#ランガスタラム いろんな映画の影響受けてるけど、ラーマラクシュミの家でのシークエンスは『ミスター・ビーン』辺りのコメディの系譜だよね。あとラストはあれタランティーノだわ。音楽は時に『ボーン・アイデンティティ』だったり『パイレーツ』だったり。でも最後がぴたっと決まるから面白いのよ
 
相手が映画好きならこれで大体話は通じるんだけど、普段映画見ない人にはどうやって勧めたらいいんでしょうね。やっぱり寅さん路線が一番確実だと思うんだけど。寅さんみたいな不器用な恋を笑ってる内に選挙戦の話になって、盛り上がったと思ったらいつの間にやら仇討ちになってるからスゴイよ、とか
#ランガスタラム をご覧になった梶尾真治先生が #チッティは寅さん みたいな性格と評してます。私もまさにそう思っていたところなのでヨカッタ~♪ ほんとねえ、チッティのやる事なす事、#男はつらいよ の寅さんのそれよ? 監督、チッティの人物造型にあたって参考にしたんじゃないかと思うぐらい。
 
寅さんを演じたのは渥美清という日本きっての名優なのだけど、チャランのチッティはそれに勝るとも劣らないと思う。直情径行で喧嘩っ早く、でも心は綺麗なまま身体だけすくすく育った男。でも決して単純なわけではない。難聴であることが周囲にばれるとバカにされると思って必死に隠しているのだから 
 
難聴というのは「全く聞こえない」わけではないから周囲には分かりづらいのだ。親などは「またこの子は聞こえないふりして」ぐらいに思ってしまう。チッティの聞こえが普通じゃない事に最初に気づいたのは、きっとクマールだったのだろう。その時彼は兄として可愛い弟を守ると胸に誓ったに違いない。 
 
チッティが乱暴なのは周囲が何を言ってるのか半分ぐらいしか分からない子どもだったからだ。聞こえが悪ければ当然発話も遅れるから、彼は自分本来の知能よりも劣ったものと見なされて育った可能性がある。当然ながらそれは非常に腹が立つことである。子どもにとっては暴力で解消するしか術がない。 
 
そんな弟をクマールは辛抱強く面倒見ていたのだろう。字もきっと彼が教えた。学校の普通教室で聞こえの悪い子が学ぶのは大変だから。チッティにとっては兄こそが世界につながる窓口、自分と外の世界をつなぐ唯一の手段、彼がいなければ自分という存在さえ危うくなる、絶対にして唯一の味方だったのだ 
 
いわば自分の優れた分身である。不思議なことに、アクタルに自分の分身を見出したラーマと同類なのだ、チッティは。演じている人物にどこにも似たところはないのだが、でもチッティは目的を遂げるために雌伏の時を過ごすことができるという点でもラーマと同じである。彼にはそういう役が似合うのだ。 
 
分身を失って苦しみに悶える時、彼の演技力が最も輝くのだと思う。そして分身を救うために捨て身で戦う時のアクションは殺気に満ちて最高である。ちなみに恋愛ものでは分身=恋人(女性)です。『マガディーラ』でバイラヴァがためらいなくダイブしたシーンで私は骨抜きになりました。

この夏得た知見。インド綿のロングスカートは涼しい。他の何物をも凌駕する程、暑さを感じさせない。風通しがいいのと色の濃いプリントが太陽光を寄せ付けないため、下手に短いスカートやパンツはいてるよりずっと快適なのを体感。サリーやルンギがインドにぴったりな涼感衣類だと実感できる日本の夏。

 

ただし保温性には全く欠けるので、日本の夏のシネコンにおけるクーラー冷えは全く防げません! ビックリするぐらい熱を閉じ込めないよ、インド綿。

あと生地がスケスケなので下にはペチコート必須。私は涼感素材で肌にベタつかないロングペチパンを着ていたのだけど、シネコンではホント寒かったわ!