J. K. ローリング, J. K. Rowling, 松岡 佑子
ハリー・ポッターと謎のプリンス ハリー・ポッターシリーズ第六巻 上下巻2冊セット (6)
昨日(5月17日)、怪物ベストセラー本のシリーズ最新刊
『ハリー・ポッターと謎のプリンス』(邦訳版)が、遂に
英語版発売から10カ月遅れで発売された。

原題は『Harry Potter and the Half-Blood Prince』で、
正確に邦訳するなら「ハリー・ポッターと混血の王子」
となる。その方が風情はあるよね。でも、まあ、この程度
の変更なら許せる範囲かな?

小説の場合、日本では10万部で「ヒット」と呼ばれるなか、
初版200万部は驚異的。しかも、シリーズ4作目以降は、
上下巻セットで単価が普通の本の2~3倍と高額。さらに、
委託販売(売れなかった分は返品すれば代金が書店に戻る)
が常識の業界で、買い切り制(20冊以上の注文なら5%まで
は返品可能)という異例ずくめの販売形態だ。これは小さな
書店にも本が並ぶよう配慮されてのことらしいが、この方法
が前作では、過剰在庫(売れ残り)問題にも発展した。

2004年発売の第5弾『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』
(邦訳版)が初版290万部だったのに比べ、90万部も数字
が落ちているのは、前作で懲りた書店の対応のせいだろう。



J. K. ローリング, J. K. Rowling, 松岡 佑子
ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団 ハリー・ポッターシリーズ第五巻 上下巻2冊セット(5)
同シリーズ旧作は、いまだ売れ続けているので、実売部数は
よくわからないが、初めて上下巻セットで買い切り制が導入
された2002年発売の邦訳シリーズ第4弾『ハリー・ポッター
と炎のゴブレット』は、350万部出荷のうち、10%相当の
約35万部がまだ在庫として書店に存在しているようだ。

とはいえ、シリーズ累計2000万部の売り上げを突破している
ことは確実で、邦訳版のみで平均しても300万部超の実売
は間違いないところだろう。

一方、先月(4月)中旬にDVD発売されたシリーズ4作目
となる映画の最新版『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』
の売れ行きも絶好調で、すでに100万セットを売り上げた
らしい。これで、シリーズ1作目から全作100万枚を突破
したことになり、もちろん史上初の快挙。シリーズトータル
でのDVD売上も、歴代トップの記録というから、とにかく
凄い。まさに、怪物シリーズだ……。ただし!

唯一、問題と思われる点は、映画の興行成績が日米ともに、
いまだ1作目『ハリー・ポッターと賢者の石』を超えるもの
がない、という大問題である。単行本の実売部数も、累積で
1作目が一番多いのではないだろうか(本の場合、販売年月
が最も長い1作目が一番でも仕方ないとは思いますが……)

実際、映画の出来としては、どうなんだろう……やっぱり、
1作目が一番良かった?

全米では4作目が1作目に次ぐ興行成績(歴代トータル25位
の約2億9000万ドル)を記録しているけど、これが2番目に
出来が良かった?……かっていうと、一概に興行成績どおり
というわけでもないようで……。

現在までの最新作『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』を
観た、詳細はそのうち……なんて書いておきながら、またも
半年が過ぎてDVDまで発売となってしまいました(笑)。

そこで、これを機に過去4作を順次、語り尽くされていない
部分を探しながら、振り返ってみようかなあと思います……
(トビトビでの更新になるかもしれませんが、気長にどうぞ
よろしく……笑)



J. K. ローリング, J. K. Rowling, 松岡 佑子
ハリー・ポッターと炎のゴブレット 上下巻2冊セット (4)




ピアノソロ 中級 ハリーポッターと炎のゴブレット 豪華カラ



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ハリー・ポッターと炎のゴブレット 特別版



ワーナー・ホーム・ビデオ
ハリー・ポッターと炎のゴブレット (UMD Video)



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また、かなり長いお休みに入ってしまったので、今日はチト
今までにない話題で一旦ブレイク(短くまとめる予定、笑)。

ウチの6歳の娘が去年の後半から「ラブand ベリー」という
ゲームにハマッている(ウチの娘だけじゃないんだけど…)。

ショッピングセンターなどに備え付けられている専用ゲーム機に
百円を入れると、お洒落アイテムやヘアスタイルなどのカードが
1枚だけ出てきて、それをスキャンするとオシャレに変身して、
そのオシャレ度によって、その後のダンスゲームの得点が変わる
というもの。ダンスゲームは、「ストリート」とか「ディスコ」
とか「舞踏会」とか、6種類ぐらいあり、それぞれにマッチした
ファッションでないとオシャレ度は落ちる。そのため、オシャレ
にキメて高い得点を出すためには、何枚もカードが必要になる、
というわけだ。

このゲーム機の前に、3歳ぐらいの小さい女の子から10歳以上と
思われるようような小学生、さらにその付添いの母親などまで、
連日、長蛇の列を作って集金マシンにコインを投じているのだ。

ウチの娘も去年のうちは興味津々、それを眺めているだけだった
が、ついに自分も始め、今では何十枚ものカードを専用ファイル
に入れて持ち歩くようになっている。

このゲームに並んでいる女の子たちは、その専用ファイルを二つ
も三つも持っていて、並んでいる女の子たち同志でカード交換も
盛んにやっている。同じカードを2枚持っていても仕方ないから
だ。おそらく、百枚以上持っている人はゴマンといるだろう。
専用ファイルも1000円ぐらいするので、間違いなく1万円以上、
「ラブand ベリー」に使っていることになる。しかも、その大半
が幼稚園児ぐらい。当然、その親がお金を払っているんだろう。

ウチの娘もアイテムカードを数多く揃えたいがために、何度も列
に並んで、アッと言う間に数百円を使い切ってしまう。あと百枚
揃えたい、と目を輝かせるのはいいのだけれど、その度に百円玉
を要求される。

果たして、こんなに簡単に百円玉を無尽蔵にどんどんと渡して
しまっていいもんだろうか?……と疑問を感じ、この4月から
お小遣いを月に500円ずつ与えることに決めた。もちろん、
「お金は無尽蔵ではなく、考えて使うことができるように、時
には我慢することも必要だ」ということを教えるためだ。

ところが、お小遣いの500円は、渡したその日のうちに全部
「ラブand ベリー」のゲーム機に消えた。

「もう今月はできないよ、全部使っちゃったんだから」
と言うと、「なんでぇ~!」という反応。これじゃ、
ちっとも勉強にならない。

まるで、子供のやりたいことを止めて、イジメているみたいな
気分にそのうちなってしまい、そこで「ママのお手伝いをした
ら、お小遣いがもらえるかもね」と言うと、「ヤーダー!」。
4月後半になると、「お小遣い500円じゃ足りない、800
円にして!」と、もう賃上げ要求。これにはまいった。

新しいファッションアイテムカードは次々と登場するし、
ブームになるのはわかるけど、幼稚園ぐらいの子供に
喜ぶからというだけで、そんなにお金を渡していって
いいものだろうか?

やりたがっている子供の興味を止めるのは、逆効果の育て方に
ならないだろうか?

今度はそこに「たまごっち」の同様のカードゲームが最近、
また設置され、5月のお小遣いは半分がそちらに消えて、
半分が「ラブand ベリー」に消えた。

母親は可哀相に思ったのか、「ラブand ベリー」のダンスゲーム
の音楽が入っているCDを買ってあげた。GWのドライブでは、
ずっとその音楽を何往復も聴くハメになった…。
子供が疲れて寝たの見計らって、CDをストーンズに換えた。
やっぱり、ストーンズはいいネ(笑)!

6月1日まで、ウチの娘は耐えられるんだろうか?

皆さんのオウチでは、子供のお小遣い、どうしてますか?

(やっぱり、ちょっと長くなってしまいました……笑)


セガ
オシャレ魔女 ラブ and ベリー(仮称)




オシャレ魔女 ラブandベリー 2005秋冬ソングコレクション




オシャレ魔女 ラブandベリー 2006春夏ソングコレクション
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ディズニーは何がなんでも『ナルニア国物語』の映像化第一弾を
大ヒットさせたかったようだ。

なぜなら、欧米では『指輪物語』と並び、1950年~56年にかけて
計7巻発売された最も有名な児童向けファンタジー(挿絵が挿入
された小説)の古典を「完全映画化」と謳っておいて、しかも、
タイトルに「第一章」と銘打ってしまったからには、「それほど
ヒットしなかったから」「評判がイマイチだったから」といって、
途中でカンタンに止めるわけにはいかないからネ(笑)。

ディズニーの冠にキズがつくばかりか、それじゃあまりにカッコ
悪い。というわけで、ライバルのドリームワークス最大のヒット
作を放った『シュレック』シリーズのアンドリュー・アダムソンを
監督に起用するなど、なりふり構わぬ気合の入れようで、もう
そこにはディズニーのプライドもヘッタクレもない。結果は……

2005年12月9日に全米公開、ファンタジー映画ブームを巻き
起こした『ハリー・ポッター』シリーズの最新作から3週遅れで
初登場1位を記録、トータル興収も3ヵ月以上かけて抜き去り、
全米歴代トータル興収23位の約2億9200万ドルを稼ぐ大ヒット
となった。ちなみに、24位は『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』、
25位が『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』(いずれも、全米興収
トータル2億9000万ドル台)で、興行的には一応、これら大ヒット
シリーズと肩を並べる形で、日本でも2006年3月4日公開以来、
1ヵ月以上にわたり興行成績のトップを独走、約1ヵ月半で興収
トータル60億円を超えて、万々歳!……と言いたいところ
だろうが、果たして本当にそうだろうか?

実際、『ハリー・ポッター』と『ロード・オブ・ザ・リング』の1作目
は、全米興収で3億ドルを超えており、『スター・ウォーズ/
エピソード1』は4億ドル以上。日本でも、これら大ヒット作の
興収は軒並み100億円を突破しており、やや見劣りする
成績、と見ることもできる。

しかし問題は、数字の差よりも、「続きが早く観たい!」という
4月以降の宣伝文句に「?」を100 個ぐらい付けたい人が少なく
なかった、という点だ。いくら、なりふり構わぬ大ヒット狙い、
とは言っても、「続きが早く観たい!」は詐欺まがいスレスレの
誇大広告?…とさえ感じた。事実、「続きが早く観たい」なんて
コレっぽっちも思わなかったし……。

最初、主人公の兄弟姉妹4人が第二次大戦中のロンドンから疎開
した先の屋敷で、ナルニア国への入口となっている衣装ダンスを
発見するまでの展開が、予想以上にトントンといい調子だったの
で、「これは面白くなりそうだぞ…」と思って見ていたのだが、
その後の物語を見ていくにつれて、だんだんオープニングのいい
調子の描写がちっとも後半の展開に生かされていないなあ……
ということ気づかされいく。子供向けのキャラクター(英語を喋る
動物たち)はいいとしても、物語自体に引き込まれなかったのが
最大の難点だ。主人公の子供たちをヒーローに仕立て上げておき
ながら、そこには映画的な必然性がまったく感じられない。縁も
ゆかりもないナルニア国の戦争に、なんで主人公の子供たちが
命のリスクも省みず加わるのか、そのモチベーションが弱いから、
あんまり応援する気にもなれないし、現実世界に帰れなくなる、
という類の緊張感もない。そんなことを子供向けのファンタジーに
求めちゃいけないのかもしれないが、緊張感のない戦闘シーン
ほど盛り上がらない見せ場はない。だから、「どうぞ、ご自由に
ヒーローごっこをやってな」っていう気分にさせられてしまう。

結局、大人向けには作られてないんだな……と思ってはみたものの、
2時間12分という長さは、決して子供向けとも言い切れない。
やはり、どっちつかずな印象は拭いきれない。この後、
どうなる??……っていう終わり方でもなかったし、
それなのに「続きが早く観たい!」なんて誰が思う?
……多分、それは原作のファンの感想なんだろう。

実はこの映画、欧米の観客の評価は予想外に高い。どうしてなんだ、
と不思議だった。彼らのレベルが低いから?……いや、おそらく原作
の浸透度合いが日本と違うからなんだ、というのが結論だ。確かに、
C・S・ルイスの原作本は、この一年で過去50年の日本での発行部数
を上回ったほど一気にブレイクした感じで、日本人にとっては決して
メジャーな本ではなかった。私も恥ずかしながら、この映画の宣伝を
観るまで、この本の存在すら知らなかった。そして、数少ない日本の
原作ファンの感想を聞くと概ね評価が高い。「よくぞ、ここまで映像化
してくれた」という印象なのだ。映画を観た後、原作本を読んで、
そのことに気づいた。

例えば、冒頭のいいテンポの描写は、原作にはない。小説の中では
最初の1~2ページ目で衣装ダンスが発見されるところから始まる
(主人公の兄弟姉妹は、空襲で田舎に疎開してきた、と説明がある
だけで、最初から屋敷の中にいて、それ以前の描写はない。つまり
冒頭のシークエンスは映画のオリジナルなのだ。そこが後半の展開
に生かされない、などと原作を読んでいたら考えもしなかったろう)

……というように、映画の描写の方が原作よりも詳しい。その印象
の差は大きい。私のように、映画で初めて本作に触れた大人たちの
感想は惨憺たるものだが、原作を読んでいる人には「評価が高い」
という稀な例のような気もする。

普通、原作ファンは自分の勝手なイメージと映画の印象の差に
多かれ少なかれ違和感を覚え、必然的に映画の方の印象が
悪くなってしまうことが多いからだ。だから、基本的には映画を
観る前に、あえて原作は読まないようにしている。

それにしても、今から『第2章』以降が不安だ。原作では、最初に
発売された『ライオンと魔女』が、ナルニアの歴史時間軸でいうと
2番目の話で、2番目に発売された『カスピアン王子のつのぶえ』
が、4番目の話になる。おそらく、これが第2章ということになる
のだろうけど、時代的には『ライオンと魔女』の百年後の物語で、
実は間に4人の兄弟姉妹が王として統治する時代の話『馬と少年』
(発売順では5番目)が存在する。そこで、この物語を発売順に
『第5章』として映画化した場合、彼らはもうすっかり大人に
なっている可能性が高いわけで……それで大丈夫なのかな?

『ハリー・ポッター』もそうだけど、十代の子供の成長は早いからね、
それで時代が前後する『ナルニア国物語』の原作を発売の順に
映画化しようと思ったら、大急ぎで撮影しないと違和感が出ちゃう
んじゃないだろうか、なんて余計な(?)心配もしたくなる。

いずれにしても、第2章は1作目で最も目立ってた「氷の女王」
(『ザ・ビーチ』でデカプリを食っちゃうティルダ・スウィントン)が
出てこないし、英語を喋るライオン「アスラン」が中心になって
ナルニアの起源が描かれる最初の話『魔術師のおい』(発売順で
は6番目)に戻るとも思えないし、キャラクターがあまり立っている
とは言えない兄弟姉妹4人が再び主人公になるであろう『第2章』
の出来が、どんどん不安になってくる……と思わない?

実は、既に7巻ものを3章で完結させる、という噂も流れており、
一方で原作ファンは4番目に発売された『銀のいす』(時間軸では
6番目)が最も面白い、とも話しているし、一体どうなることやら……
やっぱり、この映画に関しては例外的に原作を読んでから観る方が
楽しめるみたいだ。本を読む気がない人には、総合評価★★★
……がいいとこ。原作は、挿絵入りで200 頁程度。すぐ読めるし、
続きが早く観たくなるかもヨ!



C.S.ルイス, ポーリン・ベインズ, 瀬田 貞二
ライオンと魔女



C.S.ルイス, ポーリン・ベインズ, 瀬田 貞次
カスピアン王子のつのぶえ



C.S.ルイス, ポーリン・ベインズ, 瀬田 貞次
朝びらき丸 東の海へ



C.S.ルイス, ポーリン・ベインズ, 瀬田 貞次
銀のいす



C.S.ルイス, ポーリン・ベインズ, 瀬田 貞次
馬と少年



C.S.ルイス, ポーリン・ベインズ, 瀬田 貞次
魔術師のおい



C.S.ルイス, ポーリン・ベインズ, 瀬田 貞次
さいごの戦い
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malpaso

(前回の続き……写真は、この映画とは関係ありませんが、
このマルパソのロゴの帽子が欲しいなあ、と思って……笑)

今、全米で最も売れているクリント・イーストウッド関連
(監督のみ、出演のみも含む)作品のDVDは?

これが実に意外な結果で驚いている。答えは、
『荒鷲の要塞』(1968年)という戦争映画だ。

なんと40年近く前の主演作……驚いたのは、それだけじゃない。
正確にはリチャード・バートンが主演で、イーストウッドは二番目
という映画だからだ。今となっては、イーストウッドの名前が
最初に出て来ない極めて珍しい映画とも言える。最近の監督作
と『ダーティ・ハリー』シリーズ程度しか見たことのない人には、
特にこの結果を知ってほしい。つまり、いかにイーストウッド
というスーパースターがどういうところで支持されているのか、
DVDの売れ筋で窺い知ることができるからだ。ちなみに、
一位は『荒鷲の要塞』、二位は『マディソン郡の橋』(1995年)、
三位は『アウトロー』(1976年)、というのがTOP3。

二位の『マディソン郡の橋』は一応、10年以上前の映画だが、
イーストウッドのキャリアの中では、まだ最近の映画、って感じ。
それほどイートウッドのキャリアは深遠で、適当に数本見たぐらいで
いい加減なこと書いてるような記事を見ると腹が立ってくる。
この映画に関しては、これまでの彼のキャリアの中では異色な
感じだが、これ以降の彼の作品を見ていると異色な感じはあまり
しないかもしれない。詳しくは、またの機会にゆっくり話そうと思う。

三位の『アウトロー』は、イーストウッド監督主演の西部劇の代表作
だから、当然の結果!……南北戦争のドサクサで軍隊に一家を惨殺
された男が、戦争が終わってからも一人軍隊に対して戦争を続ける
という、全盛期のイーストウッドが堪能できるアクション映画だ。
そういう意味で、この映画は大好きだ…(総合評価★★★★!)
当時はアメリカ建国200年記念作品の一本として公開された。



ワーナー・ホーム・ビデオ
アウトロー 特別版

一位の『荒鷲の要塞』も、当然のことながら面白い。第二次大戦中の
ドイツを舞台に繰り広げられるスパイ・アクション的なノリの話だ。

1968年といえば、ハリウッドで仕事にあぶれたイーストウッドが、
イタリアに渡ってマカロニウェスタン・ブームの顔となり、
主演スターとして逆輸入される形でハリウッドに迎えられた年。

相手役のリチャード・バートンは、50年代から約30年間にわたって
ハリウッドで主役を張ってきた英国を代表するスター。特に60年代
は、エリザベス・テイラーと『クレオパトラ』で共演後、結婚・離婚を
繰り返す世紀のロマンスでゴシップを騒がせ、まさにキャリアの
最盛期にあった頃の主演作。
対するイーストウッドは、人気急上昇中とはいえ、初のハリウッド
大作への出演で、まだまだ初々しさが残っている頃。

そんな二人が、英米混成チームの代表として特殊任務を果たすべく
ドイツの要塞へ潜入する。目的は二重スパイを割り出すこと……が、
潜入チームにも二重スパイがいると知って、「なんじゃ、そりゃ?」
と、困惑するイーストウッドの顔がアクションより笑わせてくれる。
イーストウッドはいつも理性を失うことなく、困惑する演技がいい!

しかし、ネタバレなしに、この物語を紹介するのは難しいなぁ(笑)。

とにかくイーストウッドは撃ちまくる、そのケーブルカーでの戦いは
特に有名(特撮は40年近くも前の映画なので、文句は言うまい)。
最後に、イーストウッドが「今度こういう複雑な作戦をやる時は、
イギリス人だけでやってくれよな」と吐き捨てる、それがまた
いいんだよね、バリバリのイーストウッド的な発言で!(笑)

この複雑な戦争スパイ映画の脚本を書いたのは、イギリスの著名な
ベストセラー作家、アリステア・マクリーン。彼の小説は、60年代~
70年代にかけて十数本も映画化されているが、『荒鷲の要塞』は
初めて最初から映画のために書かれた物語で、小説になったのは
映画化の後だ。とは言え、彼の小説で最も英米で売れたのが、
この小説なのだ。間違いなく、映画も小説も、最も彼らしい傑作と
言えるだろう。彼の最も有名な作品『ナバロンの要塞』(1961年)と
同じく、戦争冒険小説的な色合いが強い作品で、そういう映画が
70年代以降(ベトナム戦争以降)、ほとんど製作されなくなり、
ヒット作の続編として作られても『ナバロンの嵐』(1978年)の
ように、オールスターキャストでもヒットしなくなってしまった
のは、寂しい限り。時代の要請で仕方がないんだろうとは思う
けど、今、戦争映画と言えば、ほぼ100%、反戦映画だからね。
たまには冒険アクション的な戦争映画も見たいと思ってしまう。

『荒鷲の要塞』は、戦争冒険映画というジャンルが成立し得た
最後の時代の傑作ではないだろうか(総合評価★★★★!)……



Alistair MacLean
Where Eagles Dare (Adrenaline Classics Series)



Alistair MacLean
Where Eagles Dare
特にオープニング、小太鼓の音が次第に高鳴り、
ブラスの音が重厚にかぶさるメインタイトルの音楽は、迫力満点!
あまりにその音楽が好きで、昔レコードを買ってしまったぐらい…
(笑)。日本ではCD化されていないのではないかと思うけど、
重苦しいサスペンス音楽と派手なアクションシーンの音楽の対比が
強烈で、しかもアルバムの最後には劇中に使われた第二次大戦当時の
ムード音楽なども入っていて、なかなか楽しめる出来の一枚でしたヨ。

作曲のロン・グッドウィンは、後に『ナバロンの嵐』でも
快活な戦争冒険映画的音楽で楽しませてくれた人。実は、
このテーマ曲、公開当時から結構好きで、レコード化されなかったのが
残念でならなかった。その後、CDにはなったのかな?
しかし、なぜかカセットテープで、この音楽を持っている。
不思議だ。どうしてなんだか、いまだによく憶えてないけど(笑)
……今でも、たまにこのテーマ曲が頭の中を過ったりする。
『荒鷲の要塞』とは全然、違うタイプの曲なんだけどね。



ワーナー・ホーム・ビデオ
荒鷲の要塞