「ヒトラー」を見ながら思った、上手くいってない国がどっちに流れるかはどの国でも同じ | えいいちのはなしANNEX

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映画「ヒトラー」のはなし、つづき。

オレたちが貧乏で不幸なのは、あの「オレたちでないヤツラ」が悪いんだ、あいつらを追い出せ、壁をつくれ、抹殺しろ。
その対象が、ある国では移民であり、難民であり、メキシコ人であり、イスラムであり、ある国ではユダヤ人だった、てことでしょ。そういう「わかりやすい敵をつくってくれる指導者」に、乗るんだよ、結局。テもなく。


ついおとといまで、まさか英国人ともあろうもんが、「移民キライ、難民イヤダ」っていうだけでEC離脱に投票するとは、思ってなかった。最後には理性的なとこに落ち着くと思ってた。それが、ホントに離脱しちゃうという。
アメリカ人が、英国人より理性的な判断ができるのか。今は「どうせ最後はヒラリーだろ」とタカをくくってるうちに、トランプが大統領になっちゃう、って光景を「ありえない」」って言えるのか。
アブナイよ。すごくアブナイ。

というのが、映画「ヒトラー」見ながら、ひしひし感じる。この「ホンモノのヒトラー」は、トランプなんか、くらべものにならない「ホンモノ」で、確固たる国家経営の理念があるんだ、正しいかどうかは別にして。だから「偉人」って書いたんだけどね。人格的にも、けっこういいやつだし。映画見てるうちに、どんどんヒトラーに感情移入してしまって、こいつに世界を預けたほうがいいんじゃないか、って気すらしてくるんだ。
まあ、それが「やはり甘かった」というのが、ラスト近くになって分かってくるんですけど、そのときには「手遅れ」かも知れない。

この映画、なんとなく手持ちカメラ風の映像が多く(ユーチューブだから?)、ドキュメンタリーっぽく思えることも、ちょっとメタ構造になってることも、「これってもしかしてフィクションじゃない、ってことない?」って気分を醸し出しているのも、コワイ。