2009-05-08 23:26:41 テーマ:気になった話題

北方領土・・・領土問題(1) (再掲載)


今回の日露首相会談でも北方領土問題については殆ど進展がありませんでした。



【 北方領土問題とは 】


歴史的事実や国際法的な考え方を基に問題点の整理を行なってみましょう。

一応、中学生以上ならわかるようにと心がけていますが、難しかったらゴメンなさい。


北方領土問題とは、

ロシアに占領されている日本の北方領土(北海道北端にある、択捉島・国後島・

色丹島・歯舞諸島の四島で南千島とも呼称される)の返還をめぐる日露間の

領土問題のことです。


問題の所在

戦前から日露間で平穏な合意があった北方四島の日本の持つ領有権について、

日本は第二次世界大戦敗戦後も一度も放棄したことが無いため、日本が領有する

北方領土に現在までロシアが不当に占拠しているという状態が続いており、

日本からの返還要求に対してもロシアは拒否を続けています。



【 歴史的経緯 】


1855年 『日露和親通好条約』で「日本の択捉島とロシアのウルップ島の間に

     国境がある」ことの確認がされた。(北方四島の領有開始)


1875年 『(日露)樺太千島交換条約』により「樺太はロシア領とし、千島は

     日本領とする」と、(両国の話し合いで)決まる。


1905年 日露戦争後、アメリカの仲裁による『ポーツマス条約』で

    「樺太の北緯50°以南を日本の領有とする」となる。


1941年 『日ソ中立条約』を締結、内容は「相互の領土保全と不可侵の尊重、と

    どちらか一方と第三国との軍事的紛争に対し、中立を保つ義務」


1943年 連合国首脳によって『カイロ宣言』が発せられる。

    内容は「日本が侵略行為によって獲得した領地を取上げる」


1945年2月 米英ソで『ヤルタ秘密協定』が締結される。密約の内容は、

     「ソ連が参戦すれば戦後処理として南樺太と千島をソ連に帰属させる」


1945年8月9日  日本の敗戦が確定的になったため、ソ連が第二次世界大戦に参戦。

1945年8月14日 『ポツダム宣言』受諾により日本は降伏する。内容は、「カイロ

        宣言の履行のため、日本の領土は本州・北海道・九州・四国と

        連合国側の決める小島のみ」

1945年8月28日 北方四島がソ連軍に占領される。


1951年 『サンフランシスコ平和条約』締結(ソ連は調印せず)

    「日本は南樺太、千島の主権を放棄する」



【 日本が参加していない『ヤルタ秘密協定』は有効か 】


『ヤルタ秘密協定』とは

米英ソによって交わされた密約のことで、次のような内容になっています。

「ソ連が参戦すれば戦後処理として南樺太と千島をソ連に帰属させる」


『ヤルタ秘密協定』については日本が参加していない取り決めのためこの協定自体は

日本に対しての効力はありません。


しかし、日本が『サンフランシスコ平和条約』によって放棄した領土については、

特定の国に譲渡するのとは違い、その後の扱いに日本は関知できなくなるという

ことになります。

連合国は第二次世界大戦に勝利しているので、放棄された南樺太と千島の処分権は

連合国にあると考えられます。


まず、『ポツダム宣言』は『カイロ宣言』の履行のためのものとなっていますので、

日本が日露戦争によって獲得した南樺太は当然旧ソ連に戻されるべきでしょう。


千島についても、日本が武力で獲得したものではありませんが、上記の通り連合国に

処分権が移るため、連合国内でどんな取り決めをしても構わないことになります。


しかし、北方四島は日本が戦争によって獲得したものでもないため、

『ポツダム宣言』の対象にならず、領有権も放棄していないので、

北方四島には『ヤルタ協定』の効力は及ばない、ということになります。



【 旧ソ連が参加していない『サンフランシスコ平和条約』は有効か 】


『サンフランシスコ平和条約』の条項では「日本の南樺太・千島に対する領有権

放棄する」となっています。

しかし、旧ソ連は『サンフランシスコ平和条約』には調印していません。


この条約の当事国になっていない旧ソ連はは、「日本の南樺太・千島に対する

領有権放棄」についても承認していないことになります。


本来なら、放棄を認めていない以上、『ヤルタ秘密協定』での取り決めの履行も

請求することが出来ないことになります。


また、『サンフランシスコ平和条約』では放棄後の帰属先については触れられて

いません。

つまり、ロシアが領有権を主張する根拠が北方四島だけでなく、千島にも無い

ことになりますが、千島については日本の領有権放棄とは別の問題なのでここでは

これ以上言及しません。



【 北方四島は千島に含まれるのか 】


歴史を辿ってみると

『日露和親通好条約』により北方領土は日本に帰属していることが確認されました。

『樺太千島交換条約』では択捉島より先にある千島が日本の領有になりました。

その後、(日露戦争後の)『ポーツマス条約』では南樺太が日本領になりました。


このことから日露の間では、北方四島と北方四島の北に位置する千島、樺太島が

それぞれ別個のものであるという認識がされていると考えるのが自然です。


加えて、国際的な取り決めを含め、日露双方においても、新たに北方四島が千島
に編入されたという認識を持ったことがありません。



【 ロシアの本音 】


・領土問題を日本から経済的支援を引き出すための切り札に使うため残したい。

・現在は多くのロシア人が住んでいる(占領前はロシア人は住んでいなかった)

・条約や経済などで日本に有利な時期にも日本は千島や樺太などの領有権を主張

 せずに一貫して四島返還を要求してくるので落し所が無い。(ロシア人的感覚)

・ロシアは北欧なでどでも領土問題を抱えており、日本にだけ返還すると他国から

 の返還要求も強くなることが懸念される。


【 日本の本音 】


・日本は既に降伏しているにも拘らず、北方領土に進攻しているため、降伏後に

 武力によって行なった占領は認められない。(もし仮に北海道まで進攻されて

 いたら・・・)

・ロシアの既成事実を基にした主張は、やったもん勝ち、盗ったもん勝ち、という

 ような考えであり、認められない。

・むしろ領土問題を解決した方が経済協力が行ないやすい。

・日本の主張に一貫性があるのは、自分たちの権利以上のものは求めないという

 国民性によるものである。



【 関心を持つことが大切 】


領土問題は生活自体に影響は無いからと関心が薄れがちになってしまいますが、

北海道など近い所で生活している方たちは実害に遭っていますので、できれば

より多くの「人間」で早期返還に向けての気持ちを持っていきたいものです。


日本は他にもいくつかの領土問題を抱えていますが、ロシアとの北方領土問題の

解決に向けては、とにかく粘り強く交渉していくのが一番良いかもしれません。




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