれがなく、スタッフをつかまえても企業説明で終わるばかりでがっかりしたとのことだった。

わたしもてっきり、メンティーにとっても面接のいい練習になるかも、と期待していただけに拍子抜けした。しかも、採用について聞いても、「わたしにはわからないから、このウェブサイトでチェックしてね。」と言われることがほとんどで、中には、今まったく採用の予定がないという会社もあるほどで、一体何のためのジョブメッセなのか、、と思ってしまった。

しかし、出展している会社のほとんどを知っているわたしにとってはつまらなかったものの、デンマークの企業状況をまったく把握していないメンティーにとってはいい情報収集になったようである。しかし、ことごとく化学のエンジニアは必要としていない、と言われたらしく、デンマークはエンジニアといえばほとんどが機械系なのか?と失望したようである。

 

友達と話してつくづく思ったのは、デンマークの市場って本当に選択肢がせまい、ということである。

デンマークのやっかいなところは、バッググラウンドが合致しないとなかなか採用してくれないことで、ただでさえ産業の種類に乏しいのに、分野も合ってないといけないから、アプライできるポジションが本当に限られる。

 

また、エンジニアに関しては特に、日本とは事情が違うなぁと思う。

日本の企業さんの話とか、自分自身の経験に基づいても、企業の研究開発の仕事は言ってもアカデミックに近い開発仕事だったが、こっちはもっと本当にエンジニアという感じで、実験というよりは、システムも一緒に設計して組み立てます、くらいの勢いのプラクティカルな仕事が多いような気がする。わたしも化学系だったのに鍛えられた。ハンマー、のこぎり、電動ドリル、ドライバー、どんとこい、である。

 

またメンティーのCVを見直してみたが、アラフォーにしてエンジニアの経験がほぼ皆無で、テクニシャンの仕事のほうが合っているように思うのだが、テクニシャンだとよりコミュニケーション能力が問われるだろうから外国人には不利なのではないかな、、と思う。

うちのテクニシャンの場合、学歴よりも、人間性がよくて、誰ともオープンに話せて気がきくひとが重宝される。

とりあえず、手当り次第応募するように言ったが、、かなり難しそうである。

 

しかし、わたしはもっと本質的なことで悩んでいる。

あまりにも思いつめ、今日、メンターを経験したことのある同僚に泣きついた。

彼もまた、組合のプログラムで、グリーンカードでデンマークに来て仕事を探している外国人のメンターになったが、デンマークの市場を知り自分を売り込んで仕事を得ることは本当に難しい、とのことだった。

来週30分相談に乗ってくれることになった。とてもありがたい。

     

わたしのメンティーの本質的な問題は、デンマークの労働事情どころか、デンマーク人の価値観や考え方を認識していない、ということなのである。

まず最初のマッチングのときに、彼が月に5回は会いたいと言ってきたことに仰天し、「そんなの無理だよ。せいぜい月に2度くらいだよ。」というと、「なんで毎週時間がとれないの?」と食いついてきて違和感を覚えた。

その後のメールのやり取りで、わたしがいくら特別な業績を盛り込むようCVを改善するよう言っても「職場にみにきてほしい。」という一点張りだったので、忙しい中なんとか時間を割いて行くことに決めると、「なんだったら我が家で食事を一緒に。」と言うので少しムっとして「夕飯も作らなければならないのですぐに帰ります。」と断ったのに、次の日には忘れたように「ワイン、ビールどっちがいい?」とすっとぼけたメールが来たので怒りの念がわいた。その間のメールのやり取りの中で、就職に関する記述は一切なし、である。職場に行ったときに、「なんで論文を送らないの?」と言うと、「忙しいから。」というので、わたしの怒りは頂点に達し説教した。

そして昨日、ジョブメッセのあとで「イースターの間会えないか?」というので、再度説教した。何度もいうが、その数日間、彼からのインプットはほぼ皆無。送ってきたのは勉強会に発表したときの要旨10行のみである。

彼の問題は、自分の努力や寄与を置いといて、ひとに頼ることに関して何も思っていない、ということである。わたしが時間をやりくりして、火曜日だって娘を迎えにいかなければならなかったし(恐ろしいくらいに高速をかっとばしてロスキレからスボまで飛ばしましたよ。)、昨日はミーティングを中座してメッセに行くなど、なんとか自分の都合と調整しながら彼の援助をしているにもかかわらず、それに対する敬意がまったくない。わたしの時間はタダだと思い、これらの援助など当たり前、なおかつホリデーだって時間を作ってくれることさえ当然のように期待しているのである。

 

デンマーク人はわたし以上に、自分と相手との境界線に対して厳しい感覚をもっている。(なんといっても、就学時の子供成長チェックの項目の中にも入っているほどで。5~6歳ですでに求められるという。。)自分が大事だから、同時に相手のことも尊重するのである。自分の事情があるように、相手にも事情がある。だから、できる限りお互いに干渉しないようにうまく距離を保ちつつ関係を築くのである。

彼はまず、そういうデンマーク人の在り方を取り入れていかないと、運よく就職できたとしても、デンマークで働くのは難しいのでは?と思うのである。

 

わたしが同僚に泣きついたのは、メンターとしてどうすればいいのかわからなくなったから。

メンティーが変わらないとおそらく就職は難しいという現実はあっても、わたしが彼を変えることはできない。説教ばかりしているような気がするが、そんなの実は意味のないことであり。

同僚も、メンターは難しいと言っていたが、自分が思っていた以上の厳しさに打ちのめされている。

2016-03-16 08:28:43

メンティー訪問

テーマ:デンマーク事情

今日、仕事が終わってからメンティーの職場をみにロスキレまで行ってきたのだが疲れた。。

最初のマッチングのときに、

CV

-自分に関するエッセイ

-論文もしくはプロシーディング

送るようお願いしたものの、送ってきたのはCVのみ。しかも、いろんな経験を書いてはいるが、パブリッシュメントの情報どころか、修士論文のタイトルさえ書いてなく、具体的なプロジェクトの内容についてはほとんど記載がなく、具体的に彼自身の特別な寄与について何もみえなかったので、雇用主はあなたという個人のプロファイルを評価するわけだから、なんでもいいから自分自身の特別な経験について書いて欲しいと頼んだら、今いる職場自体が特別なところという一点張り。なんだったら、職場までみにきてほしいと。

どうもわたしの質問の意図がわかっていないんじゃないかと、そのメールの応酬だけですでに疲れていたが、これではラチがあかんと、彼は今月中に職場を去るし、明日は一緒にジョブメッセに行くことになっているから、その前に何をやっているのかを見に行ったのである。

 

見にいったところで、何もみえてこないかもなぁ、、、という懸念のとおり、確かに彼の仕事の内容は理解したし、特にチャレンジだった課題についても認識はしたが、ピンとこず。。

とりあえず、大きな成果のひとつ、より効率的な分析方法の開発についてはもっと詳しくレポートにまとめることと、再度論文を送るよう頼んだが、、、やはり印象的なものではなく。

 

別に研究そのものが際立つ必要はないのかもしれない。

彼のタスクは、主に海水中の放射線物質の分析だったのだが、例えば、海水を採水する際の苦労した話とかでもいいのだ。

わたしの友達は、PhDになったとたんに指導教官に下水のサンプリングを完全丸投げされたらしいが、誰の助けもなく自ら市にかけあってサンプルをとれるようアレンジし、以降は職場で下水だったら彼女、とかなり重宝されたとのこと。

そういった成果もユニークで大きいものである。

そう、誰も開拓したことのないことを成し遂げると、それが武器になるし、またそういう自分で開拓しなければならないような難しいタスクでもできるのかと評価にもつながる。

もちろん、全員がそういう特別な経験を必要とするわけではないけれど、わたしたちのような外国人で、ましてやデンマーク語をまったく解さないのであれば、なおのことひととは違う何かをもたないといい仕事につくのは難しいと思う。

 

しかし、彼はその分析方法を開発したことが特別な経験であってしかるべきで、どうしてわたしがそれで納得しないのか腑に落ちなかったらしい。

それで、フェアではないが、昨日会った学生の話と、今うちの会社で走っているプロジェクトの話をした。どれも、確立した方法がない、一筋縄でいかないプロジェクトばかりである。

すると、今度はうちの会社に話をしてもらえないか、という。難しいと思うといっても、自分は絶対できる仕事があるとゆずらない。

まーったくわたしの話を理解しようとしないし、エッセイを書くこと、自分で企画をおこすこと、デンマーク語を今すぐ習い始めること、など具体的なアドバイスをしても、職探しの直接的なレシピではないからか、素直に受け止めもせず。

うちの会社はデンマーク語が必須であること、リストラがあったばかりでひとを雇う余裕がないこと、などを言ってあきらめてもらったが、すると今度はインターンとしていさせてもらえないかと言う。

   

あんなに頼んだのにエッセイも論文も送ってこないし、CVにもっと具体的な業績を盛り込むよう言っても拒否するし、今すぐにでもできそうなことを(例えば語学学校に申し込むとか)何もやろうとしない。そして、ひとつポストがあきそうな隣のグループにはお伺いをたててみたものの、今まで何の交流もしてこなかったという。それは残念、というと、だってうちのグループがほかと交流しない雰囲気があるから、と言い訳をする。

そのくせ、わたしとつながれば自動的にネットワークが広がり、うちの会社に無料奉仕でもいることさえできれば、何か起きて仕事に結びつくようなチャンスがくるのではないかと、外部からの期待ばかりしている。

 

これは、、かなり難しいケースかも、、と思った。

自分が変わらなくても仕事を得られるのであれば、一体何のためにメンタープログラムがあるのだろうか。

それこそ、わたしが彼の特別な何かを見出し、それに合った仕事をみつけだすか、もしくはその分野にいるひとにコンタクトをとり、直接彼の就職に結びつくようなきっかけを与えるひとが「メンター」なのであろうか。

 

うちの会社もそうであるが、概して会社がデンマーク人を優先的にとりたがるのは、言語の問題だけでなく、デンマーク人の労働文化が特殊なためとも考えられる。

もっとも特殊なのは、個人主義が徹底している、ということであろう。学生でさえ、2日目からは自立する。そして次に特殊なのは、公務員でさえ雇用が保障されていない、ということである。きちんと仕事をしているひとでさえ解雇されることがあるのに、「あのひと何しているの?」と思われたらもうおしまいなのである。自分でやることを降ってくるのを待つだけではダメなのである。

だから、何をやるべきか自分で考えることが大切だとさんざん言っても、どうすればいいのかわたしに決めてもらいお膳立てしてもらうようでは、この先が思いやられる、、と思った。というか、そういうデンマークの文化を教えることもわたしの役目だと思っていたけれど、それも理解してくれないとどうすればいいのかわからなくなる。

 

しかしまぁ、家に帰ったあと、応募できそうなPhDのポストのリンクを貼り、なおかつ、

-同僚からの推薦状をもらうこと

-エンジニア組合に入ること(いろいろイベントがあるので)

-語学学校に申し込むこと

という具体的な提案を書いて送ったのだった。

明日は、ジョブメッセ、、どうなることか、、である。

2016-03-09 08:31:46

電気自動車の試乗とスマートシティ

テーマ:デンマーク事情

El bil

   

やじうまで、友達が日本からのお客さんを案内するのに便乗して、うちの大学でのランチに合流してから、電気自動車のシェアリングの試乗と、コペンハーゲン市交通課とのミーティングに参加させてもらった。

 

わたしも娘が独り立ちしてからは経費のかかる車を手放して、たまに必要なときにシェアリングの車を借りようかな、、と考えていたので興味津々で試乗したが、彼ら曰く、最初はとまどうらしい。

なんでも、レンタカーと異なり、コペンハーゲン市内とHellerup、うちの大学と区域は決まっているが、そのへんの路上にとめてあるのをピックアップし、また路上で乗り捨てできるそうである。

スマホで予約し、近くの車を探し当て、フロントガラスの端にあるセンサーにスマホをあてると鍵が開く仕組みである。

しかし彼らは、鍵を開けたものの、チャージしていたケーブルを引き抜くことができず1時間も立ち往生したらしい。結局車内のナビのスクリーンからカスタマーサービスにアクセスし、どうもチャージの電源のほうが壊れているから、隣の車を借りてくださいと指示され、その車で出ることになったとのこと。

しかし、普通1分で4kr、駐車している状態でも12krかかるので、その1時間の120kr分も請求されるのか気が気ではなかったとのこと。

車内のナビでは、チャージできる場所も表示される。

乗っている分には振動もないし、乗り心地は最高であったが、運転するほうとしては、アクセルをはなすと即座にモーターが止まりブレーキがかかったようになるので、普通の車とは違う感覚で慣れるまで難しいとのこと。確かに、下り坂でもアクセルを踏まなければならないというのは、とまどうかもしれない。アクセルを離して急に減速したら、後ろの車にぶつけられる危険性もある。

どうも、アクセルに連動してモーターのオンオフのレスポンスが速いのは、そうすることによってエネルギーのロスをできる限りおさえ、バッテリーの寿命を長くすることためであるらしい。

今では、200km走るそうなので、近場を走る分にはまったく問題ないが、そういえば充電できる場所はまだ限定されている上に、フル充電で8時間とかかかるので、職場とかに充電するところがなければ自家用車としてもつのは難しいのではないかと。

そのかわり、充電はタダなので、燃料代は無料となるメリットがある。また、電気自動車専用の駐車場所も結構あるので、停める場所もみつけやすい。うちの大学はいつも駐車場は満車だが、電気自動車のところだけはいつも空いている。去年まで、減税制度があつかったせいもあり、意外と電気自動車は売れたそうである。

 

交通課とのミーティングは、コペンハーゲン市が取り組んでいるスマートシティの説明を聞いた。

やはり、車が増えてきているとはいえ、サイクリストにとって快適にすることを第一優先にしているそうである。さらに今よりも10%移動時間を短くすることを目標としているらしい。

それは、2050年には、CO2の排出量を0にするという野望があるから。

地下鉄の建設も着々と進んでいて、あちこちで工事現場がみられる。

コペンハーゲン市は、何も交通に関してだけでなく、エネルギーについても果敢に取り組んでおり、もうすぐアマー島で、スキーゲレンデが屋根になったゴミを燃料とする発電所がオープンする予定で、その関係でうちの会社も小さいプロジェクトをもらうことになっている。

 

しかし、その日本のお客さんは、思っていたよりも、コペンハーゲンが快適な街と感じなかったそうだ。特に高齢者にとっては相当タフな街なんでは?と思ったらしい。

意外と車は多いし、穴や段差が多く、歩きにくいところも多い。信号ではせかされるし、ぼーっと歩いていると自転車に乗っているひとに怒鳴られることもある。

便利といったら、よっぽど東京のほうが進んでいるといえる。そして道もきれいで歩きやすい。

 

まぁ、何を目指しているのか、の違いも大きいのだと思う。

 

ランチのときに、デンマークで勤務時間が短いというトピックがあがり、それでラクかというと、実は逆の一面もあるということを話した。

つまり、短いからこそ、自分が受けられるサービスも少なくなるということであり、保育園の閉まる時間が早いからピックアップするために自ずと早くあがらなければならないし、小学校に上がっても、クラブ活動がないから、親が自ら習い事やスポーツ活動をアレンジするべく、これまた送迎などで早く仕事を切り上げなければならない。外食は高いし、御惣菜なども手薄なので、自分で夕飯の支度をしなければならない。塾などないから、親が子供の勉強の面倒もみなくてはならない。

今では娘も大きくなって、たまに残業もできるようになったけど、それでも毎日ごはんを作らなければならないことは変わらずあるわけで、日本みたいにぱっとご飯を入手できたらいいのに、、と思うことが頻繁にある。

 

日本人の感覚そのままでいたら、デンマークは風評のように決して素晴らしい国でもないことに気づくと思う。

ビジョンがはっきりしているからあたかも素晴らしいようにとられるけれど、日本とはそもそもベクトルの向きが違うのである。

 

国によっても価値観が違うし、そもそも「スマートシティ」とはなんなのか、と考えさせられた次第である。

2016-03-04 08:25:12

メンティーとのマッチング

テーマ:デンマーク事情

今日、メンタープログラムのスピードデーティングに行ってきた。

初めての集団お見合いにしては、結構楽しかったけど、マッチングはわたしにとっては不本意なものとなってしまった。

たぶん、わたしは人気がなかったのだろう。。誰とも両想いになれず、わたしが苦手とするタイプがわたしのメンティーとなった。

わたしはデンマーク人ではないから、ネットワークもそんなにもっているわけでもないし、CVの修正とかできるわけでもなく、直接的なお手伝いはできない。それよりも、わたしの外国人としての経験を生かして、どうやったらデンマーク社会に入っていけるのか、どうやってネットワークを築いていくのかアドバイスすることでメンティーの助けになれば、と思っていたのである。

しかし、わたしのメンティーになった彼は、例の政府の研究費予算削減のあおりをくって今月大学のリサーチアシスタントの契約が切れてしまうため、今すぐにも仕事を得たく、メンターの人脈をそのまま利用して自分のネットワークを広げ、あわよくば仕事の紹介をしてくれればと期待していたようである。

語学学校に行っていないの?と聞くと、ともかく先に仕事を得ることが先で、デンマーク語は働き始めてからやりたいとのこと。このメンタープログラムが直接就職に結びつくことを期待していたらしい。

 

あまりの考え方の違いに愕然としたが、わたしが、

「あなたを誰かに紹介するなんて簡単だよ。でも、だからといってそれが就職につながるとは限らないよ。先方があなたを気に入って採用するかどうかは、わたしの紹介とは関係なく、完全にあなた次第なんだからね。例えば、デンマーク語を勉強していないということがわかれば、それで拒絶されることだってあるかもしれないよ?」

というと、彼はわたしのいわんとすることを理解してくれたが。

 

今まで何人もの外国人をみてきたが、デンマークの難しいところは、本当にひとそれぞれケースバイケースであり、、

例えば成功例をあげてみると、、

  

イラン人女性-デンマーク語はできず、CVを送っても返事はなかったが、その企業を知っている教授に口利きを頼んだところ面接によばれることに。第三面接まであったが、ポジションが彼女にぴったりだったのでめでたくゲット。なんと2年間空いていたポストで、うちの学科からも34人応募していたが全員ダメだった。

アイスランド人女性-デンマーク語はできなかったが、友達の紹介で面接を受け、パートタイムで1年間働いたところ、会社に気に入られ、新部署でフルタイムのポジションを獲得。

アイスランド人男性-PhDのときに装置を借りていた会社のひとに気に入られ面接を受けて仕事を獲得。デンマーク語流暢。

イタリア人男性-PhDのときにスポンサーだった会社に気に入られ仕事を獲得。デンマーク語できず。

イタリア人女性-PhDのディフェンスで意中の企業を招待し、めでたく彼女のパフォーマンスを評価されオファーもらう。デンマーク語できず。

ドイツ人男性-完全オープンのポジションに応募。デンマーク語ドイツ語両方できること、修士で受けた教育とPhDのプロジェクトの異なる分野が両方必要とされていて見事ポジションゲット。

 

PhDだからといって、就職がうまくいくとは限らず、あとは運よく大学でパーマネントポジションについた外国人もいるが、なにもありつけず、デンマークから出て行ったひとも多くいる。

成功したひとたちは、全員優秀なひとばかりだったけど、もちろん運によるものも大きい。そしてデンマーク語はあまり関係なかったりもする。

 

もう今から先が思いやられるのだが、とりあえず、さ来週にある大学でのジョブメッセに一緒にまわることを提案した。

そこで企業のひとたちと話す機会があるわけで、いい練習になるだろうし、そこからまたデンマークの産業界に関して何らかの印象をもってくれるだろうと。

そしてついでにうちの職場をみせて、同僚にも会わせてみることを考えている。うちの会社も、例の予算減で大変だけど、大変なりにいろいろがんばっていることを見せたいと思っている。

そして、わたしはメンターとしてメンティーの強みを見出して、それをどのように就職に活かしていくのか考えるべく、CVと自分のことについて作文を書いてもらうことをお願いした。そして具体的な研究内容を知るために、投稿論文も添付するようお願いしたが、なんと3年間大学にいて、パプリッシュに至ったのは、学会のプロシーディング一報のみだという。。うーん、、、研究で忙しくてデンマーク語もあきらめたというくらいなのに、一報だけとは。まぁ第一オーサー以外のものもあれば送ってもらうつもりであるが、、大丈夫だろうか。

 

大変そうだが、それだけにわたし自身学ぶことも多いにちがいないわけで、、

と自分を励ましてがんばることにする。

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