メンタルマニュアル

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今月のメンタルマニュアルは、


「どうしても上手に接客できない」


というもの。


マニュアルに書かれている結論としては、


「お客様にきちんと心が伝われば、どんな接客でも大丈夫」


というものでした。



わたしたちの仕事は医療ですが、ある意味接客業だとも思っています。


わたしも、もともとの性格が恥ずかしがりやだし人見知りなので、どうしても積極的に患者様とお話ししたり、自分から明るく話しかけたりが、できないときがあります。

けれど、当院に来ていただけて嬉しい、という気持ちだけはなんとかお伝えできるように努力しています。


以前当院で一緒に働いていた、私の先輩のドクターが言っていたことで、(今はかわいい息子ちゃんが2人いて、育児を頑張ってらっしゃいます!)


「患者様との出会いは一期一会」


という言葉があります。


きっかけは何であれ、矯正相談だったり、あるいは歯が痛い!詰め物が取れた!という急患だったり、何でも、とにかく来院していただけて、お話しできることは、素晴らしいことで、

せっかくお会いできたのだから、病院を出るときには100%満足して帰って頂きたい、というもの。



それを聞いて以来、わたしも、(恥ずかしがらずに)、来てくださってありがとう、という気持ちを込めて患者様に接するように心がけています。


わたしは歯科医師6年目ですが、医療の世界ではまだまだ駆け出しです。

でも、そんなわたしをご指名頂いて予約をとってくださる患者様がいて、なんて幸せ者なんだろうと思いますし、もちろんご期待に300%お答えできるように、喜んで帰っていただけるように、当院で治療してよかったと満足していただけるように、日々修行、日々勉強です。合格



これからも精一杯がんばりますので、よろしくお願いいたします。









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風の歌を聴け

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きょうはこれを読みました。
1時間あれば読み終わる短編です。
そしてなんと、村上春樹のデビュー作です!!
この作品は、村上春樹さん本人が、まだ拙く未熟だったとの理由で翻訳を許可していない作品だそう。

村上春樹さんのファンとしてはデビュー作品として必ず通る道なんでしょうけれど、うん、まあ、たしかに、他の作品のほうがおもしろいかもw



気に入った一説は、121ページ

【条件はみんな同じなんだ。
故障した飛行機に乗り合わせたみたいにさ。
もちろん運の強いのもいりゃ運の悪いのもいる。
タフなのもいりゃ弱いのもいる、
金持ちもいりゃ貧乏人もいる。

だけどね、人並外れた強さを持ったやつなんて誰もいないんだ。
みんな同じさ。

何かを持ってるやつはいつか失くすんじゃないかとビクついてるし、
何も持ってないやつは永遠に何も持てないんじゃないかと心配してる。
みんな同じさ。

だから早くそれに気づいた人間がほんの少しでも強くなろうって努力するべきなんだ。
振りをするだけでもいい。

そうだろ?
強い人間なんてどこにもいやしない。
強い振りのできる人間がいるだけさ。】



その通りで、世の中にはかならず格差というものが生まれますが、でも悩みのない人間なんていない。
なにかを得れば得た分だけの悩みが増え、なにかを失えば失った分だけの心配や悲しみが増える。

人間はどこまでいっても悩む生き物なんでしょうね。

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海辺のカフカ

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今週はこれを読みました。
約10年前の作品です。

前回読んだねじまき鳥より、どちらかというと1Q84のようにかなり抽象的な小説でした。
(そしてねじまき鳥よりも、ノルウェイの森や多崎つくるのほうが現実的な小説だったと思います)

それと、ねじまき鳥のように、最後の方が、まただんだん音が小さくなって消えていく音楽のような、そんな終わり方でした。



気に入った一節を紹介します。

上巻285ページ、大自然の中の星空を見上げる主人公。

【美しいというだけじゃない。
そう、星たちは森の樹木と同じように生きて呼吸をしているんだ、と僕は思う。
そして彼らは僕を見ている。僕がこれまでなにをしてきて、これからなにをしようとしているのか、彼らは知っている。
隅から隅まで彼らの目が見逃すものはひとつとしてない。
僕はその輝く夜空の下で、再び激しい恐怖に襲われる。
息苦しくなり、心臓の動悸が速まる。
これほどすさまじい数の星に見下ろされながら生きてきたというのに、僕は彼らの存在に今まで気づきもしなかった。
星についてまともに考えたことなんて一度もなかった。
いや、星だけじゃない。
そのほかにどれくらいたくさん、僕の気付かないことや知らないことが世の中にあるのだろう?
そう思うと、自分が救いようもなく無力に感じられる。
どこまで行っても僕はそんな無力さから逃げ切ることはできないのだ。】



この感情はわたしもたまに感じます。
見る人によって、その人の今まで生きてきた価値観だとか、今現在の感情だとか、そういうもので視界にフィルターがかかり、わたしが見ているこの景色が隣の人が見ている景色とは違うものかもしれないし、違う色かもしれないし、違う匂いかもしれない。
そういう意味では、親子であれ、夫婦であれ、それを共有することはできなくて、良くも悪くも人間はみんな孤独な存在なのではないかと、考えるのです。

たとえば簡単に言うと、喉が乾いているときには自販機が目に付くし、かわいいスカートが欲しいなと思っているときは素敵なスカートを履いたひとがつい目に入る。
普段は、自販機の存在なんか意識しないし、他人のスカートなんかどうでもいいのに。


それにわたしは歯科医師だから、電車の中や街中の歯医者の広告には敏感だけど、実際、歯が痛いひとや歯やことで悩んでいる人以外は、歯科の広告なんか景色の一部になっていて目にも入らない、というか目に入っていても脳が情報として認識していない、

という具合です。

だから、わたしたちみんな一人一人、今まで生きてきた道筋は全員必ず違うものなので、もし同じ瞬間に同じ景色を隣でみていたとしても、見えてる景色は全然違うのかな、と思います。

不思議でいて、ちょっと寂しくもあります。

だから、同じ景色からも、よりたくさんの情報•たくさんの思いを感じ取れるように、義務教育で学ぶ知識があって、本を読んで、音楽を聴いて、そうやってみんな自分の幅を広げていくのかな、と思いました。
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