ポピュリズムの時代 | 多摩川マラソン日記

ポピュリズムの時代

昨日の米の大統領選の行方はまさかのトランプの勝利…

危惧していましたが、ショックは大きいです。特定の人種やコミュニティを優遇するような考えかた。スケープゴート政策。
大きな危機が現れるたびに、民衆が選びがちな逃げ道。時に大きな悲劇も生んだポピュリズムの落とし穴。

しかし、今回は本当に大きな危機でしたでしょうか?

経済危機?
経済危機は有りません。
リーマンブラザーズの後の危機ではなく、経済は安定しています。

失業率?
失業率もヨーロッパと違って低い。5%未満。

治安?
治安もこの数十年でかなり良くなってきました。例えば殺人率は90年代の半分。まだ日本の10倍と高いけど。

貧富の格差危機
それでも危機。それは社会分離、特に貧富の差の拡大。富裕層の為の政治、富裕層の為の経済。

トップの0.1%が収入の10%を超えています。
アメリカの富裕層に富が集中します。

トランプ本人も富裕層にも関わらず、経済成長の恩恵を受けなかった一般庶民、特にlower middle-class 白人に響く発言を繰り返した。
今回の勝因はその怒り。一般庶民の社会に対する不満。


この表では、アメリカの最高の税率の動きをしめしています。第二次世界大戦の時は90%。
しかし、その後は下落。特にレーガンの時。
また、これは最高の税率ですが、富裕層の収入源が金融商品も多く、それよりかなり低いです。トランプ氏自信もFEDERAL TAX を払ってない事を認めています。

これから
彼が抱えた政策は、どこまで実施されるかが勿論カギになります。
しかし、オバマ政権と違って、上院も下院も彼と同じ共和党。昨日の選挙で過半数取りました。その為、税金の軽減は実施するでしょう。特に富裕層への軽減になりますが…
その分、財源が減り、社会保障も減らすでしょうね。アメリカ共和党、特にTEA PARTYの「小さな政府」の夢。医療も教育も、殆どのインフラも民間に任せる。これらのサービスを必要とする人々が居るなら、その方々が関連の投資を行うはず。現実逃避的な超自由化の夢。
結果的に更に貧富の格差拡大が進む。

また、移民対策に関しまして、不法移民排除は避けられない…壁の建設は始まるけど、中途半端に終わる…財源ないからね。
TPP脱会は間違い無い。関税は、ケースバイケース。
南米との摩擦が増す。経済への打撃が予想されます。
Dark Tuesday
ポピュリズム時代の幕開け。

補足
今回はクリントン氏がトランプ氏より票を集めた。POPULAR VOTEでは Clinton 47.7% vs Trump 47.5%と20万人以上の票の差を付けました。近年2度ものPOPULAR VOTE勝利、選挙敗戦(前回はGore vs Bush)。民主主義の在り方も問われると思います。

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