SAS・CA職務放棄騒動
うーん、、デンマークに12年近く住んできてもまだまだ謎の国だ。。。
金曜日から始まったSAS(スカンジナビア航空)のキャビンアテンダントの職務放棄騒動。
「nedlaeggelse=放棄」という意味が最初わからなかったが、「ストライキ」ではないのは、もともと組合と会社間での規約にある合法のストライキではなく、まったく事前の通告もなく突然職務をボイコットする違法行為だからだそうで、SASは警察もよび職務放棄をそそのかしているスタッフ10人を空港から追い出そうとしたり、裁判所にかけあい職務復帰の命令を出してもらうなど、政府当局も巻き込む騒動に発展している。
どうも、もうすでになくなっていたと思っていた、LCC航空会社CimberをSASが買収し、SASのCA147 人がCimberに出向させられることになったが、現在の労働条件や給与の継続の保証は2017年までとしており、今のところ合意に至っておらず、その結果の職務放棄も2度目だそうである。
結局、ヒルトンホテルでのミーティングも不調、裁判所命令も受け入れず、いまだ放棄したままで、明日の12時までに戻らなければ解雇にする、とSASは警告を出している。
おそらくは、SASのCAたちは解雇覚悟で職務放棄していると思われる。たぶん、SASが翻意しない限り、月曜日以降も放棄は継続するであろう。
ではなぜ出向命令が出てすんなり辞めなかったのか。
それは、これがどれだけ不当な命令なのか会社に知らしめる目的があったのであろう。実際この3日間で会社にとっても相当の損害が出ている。
これは、2013年に起きた小学校のロックアウトのように、不毛の戦いのようにもみえる。
今の航空会社の競争激化でSASが赤字財政になって久しく、2005年からすでに緊縮財政プランを出しており、その中のひとつとして、LCCのCimberを買収して、航路の一部をLCCに替えていくというのがあった。
そもそもが、人件費の高い北欧で航空会社をもつこと自体困難なことなのかもしれない。
まぁ、エンジニアのわたしにとっても他人事ではないのだが。実際多くの企業で工場を東欧に移転しているわけで。
しかし、今回初めて目にしたことば「職務放棄」。
本当にデンマーク何が起きるかわからない。。
小学校のロックアウトもショックだったけど、「ストライキ」ではない「ストライキ」までも起こるとは。
ちなみに、知人がSASで出張に行くはずであったが、出発予定時刻の2時間後になって初めて欠航になると知らされた挙句、それまでですでに4時間空港で待たされたのに、預けた荷物を回収するのにまた待たされ、その2時間後にやっと空港をあとにしたという。荷物受け取り場では人の嵐荷物の嵐だったそうだ。通常でも普通に混んでいるのに、30~40便の欠航便分の荷物が追加されたわけである。
もしストライキであれば、荷物を預けることもなかったかもしれないし、それ以前にあらかじめ予定を変えることも可能であっただろう。しかし事前通告なしの職務放棄となるとそのときまでどうなるかわからない。
今後も何か驚かさせることが起きるような気がする。