March 31, 2017 18:55:16

米国のマネタリーベースとM1レシオ

テーマ:FRB

以下はパリバショック含む金融危機以降における、米国のマネタリーベースとマネーストックM1レシオ。 チャートとしては基本的に相反関係となる。

 

 

今年になってFRBのバランスシート戦略の行方がポツポツと話題になっているが、マネタリーベース自体はQE3が終了したのち、実際には徐々に減少している。これはドルが強い(崩れ落ちにくい)1つの側面として以前言及させていただいた。特定年限の米国債が持ち切り償還されており、それがマネタリーベース減少の1要因となっている。 (ここ最近の、トランプ政権への政策実行懸念からのドル売り不安とはまた別の問題で、構造の話。)

 

バランスシート戦略(縮小)をざっくりと説明すれば、政策金利を引き上げながら保有証券を放出し(売り切りとは限らない)、経済を平時の状態にもっていく、という事になるのだが、「平時の状態」というのは、ただ単純に個人消費支出をベースとしたインフレ率を2.0%で保つ、といった事でもない。物価以前の問題として、市場に出回る現預金の比率(対マネタリーベース)を金融危機以前の水準に回復させる事を意味する。

 

つまりこの図に限っていえば、マネタリーベースを縮小させながらM1レシオを1.6水準に回復させることがバランスシート戦略の成功、という事になる。

 

この2つは、基本的に相反関係にあたるので、急激にバランスシートを縮小させればM1レシオは急上昇するように見えるかもしれないが、当然ながら急激なバランスシート縮小(つまり売り切り)は市場供給量増加を通して金利上昇につながる事になる。 結果、流通現金は増加するどころか減少してしまう懸念があるからこそバランスシートの「能動的な縮小」は難しいのだが、昨年12月の(レポによる)利上げから、直近2月に掛けてM1レシオは0.945から0.886まで減速しているのは気掛かりな点になる。

 

「3月の利上げはタイミングが良かった」といった根拠は複数あるが、上記の事柄もその1つ、といったところになる。順調に上昇していたものが利上げによって頓挫しているという事。リセッション前(1.6)までは遥か遠く、引き締めを急げば回復失敗、という事になるだろう。繰り返しになるが、「年3度」(利上げ)と早々と口走るのは(結果としてそうなったとしても)根拠に乏しく軽率に映る。

 

 

※サブプライム問題が顕在化したパリバショックからリーマンショックが発生する以前より、FRBは約8,000億ドルの米国債を保有していたが、それら金融危機後には金融機関への貸出はじめとする複数の緊急プログラムによって08年後半から急激にマネタリーベースは増加し、4兆ドルを超える水準まで膨れ上がった。それとともにM1信用乗数は、それまでの1.6水準から0.7水準まで落ち込んだが、マネタリーベース減少とともに再度上昇していた。

 

 

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