2010年03月05日

薬用キノコ10選

テーマ:自然の産物
【 未開の森林 】

「薬用キノコの治癒効果」
(Medical Nutrition 第28号から)

キノコ健康食品の多くは免疫機能の亢進を目的に利用されている。しかし、有用成分と目されるβ―グルカンの量や構成はそれぞれに特長があり、目的によって選択することができる。ここでは、健康食品として利用されている代表的なキノコについて、生理活性や現在の研究動向を紹介する。

【 未開の森林 】
アガリクス・ブラゼイ (Agaricus blazei)

和名ヒメマツタケ、またカワリハラタケという。β―グルカン含有量は決して高くないが、金沢大学の太田富久教授らの研究で低分子領域に抗がん作用の高い化合物が含まれていることが分かり、化合物の特定が注目されている。三重大学の研究グループによって抗腫瘍効果、血糖降下作用、血圧降下、コレステロール低下など多く報告されており、基礎研究が充実している。

【 未開の森林 】
エノキダケ (Flammulina velotipes)

エノキダケは池川哲朗薬博ら国立がんセンター、長野県農村工業研究所の20年以上にわたる疫学研究で、エノキ栽培農家は、男女共にがん死亡率が低いことが確認されている。池川氏は、エノキの子実体から分離したEA6(低分子蛋白結合多糖体)が経口投与で制がん作用を見出している。またエノキには、レモンの10倍に値するラジカル捕捉作用も報告されている。

【 未開の森林 】
シイタケ (Lentinula edodes)

シイタケは、そのβ-D-グルカンが抗がん剤「レンチナン」の開発のもととなったことでも知られる。抗腫瘍活性、免疫賦活作用のほか、エリタデニンによるコレステロール低下作用などが報告されている。臨床的には菌糸体培養物が用いられ、B型肝炎、C型肝炎などウイルス性肝炎での治療実績が多い。子宮体がん抑制の症例報告もある。

【 未開の森林 】
冬虫夏草 (Cordyceps sinensis)

冬虫夏草は、虫やその幼虫に寄生するキノコの総称で、約400種発見されている。成分はコルディセピンという抗腫瘍活性物質やD-マンニトール、β-D-グルカン、エルゴステロールなど含有。免疫賦活作用、抗腫瘍作用、血管拡張作用が報告されている。

【 未開の森林 】
ハナビラタケ (Sparassis crispa)

ハナビラタケの有用性は、99年3月の薬学会ではじめて発表された。β―グルカン含有量が多く、薬理研究ともに臨床応用が行われている。東京薬科大学の宿前教授らの研究により、β―グルカンのうち、そのほとんどが抗腫瘍活性を持つβ(1―3)グルカンであることが確認された。

【 未開の森林 】
ブナシメジ (Hypsizigus marmoreus)

食用キノコとして一般的なシメジは、ブナシメジの栽培種。活性酸素消去能や血中の過酸化脂質を減少させる作用が、動物実験で確認されている。東京薬科大学の研究グループによって抗腫瘍活性物質としては、6分岐β1,3―グルカンが確認されている。現在国立がんセンターを中心とした研究グループによって疫学的検討が行われている。

【 未開の森林 】
マンネンタケ・霊芝 (Ganoderma Lucidum)

サルノコシカケ科で、生薬名は霊芝。エルゴステロール、多糖体、有機酸、クマリン、マンニトールを主成分とし、漢方薬味として利用され続けてきた。主に強壮作用、鎮静作用が知られ、神経衰弱、不眠、消化不良、気管支炎などに利用されている。中国では 2000年4月に薬局方に収載され、臨床応用の広がりが期待されている。

【 未開の森林 】
マイタケ (Grifola frondosa)

神戸薬科大学の難波宏彰教授らによってマイタケ抽出物「MD―フラクション」の研究が行われており、腫瘍移植マウスでの腫瘍増殖阻止率は86.6%。NK細胞、T細胞の活性化、サイトカイン産生能の増強などが報告がある。マクロファージのがん傷害能を直接増強すると考えられる。

【 未開の森林 】
メシマコブ (Phellinus linteus)

生薬名は桑黄。韓国では93年に医薬品として承認されている。メシマコブに含まれる多糖体はβ―グルカンなどのグルコースの含有が少なく、マンノースやガラクトースが比較的多いことや酸性ヘテロマンナンタンパク複合体であること、分子量が約150万個と比較的大きい――などと特長を持つ。腫瘍阻止率96.7%というデータがある。

【 未開の森林 】
ヤマブシタケ (Hericium erinaceus)

ヤマブシタケにはヘテロβ-D-グルカンが含まれており、他のキノコにはない活性多糖のマンノグルコキシラン、ガラクトキシログルカンが注目されている。また含有成分ヘリセノンD、エリナシンCが神経細胞成長因子の生合成を促進するとして、脳機能の活性化についても検討されている。
同じテーマの最新記事

コメント

[コメントをする]

コメント投稿

一緒にプレゼントも贈ろう!

Amebaおすすめキーワード