『エピソード6/ジェダイの復讐』は、シリーズ最高の忙しさ?
テーマ:STAR WARS最も多くのキャラクターが堪能できる(改訂版では
ヘイデン・クリステンセンさえ見ることができる!)、
初見参の人には最も楽しめる一本かもしれない。
実際、1作目の一本筋の通った勧善懲悪的展開と
2本目の見事なカットバック構成を合わせもつ
(旧3部作のオイシイとこ取り的内容の)
最もバラエティに富んだ総集編的作品とも言える。
逆に言えば、前半のハン・ソロ救出劇(タトゥイーン)、
イウォークの活躍とソロ&レイアの恋の行方(エンドア)、
スカイウォーカー親子の葛藤、デススターの再破壊、
などが一緒くたにシリーズ終結へ向け一気に展開されるため、
とても一本の映画とは思えないほどイメージがバラバラで
欲張りな一編にもなっている。
これは当初『エピソード7』以降のために考えられていた
ストーリーをすべて、この一編に入れ込んでまとめたという
話を裏付けるのに十分すぎるほど、その慌ただしさは
『エピソード3』以上のスピーディさで、
チャッチャと片付けられていく。
そう、まさに「うまく片付けられた」というイメージが
ピッタリの終幕の話なのである。
そもそもオープニングシーンからして、2作目から
何年も経っているような話ではないはずなのに、
もう半分以上もデススターが出来上がっているのだ!
(1作目のデススターは『エピソード3』の最後から
20年近くもかかって完成しているのに……?)
帝国軍のこの驚異のスピーディさには拍手喝采したいぐらい!
それなのに「工事の遅れを皇帝は懸念されておる」などと、
さすがベイダー卿ならではの無謀な冷たいお言葉。
かなり、ご都合主義的な話なのである。
しかも、再びデススターが登場してきたことにより、
もう最初のシーンで結末がだいたい読めてしまう!
という、あまりにも安易なストーリー設定に唖然。
シリーズ中、最も安易でご都合主義的な内容となっている
という点は否めない事実だろう。
『エピソード7』以降の話を一本にまとめたシワ寄せで、
それが明らかに時間軸において破綻しちゃってる!!
っていう感じだ。
ジャバ、ボバ・フェット、ヨーダ、皇帝、ベイダーと、
主要キャラクターが次々と軽やかに死んでいくのも、
シリーズ断トツのスピーディさだ。
新三部作や2作目にある重厚感は、この作品にはない。
とはいえ、最後の三つのシーンのカットバックの妙は、
シリーズ最高の盛り上がりと言ってもいい。
特にベイダーとルーク親子の戦いのドラマは感動的だ。
エンドアのスピーダーによる『ベンハー』ばりのシーンも、
まさにジェットコースターに乗っているかの如き楽しさ!!
また、旧三部作の特徴とも言えるコミカルな新キャラ
(『エピソード5』では、ヨーダの登場するシーンが
新三部作では考えられないぐらいコミカルじゃった…)
として登場してくるイウォークの存在も、他の作品では
ほとんど見ることができない『エピソード6』ならではの
ホンワカとした魅力をより印象づけてくれる。
ちなみに、コミカルな新キャラ路線は、『エピソード1』で
ジャージャーが不評だったことから、『エピソード2』以降、
完全に出てこなくなってしまった。おそらく観客のニーズが、
そうしたキワモノをこのシリーズに求めなくなったせいだろう。
これはもう時代の流れなので、仕方がない。
28年の間には当然、観客の趣味嗜好も変わる。
もう一つ、音楽のバラエティさも『エピソード6』は
シリーズ断トツのナンバー1だ。
1作目の「酒場のバンド」的な、ジャバ宮殿のポップなBGMや
「イウォーク・セレブレーション」のガチャガチャした楽しさは、
他の作品では決して聴くことができないボーカルものだし、
追加改訂が最も施されている特別編のラストシーンでは
ラテン風のピースフルな音楽に差し替えられており
(2枚組のCDアルバムでは両方聴ける)、
シリーズ中では一番ポップな仕上がりのアルバムとなっている。
また「イウォークのテーマ」「ルークとレイア」のテーマなど、
この作品だけで出てくるメロディも盛り沢山。
そこに新三部作で毎度登場してくる「皇帝のテーマ」が加わり、
2作目で登場した主要な3つのテーマもそれぞれ聴けるし、
前作ではご無沙汰だった「女王のテーマ」まで流れてくる。
そして、ジョン・ウィリアムズ本人が「最もお気に入り」という
「王座の間」の短いメロディも、最後にワンフレーズ登場する
(『エピソード3』にも出てきてファンを喜ばせました)
……といった具合に、最もアレもコレもとかき集められた
贅沢な内容(まさに総集編的!!)になっているのだ。
アルバム発売時はなぜか1枚組だったが、
ロンドン交響楽団の演奏も大傑作の2枚目より、
全体的に丸みを帯びて聴きやすいバランスでまとまっている
という印象だ。音楽においても『エピソード6』は、
入門盤として最もオススメのアルバムと言える。
というわけで、総合評価は★★★★
(忙しい『エピソード6』ならではの急展開でした!……笑)
ただし、シリーズの中で1本だけ見たいという場合、
満点をあげた『帝国の逆襲』より必ずしも面白くない、
とは決して言い切れないのが悩むところ。
つまり、これはあくまでシリーズの中の相対的評価としての★★★★
なのであって、他のシリーズの存在を何も考えないで見たなら、
もしかしたら『帝国の逆襲』より面白いかもしれない、
という逆転現象も起こり得る。
多分、これはリアルタイムで順番に見た人と、
いきなり見た人との印象の差みたいなもんで、
前者に該当する自分は、どうしてもシリーズの中の一本として
しか見れないからだ。評価と面白さが正比例しないこともある、
という評価基準の破綻をも引き起こす魅力が『エピソード6』には
ある(苦しい言い訳?)と、ご理解ください……。
いずれにしても、たくさん文句が言いたくなるぐらい、
『エピソード6』は面白い、ってことです(笑)。

John Williams, London Symphony Orchestra, Alfred Newman
Star Wars Episode VI: Return of the Jedi [Original Motion Picture Soundtrack]




























