vsいやあ~、やってくれました!
映画の文句を言いたい人には、タマらなくオイシイ素材です。

まずはタイトル『エイリアンvsヴァネッサ・パラディ』
(10月公開)からして、一発カマしてくれる。もちろん、
「エイリアン」ったって、あの『エイリアン』シリーズの
エイリアンが出てくるわけじゃない。
コテコテの伝統的な宇宙人(生物?)が闇雲にフランスの田舎町を
襲って残虐非道の限りを尽くす、その姿はむしろ『宇宙戦争』の
ミニチュア版。とは言っても、SFホラーじゃない。

どう見ても、前半はコメディだ。エイリアンが出てくるのは後半、
それも、何の前触れもなく、煮詰まったストーリーに突然、
急展開の登場を果たし、次々に田舎の人々を惨殺していく。
その映像がまたグロテスクで陰影があり、ザラザラした色調。
ドキュメント風の撮り方というか、画像が粗い。まるで、
日本の昔の特撮怪奇もの映画みたい。要はハチャメチャ。
そんなアバンギャルドなノリが、ある意味、笑える。
ロジャー・コーマン風テイストのB級映画
とでも言ったらいいだろうか。

ところが、タイトルにも出てくる肝心のヴァネッサ・パラディは、
ギャーギャー騒いで逃げるばかりで、ちっとも戦わない!!
しかも、主人公でもない!!……日本語タイトルに偽りあり、
(原題は『ATOMIK CIRCUS』)だ。

もっぱら戦うのは、田舎町の祭りに呼ばれてやって来たスタントマン
の主人公ジェームズ・バイタユ。その祭りで歌っているライブ歌手が
ヴァネッサ・パラディなのだが、これは当然、役の名前じゃなく、
女優の名前(っていうか、どちらかと言うと、本業は歌手)。

有名スターの名前がタイトルの冠に付くことは、たまにある。
が、それは普通、誰もが知ってるような存在の場合。もしくは、
『マルコヴィッチの穴』のように、本人がカメオ出演している場合。
どちらの場合も『○○○○の~』という冠付きタイトルとなるが、
冠でもなく、主人公でもない女優の名前がタイトルに入っている
という事自体に、この映画の常識ハズレなトンでもなさを
嗅ぎつけることができるだろう。

そもそも、ヴァネッサ・パラディの名前自体、あんまり知らない、
という人も少なくないのでは?
自分も「名前を聞いたことがある」という程度だったし……
実際、ジョニー・デップの奥さんとして知ってただけ。
そのうえ、ジョニー・デップとは結婚してない。

99年にジョニー・デップとの間に女の子(Lily-Roseちゃん)が
生まれたから、一応、妻っていう肩書で語られているけど、
実態は未婚の子持ち夫婦という関係。それが二人の希望なのか、
そんなことはどうでもいいんだけど、いずれにしても日本では
顔と名前が一致するほどのスターじゃない。

ただし、フランスではバルドー、バーキンの系譜を継ぐ
フレンチ・ロリータ系ポップスターとして有名なようだ。
身長160センチはフランス人としては小柄な方なのだろう、
とにかく、フランス人はホント、ロリータがお好きだ。

1972年12月22日生まれ、というから既に33歳だが、
デビューは14歳の時。ヨーロッパ全土で大ヒットした
デビュー・シングル「Joe Le Taxi(夢見るジョー)」で有名になり、
60本を超える映画出演依頼のなかから選んだ「白い婚礼」(89年)で、
セザール賞他、各賞を総ナメ。女優業の他、シャネルの香水"CoCo"
のイメージキャラクターとしてモデル業にも進出したが、
90年代は歌手活動に専念。故セルジュ・ゲンズブールや
レニー・クラヴィッツとのコラボレイトも展開し、アルバム
「Be My Baby」は日本でもヒットしたらしい(知らなかった)。



ヴァネッサ・パラディ
ヴァリアシオン



ヴァネッサ・パラディ
マリリン&ジョン



ヴァネッサ・パラディ
ビー・マイ・ベイビー

今回の映画でも、エンドタイトルの「ジェ~ムズ!バターイユ~」
(ジェームズ・ボンドのお遊びパロディ曲みたいな雰囲気?)他、
何曲か歌っているが、いきなりギターのノイズが凄かったり、
ところどころマカロニウェスタン風だったり、映画同様、
ハチャメチャなB級テイストとノリのフレンチ・ロリータ系ポップスで、
このサントラ盤は結構ハマる。映画の出来は、どうしようもないが、
ある意味、笑えるので総合評価★★……でも、サントラ盤はいいよ!



サントラ, リトル・ラビッツ, ヴァネッサ・パラディ
エイリアンVS.ヴァネッサ・パラディ



アミューズソフトエンタテインメント
橋の上の娘



ジェネオン エンタテインメント
エリザ



ユニバーサルインターナショナル
ヴァネッサ・パラディ: ライヴ!



ハピネット・ピクチャーズ
白い婚礼
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corpsebride一日に数秒しか撮影できないという非常に手間のかかる
ストップモーションアニメによるディズニー映画
『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』(1993年)の
原案と製作を手掛け、グロテスクなメルヘンの世界を描いた
ティム・バートンが再び3年の歳月をかけて完成させた彼の王道、
それが最新作『ティム・バートンのコープス・ブライド』だ。
全米でも2週目に2位を記録するヒットとなっており、決して
『チャーリーとチョコレート工場』のオコボレ的小品
という見方は正しくない。

お気づきの通り、タイトルの前に監督の冠がつく……
それは名前を付けることによって観客を呼ぶことができ、
ある一定の作風と面白さを保証するスター監督だけに与えられる、
いわば称号と言ってもいいだろう。

チャップリンやキートンのように主演も兼ねた監督は別として、
ジョン・フォード、ヒッチコック、フェリーニ、ベルイマン、黒澤、
ゴダール、トリュフォーなど、そんな監督は数えるほどしかいない。
ティム・バートンがそれら偉大な監督と肩を並べる存在かどうかは
異論もあると思うが、少なくとも独特の作風を確立している
数少ないヒットメーカーだということだけは確かだ。

うがった見方をすれば、ティム・バートンの冠を付けなければ、
ディズニーなどのストップモーションアニメと差別化するのが
難しかったのかもしれない。もし、ディズニー映画だったら、
唯一の冠は「ディズニーの(Disney's)……」であり、
絶対に監督の名前が冠になることはなかっただろう。

それほど、この映画はスンナリとした出来で、ある意味、
安心して見ていられる。つまらないということじゃなく、
ここ数年のティム・バートン監督作の特徴ともなっている
ハートウォーミングな物語として上手に完結してるってことだ。

彼に何を求めるのか、によって感想は違ってくると思うが、
ティム・バートンの冠を外して見た場合、物語としては
『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』より感動的だ。
例えば、子供に見せようと思ったら、もしくは子供と一緒に
見ようと思ったら、間違いなくコチラをオススメしたい……
(結婚詐欺師に殺されたって話は子供には厳しいかな?)

「いつもおんなじメンバー」という批判もあるようだが、
ちょうど『チャーリーとチョコレート工場』の撮影中に
仕上げのアフレコ録りが行われたため、声の出演者たちは
ひ弱で多感な主人公のジョニー・デップをはじめ、
死体の花嫁役のヘレナ・ボナム=カーター
(ティム・バートンの奥さんだからね、毎回出演も致し方ない
でしょ……子供も生まれたことだしねえ)や、
ディープ・ロイ、クリストファー・リーまで、
前作とおんなじメンバーが逆に楽しめる。

相当デフォルメされた絵であるにも関わらず、見れば見るほど、
ジョニー・デップも、ヘレナ・ボナム=カーターも、
まるで本人が演じてるみたいに、ソックリに見えてくる。
しかも、手間をかけてるだけあって微妙な表情が実に豊かで、
その表情の見事な表現を見ているだけでも充分に楽しめる。

キャラクターの区別さえつかない人物描写のアニメも多い
(宮崎駿アニメでさえ、その傾向は否めない)なか、これは
あまりに基本的であえて語られることがほとんどないが、
特筆に値することだと言いたい。『チャーリーとチョコレート工場』
よりも時間をかけて作られた力作だ。オコボレ的な小品だなんて、
とんでもない……(総合評価★★★★)

ちなみに、子供が生まれたことによる作品への影響を問われた
ティム・バートン監督は、「まだショック状態でわからない」と
述べている。作品とは関係ないが、この人の共同インタビューは、
しょっちゅう来日してる割には、ちっとも面白くない。

ジョニー・デップも同様。ボゾボソと聞き取れない小声で
表情も変えず、サービス精神のかけらもない。
まあ、別に素顔はどうでもいいんだけどね…(笑)。




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いよいよ今日からです!

日本シリーズ&ワールドシリーズが日米同時日程で始まる。
どちらも十数分でチケット完売という盛り上がり方。
日本シリーズは、阪神が勝てば20年ぶり、
ロッテが勝てば31年ぶりの日本一という
初顔合わせの対決だが、ワールドシリーズはもっとすごい。

ヒューストン・アストロズは球団創設44年目にして初出場、
井口のいるシカゴ・ホワイトソックスは46年ぶりの出場、
(高津がまだいたら、もっと応援するのにね…)
というだけでなく、もし勝ったら1917年(大正6年)以来、
88年ぶり!!……という、生き証人さえ探すのが困難な
歴史的スパンの対決となる。

当時のホワイトソックスには、名作『フィールド・オブ・ドリームス』
にも登場した伝説の名選手シューレス・ジョー・ジャクソンがいた。

「史上最強チーム」と呼ばれ、1919年にもリーグ優勝、
レッズとのワールドシリーズは誰もが圧勝を予想していた。
ところが、一試合目から信じられない敗戦が続き、惨敗。
「八百長疑惑」が浮上する。

これがメジャーリーグ史上、最大のスキャンダルとされる
「ブラックソックス事件」だ。シューレス・ジョーをはじめ、
主力選手8人が「八百長」を理由に大リーグから永久追放、

「(八百長は)嘘だと言ってよ、ジョー!」
という子供のファンの悲痛な叫びは、あまりにも有名。
以来、ホワイトソックスは一度も優勝(シリーズ制覇)
できなくなった!!

この実話を映画化したのが、『エイト・メン・アウト』
(88年、日本未公開)で、シューレス・ジョーを
『メンフィス・ベル』のD・.B・スウィーニーが演じる。
チャーリー・シーンも追放メンバーの一人として出てくるが、
むしろ熱血漢の選手役だったジョン・キューザックの方が
目立っていた……っていうか、誰が主役だったか、
よくわからない映画だった。ヘタに感動的な脚色を避け、
当時の雰囲気や事件の内幕を忠実に再現したようだ。

ただ、あんまりよく憶えていないぐらいの印象しかないので、
映画としては、そんなに面白くなかったような気がしない
(というわけで、総合評価★★……いい加減ですね!)
でもないが、ワールドシリーズを10倍楽しく見るために、ぜひ
『フィールド・オブ・ドリームス』(最愛の映画の一つだけど、
話すと長くなるので別の機会に……)と、セットで見て欲しい。


ちなみに、本当に「八百長」だったかどうかは、いまだ不明。
ホワイトソックスが以降、優勝できないという現実だけが残った。
「バンビーノ(ベーブ・ルース)の呪い」ならぬ、
「シューレス・ジョーの呪い」かもしれない。

が、しかし!!……昨年のワールドシリーズでは86年ぶりに
レッドソックスが優勝、「バンビーノの呪い」は解けた。
今年は同じく86年ぶりに、「ブラックソックス事件」の呪縛から
ホワイトソックスが解放される番だ……というのが、予想。

クレメンスを引退させないためにも、アストロズを撃破してほしい。
日本シリーズは、「試合から遠ざかっている阪神が不利」
との予想が多いが、横綱相撲で阪神が勝つ。

バレンタイン監督は、メッツの監督時もワールドシリーズで
ヤンキースに完敗したが、「後一歩」が似合う人なんだよね。
そう言えば、当時のヤンキースのエースがクレメンスだった。
左のエースだったペティットも、今はアストロズにいる。
しかも、ここ数年、ワイルドカードでの出場チームがいつも
優勝している。データはアストロズに分がありそうだけど、
呪いが解ける時というのは、データなど関係ない。
ついにカーネルサンダースの呪いも解けるか?
ガンバレ、阪神!!……あれれ?
……ただの応援だったの??


ポニーキャニオン
エイト・メン・アウト



ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
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ロンゲスト・ヤード
『がんばれ!ベアーズ』のオリジナルは見てないけど……という
ブログ記事が意外に多くて、ちょっとビックリした。でもって、
たいがい見てない人ほど、今回のリメイク版の評価も高かった。

比較対象が明確にあるかどうかの違いによる印象の差は、
確かに大きいのかもしれない。

今夏、全米で大ヒットしたリメイク作品『ロンゲスト・ヤード』も
(アダム・サンドラー主演、ボブ・サップも出ている!…ので、
どうやらコメディのようだ)、売れた割には評判がイマイチだ。

74年のオリジナル版『ロンゲスト・ヤード』は社会派アクションを
得意とした名匠ロバート・アルドリッチ監督の後期の代表作で、
当然それとの比較によって評価されている部分もあるのだろう。

50年代の代表作『攻撃』『ヴェラクルス』(ゲーリー・クーパー
とバート・ランカスターの2大スターが対決する!)、60年代の
代表作『特攻大作戦』や、今年デニス・クエイド主演でリメイク
された『飛べ!フェニックス』、『何がジェーンに起こったか?』
(『蝋人形の館』でも上映されていました!=最新情報)の他、
ホーボーと車掌(リー・マービンとアーネスト・ボーグナイン)
の意地と意地の対決を描いた『北国の帝王』(73年)などなど、
「骨太」と評されるアルドリッチの作風を見ればわかる通り、
オリジナルの『ロンゲスト・ヤード』は決してコメディではなく、
まさに監獄を舞台にした「社会派アクション」映画だった……
(晩年の彼はコメディも数本あるけどイマイチでしたね)。



パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン
ロンゲスト・ヤード
リメイク版にも登場する“元祖”主演のバート・レイノルズを
マネーメイキングスターの常連に押し上げたこのヒット作は、
すこぶる評判もいい(個人的には総合評価★★★です)が、
バート・レイノルズのフットボール映画といえば、絶対忘れて
欲しくない一本がある。ほとんど語られることがなくなった、
マイケル・リッチー監督の『タッチダウン』(77年)だ。


『がんばれ!ベアーズ』(76年)の大ヒットで一躍メジャーな
監督となったマイケル・リッチーは、代表作の大半がスポーツ
絡みのコメディだ。『タッチダウン』もそうだし、その他にも
コメディ映画の女王ゴールディ・ホーンが高校のフットボール
チーム(そこにはブレイク前の若いウェズリー・スナイプスや
ウッディ・ハレルソンもいる!)のコーチをするハメになる、
爆笑ヒットコメディ『ワイルドキャッツ』(85年)や、監督作
ではないが『クール・ランニング』(93年)の原案も彼だ。
最近なぜか、目立った活動がないのは寂しい限りだけど……

そもそも監督デビュー作が『白銀のレーサー』(69年)だ。
スキーの腕前がプロ級のロバート・レッドフォード主演、
ジーン・ハックマンがコーチ役で共演しているという
滅多に見られない組み合わせのスキー映画だった。

その後、ロバート・レッドフォードと再びタッグを組んだ
『候補者ビル・マッケイ』(72年)は、選挙活動の舞台裏を
描いた力作だったが、やはり興行的に見ても決定打となったのは
『がんばれ!ベアーズ』で、シリーズ3作目のドタバタコメディ
『がんばれ!ベアーズ大旋風』(78年)も製作を担当している。

その合間に製作された『タッチダウン』は、実に肩の力が抜けた
ノンビリしたコメディで、世間の評判はイマイチのようだけど、
そんなことは関係ない。この映画が、たまらなく大好きだ。

全盛期のバート・レイノルズと、前年にバーブラ・ストライサンド
主演で大ヒットした『スター誕生』で本業(?)の歌声を披露した
クリス・クリストファーソンの、二人のプロフットボール選手が、
チームのオーナーの娘(『結婚しない女』『大陸横断超特急』など
のヒット作が目白押しの頃のジル・クレイバーグ)を取り合う……

というより、いつも3人で楽しくジャレあっている、そんな感じが
アラン・ドロン&リノ・バンチュラ主演の名作『冒険者たち』
(67年)みたいで、実に楽しく心地よい映画だった……。

バート・レイノルズ全盛期の一連のヒット作は、たいがい
この「男二人に女一人」という関係がドラマの主軸で、
『ラッキー・レディ』(75年)ではジーン・ハックマンと
ライザ・ミネリを取り合い(というか、3Pに近い…?)、
『グレート・スタントマン』(78年)ではサリー・フィールドが
若く積極的なジャン・マイケル・ビンセントとの間で揺れ動く。
しかし、それでも3人の信頼関係は、絶対に崩れない……

そんなシチュエーションがいつも素敵でカッコよく、
一時期ホントにハマッた。でも逆じゃ、ダメなんだよね(笑)。

「女二人に男一人」のシチュエーションというのは、
なぜか関係が安定しない。たいがい、荒れてくるか、
妙な緊張感を強いられる。ちっともカッコよくない。

『タッチダウン』は、そんな「男二人と女一人」の素敵な関係
という大好きなシチュエーション映画の典型的代表作だ……
と、勝手に思っている(総合評価★★★★)。




タッチダウンは、
スポーツ映画というより、むしろプロスポーツ選手のオフ生活を
オモシロおかしく描いた話だったような印象が強い。しかも、
海岸のシーンとか、ほんとロマンチックだった!
そこにクリス・クリストファーソンが歌うノンビリとした主題歌
「バック・イン・ザ・サドル・アゲイン」がかぶる。これがまた
いい雰囲気なのだっ!

実はこの曲、トム・ハンクスとメグ・ライアン共演で大ヒットした
ロマコメの代表作『めぐり逢えたら』(93年)でも使われている。
きっとノーラ・エフロン監督も、この映画のロマンチックさに、
密かに感化され、大好きになった一人なんだろうな、と思う。

「男二人と女一人」の関係がロマンチックだとは思えない、
という人、ぜひ試しに見てくださいネ!


ワーナー・ホーム・ビデオ
グレート・スタントマン



アミューズソフトエンタテインメント
冒険者たち
bearsもう10年以上前のことだ。

本編は何か忘れたが、劇場の予告編で

「1972年、ゴッド・ファーザー、
1974年、ゴッド・ファーザーPART2、
そして……」

と、『ゴッド・ファーザーPART3』の予告編が流れた時、
鳥肌が立った……そのすぐ後に、まったく同じように、

「1976年、ロッキー、1978年、ロッキーⅡ……」

と、予告編が始まった時、館内が爆笑の渦に包まれた。
あまりのタイミングのよさに、最初はギャグかと思った。
が、

「そして、ロッキーはストリートに戻って来た…」

と、マジに『ロッキー5』の予告編だった。
10年以上前でさえ、失笑ものだったっていうのに、
今朝のニュースには驚いた。

「59歳のロッキー、復活!!」というのだ。

いったい、何のことかと思ったら、59歳のスタローンが
『ロッキー6』の製作を始めたというのだ……!
当然、主演そして監督も兼ねる。

これまでも、『インディ・ショーンズ4』とか、
ちょっと無理めな、驚くべき続編製作のニュースを
聞いたことはあったが、今回は度を超えている。

確かに最近、シルベスタ・スタローンは主演映画もないほど
落ち込んでいるけど、59歳でリング復帰は大丈夫なのかな?
いくら映画とはいえ、体が心配だ……見た目もね。

たまたま、リメイク版『がんばれ! ベアーズ/ニュー・シーズン』
が公開中で、なんだか70年代後半のスポーツ映画ブームが
また戻ってきたみたいな気分で、とっても懐かしい……
(『ロンゲスト・ヤード』は70年代前半だけどね)

オリジナルの『がんばれ!ベアーズ』が大ヒットした76年、
当時のアメリカは「建国200周年」のお祭り気分で、
アメリカン・ドリームの復活を謳歌した『ロッキー』は、
そんな雰囲気の中で大ヒットし、絶賛された。

その後、数年の間に数多くのスポーツ映画が製作されたが、
その中核を担っていたのが、このシリーズ化された2本、
『ロッキー』と『がんばれ!ベアーズ』だった。

しかし、今回の『がんばれ! ベアーズ』は正直、
「なんで今?」という程度の話題性しか感じない。
全米でも3000万ドル台の小ヒットだったが、
内容的にもオリジナルとほとんど変わらない。

にもかかわらず、主演のウォルター・マッソーが、
「おまえのカーブは昔ほど、もう曲がらないだろ」と、
娘役のテータム・オニールを弱小少年野球チームに
引き入れるようとする有名なシーンが軽くカットされ、
「そんな手には乗らない」と笑いで流されている。

そんなキャラクターを含む微々たる変更が、何一つ
オリジナルより面白くなってない。
主演のビリー・ボブ・ソーントンが、そもそもダメ。
ウォルター・マッソーのような野球バカ的な
愛情がほとんど感じられない。
タダの女たらしの酔っぱらいコーチでしかないのだ。
ノックのシーンを見ても、明らかにヘタクソで興冷めだ。
ケビン・コスナーやチャーリー・シーンのように、
野球がうまいスターはたくさんいるのに……
リチャード・リンクレイター監督は野球好きな人なのに、残念。
総合評価★★

オリジナルは、★★★……ぐらいかな。
なぜかというと、テレビ版の『がんばれ!ベアーズ』が一番
面白かったから。クラシック音楽「カルメン」の使い方も
映画とまったく同じで実に効果的だったし、
コーチ役のジャック・ウォーデンもよかった。
コリー・フェルドマンのクソ生意気なセリフも笑えたし、
主演の女の子もカワイかったなあ……
(名前は忘れたけど)。
ちなみに、テータム・オニールが出てるのは1作目だけで、
2作目以降はドタバタコメディ色が強くなってくる。
3作目では日本に遠征し、日本のコーチ役で若山富三郎が
出ている。結構2作目は良かった印象があるけど、3作目は
……ちょうどいい潮時でしたね(笑)。


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7ソードたまたま見た時だけがそうなのかもしれないんだけど、最近、
井筒監督の自腹批評と意見が合うようになってきてしまった
……(笑)。
やっぱり井筒監督の『セブンソード』評価は★がゼロ、
「もう忘れた」というぐらい印象も薄いらしい。
「ツイ・ハーク監督とは話したこともあるけど…」と、
その後はいつもの如く、ダメ出しの連打。
いつもは横で「感動した」と高い評価の付き添い女性も、
まったく★の評価を出してない(のか、カットされたのか?)

でもね、これ見たら仕方ないよね。「時間を返せ!」
と言いたくなる批評ほどヒドイ評価はないと思うけど、
『セブンソード』は、まさにそれ。信じられない駄作だ。

[信じられないこと、その1]

これ、香港で2005年の興行成績ナンバー1だって話。
こんな映画を香港の人はみんな見て喜んでるワケ?
そりゃヒドイ。まずは、その事実が信じられない。

[信じられないこと、その2]

ツイ・ハーク監督は「香港のスピルバーグ」
と呼ばれているらしいけど、いくらなんでも
スピルバーグは、こんな駄作を撮らないぞ。
しかも、スピルバーグの作風とは似ても似つかない。
そんな肩書がまかり通っていること自体、信じられない。
誰が言ったか知らんが、センスのかけらもないコピーだな。

[信じられないこと、その3]

ツイ・ハーク監督は武侠映画をSF映画に近い、という感覚で
撮っているらしい(本人のインタビューに書いてあった)。
だからリアリティがないんだな、時代感覚も、アクションも。
それなのに、ツイ・ハーク監督の武侠アクションというだけで
絶賛している人がいること。まったくナンセンスだ。
アクションシーンは、その必然性とドラマの盛り上がりによって
生かされる。ツイ・ハーク監督が好きなクロサワ監督の
『七人の侍』を意識してるなら、もっとキャラクターの面白さや
物語性に気を使うべき。ちっとも7人の剣士が際立ってない。
7本の秘剣とやらの魅力も、どうでもいい感じ。それなのに、
アクションシーンをつないでるだけのようなアクション映画を
褒めてる人の気が知れない。まったく信じられない。

[信じられないこと、その4]

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ』シリーズや
『HERO~英雄伝説』にも出てたドニー・イェンの
動きやアクションがいいのはわかる。けどね、
最も印象的なのは7人の剣士じゃなくて、
井筒監督も言ってた海坊主のような悪玉の親分「清原」や
ヘンな髪形と化粧の女殺し屋など、気持ち悪い悪玉たち。
彼らの武器の方が、『セブンソード』より印象的なんだな。
7人の剣士は明らかに魅力不足で、区別もしにくいほど。
一体、ツイ・ハーク監督は何を描きたかったんだろう。
まったく意図がわからん。いっそのこと、悪の軍団を
メインにしたほうが面白かったんじゃないか?
っていうか、そっちがメインに見えるほどの
バランスの悪さ。監督としての手腕が信じられない。

結論は言うまでもない。こんなのは絶対褒められない。
総合評価★

派手な動きのアクションをつなげば面白いと考えてるような
香港映画ファン(またはツイ・ハーク監督や出演者のファン)
以外は、まず楽しめることはない。2時間半、時間の無駄。
ほとんど意味のない素早い動きのアクションを延々と見たい
という人だけには、オススメ?……できない。

せっかく『頭文字D』では、香港映画の娯楽性を褒めたのに、
これにはもう本当にガックリきた。
この監督は盲信しちゃいけない。それほどの価値がない
ってことだけはハッキリわかった。


ジェネオン エンタテインメント
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地大乱



ジェネオン エンタテインメント
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ〈外伝〉アイアン・モンキー
must love dogs poster前回の続き)

最近、やたら出会い系サイトの宣伝メールが届く。
しかも、問い合わせへの返信メールの如く偽装してたり、
まるで知り合いみたいに「久しぶり~」なんて件名だったり。
開けて見てしまったのがいけなかったのか、かなりしつこい。
そんなわけで、日本では出会い系サイトのイメージはよくない。
多分、いろいろなんだろうけど、離婚率が日本の数倍(?)という
アメリカでは、すでに社会的に認知され、一般化しているようだ。

そんな良質の出会い系サイトに登録した個人の宣伝文句
『MUST LOVE DOGS』(求む、犬好きの人)
が原題の、30代・バツイチ男女のロマンスを描いたコメディが
『理想の恋人.com』(公開中)だ……なかなか、いい邦題だよね。
たまには、配給会社も褒めてあげなくちゃ……ね(笑)

実際、ホントに映画の話が現実なら、多くの候補者の中から
比較的簡単に理想の相手を見つけられそうな気がしてくる。
まったく、いい時代になったモンだ。

けどね、日本の出会い系サイトでは現状、先のスパムメールを
見る限り、ロマンチックな内容など、ほとんど見つからない。
たいがいは、「欲求不満の人妻と即デキる」とか、
「逆援助交際希望~1回につき10万円払います」とか、
「登録女性と会ってやるだけで月収50万円稼げる」とか、
ホントかよ~!というような、セックスがらみ、お金がらみの
宣伝メールが大半。お金だけ取られて出会えないような、
金儲け目的のワンクリック詐欺的サイトもあるらしい。

もちろん、広告収入だけで運営している無料の出会い系サイトも
存在するが、それってホントに相手と会えるもんなのか、
経験者の人がいたら、真実を教えてほしいもんだ……
(でも、しつこいスパムメールはやめてネ)

出会い系サイトの数は当然、日本よりアメリカの方が多いようで
(ニコール・キッドマン主演の『バースデーガール』のように、
外国人専門みたいな出会い系サイトも多分存在するのだろう)、
『理想の恋人.com』でも、「多くのサイトに名前や年齢や趣味を
変えて複数登録するのが出会えるコツよ」と、初老のオバサンが
主人公のバツイチ女性(ダイアン・レイン)にノウハウを教える
シーンもある。犬を飼っていない主人公が「犬好き希望」の相手
と出会うことになるのも、そんな偽りの複数登録の産物だ。

ちなみに、この初老のオバサンは主人公の父親の愛人の一人で、
この父親(妻は死別している)役のクリストファー・プラマーが
また何人もの愛人を囲っていて、皆で一緒に会って楽しんでる。
そう、『サウンド・オブ・ミュージック』の善良なカタブツ親父
が、出会い系サイトで複数の愛人を漁ってる老人とはねえ……。
80年代、90年代と、ホントしばらく彼を見かけなかったけど、
ここ数年(『ドラキュリア』で久々に見て以来かな?)
またよく見かけるようになってきた。ごく最近では、
『ナショナル・トレジャー』でもニコラス・ケイジの
祖父役で出てたし、端役でも結構、印象に残っている。

今回の役も、約束した相手が娘のダイアン・レインとは知らず、
待ち合わせ場所で親子が「ご対面~」ってなことになっても、
まったく悪びれる様子もなく、娘を叱るでもなく、
おおらかそのもの。日本じゃ考えられない。
また娘も娘で、大して驚きもせず、ちょっと呆れる程度!

まあ、いい大人同士なんだから、いいんだか、悪いんだか、
もうよくわからなくなってきてしまうが、「秘密の交際」
を希望するような人妻が多いように見受けられる日本の
出会い系サイトとは、基本的にエラい違いだ。
そんなシチュエーションではドラマにもならないのか、
実は予告編を見て期待してたシーンだったのに、あまりに
アッサリとそのシーンが過ぎてしまい、しばし呆然…(笑)。

さらに、離婚したての主人公を出会い系サイトに勝手に登録して
しまうのが実の姉で、家族ぐるみで出会い系サイトを活用し、
楽しんでいる。離婚率が日本の数倍(?)という米国ならでは
の話とも言えるけど、ある意味、とっても羨ましい家族像だ。

映画全体のトーンもそんな感じで実に微笑ましく、厭味がない。
そんな日本の現実とは程遠い大人向けファンタジーとも言える
内容を素直に受け入れられるかどうかで、この映画の好き嫌い
が分かれるんだろうな、と思う。自分は当然「好き」の方だ。

もう一つ、お姉さん役で出てくるエリザベス・パーキンスも、
あんまり注目されることは少ないけど、結構、好きなんだよね。

何が好きかって、やっぱり最初の出会い『ビッグ』の印象かな。
実は子供のトム・ハンクスと恋に落ちるキャリアウーマン役で、
最後に子供に変わっていくトム・ハンクスを見送る彼女は、
とっても良かった。『ビッグ』には、そんな名シーンが多い。
オモチャ屋の社長と足でピアノを弾く有名なシーンはもちろん、
親友と遊んでいる時のトム・ハンクスの子供の演技や、
最高に笑えるテニスのシーンなど、全部大好き!
(総合評価★★★★★!)



20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
ビッグ
間違いなくトム・ハンクスの代表作だよね。
その相手役がエリザベス・パーキンスだった。

主演のジョン・キューザックについては、もうかなり長くなって
しまったので、また今度の機会にね……
でも、やっぱり一つだけ追記(笑)。

離婚して落ち込んでいる彼が引きこもって、繰り返し見ているのが
『ドクトル・ジバゴ』。その主題曲が流れるたびに間抜けな雰囲気
で笑えた。ちょうど『サウンド・オブ・ミュージック』とほぼ同じ
年代に全米で公開され、スーパーヒットした文芸ロマンス大作で、
日本での知名度とは格段の差があるってことだけ理解しとこう。
サンドラ・ブロック主演の『デンジャラス・ビューティー』でも、
彼女が芸でグラスをこすって演奏するのが『ドクトル・ジバゴ』
の主題曲だった。「ラーラのテーマ」というモーリス・ジャール
絶頂期のヒット曲で、歌がないにも関わらず、ビルボードの全米
アルバムチャートで驚異的なロングヒットを記録している。
ご参考まで。



サントラ, MGMスタジオ・オーケストラ・アンド・コーラス, モーリス・ジャール, MGMスタジオ・コーラス
ドクトル・ジバゴ

ただし、個人的には総合評価★★★ぐらい。
ロシア人医師の主人公が、英語を喋るエジプト人
(オマー・シャリフ)っていうのもね……。
アメリカ人が好きそうでしょ?
いかにもエキゾチックで。



ワーナー・ホーム・ビデオ
ドクトル・ジバゴ 特別版
must love dogs diane今さら若ぶってもバレてると思うので告白してしまうが、
実はダイアン・レインと同い年だ。
デビュー作『リトル・ロマンス』(1979年/ジョージ・ロイ・ヒル監督)
が大好きで、当時からリアルタイムで見ているせいか、
ダイアン・レインには等身大的な思い入れがある。

天才子役と呼ばれた彼女が、当然いつまでも『リトル・ロマンス』
の清楚で知的な少女でいられるはずがない……

とは思いつつも、18歳になるやいなや
『アウトサイダー』で組んだコッポラ監督の作品で立て続けに
脱いでいるのを目の当たりにした時は、結構ショックだった。

『ランブル・フィッシュ』(1983年)は、まだ許せた。
それは当時まだ有名になる前のミッキー・ロークがカッコいいなあ、
とか、モノクロの映像とか、別の視点で見ることができたからだ。
(総合評価★★★/ただし、マット・ディロンは許せんかったけど
……笑)。



パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン
ランブルフィッシュ

ところが、その次に見た『コットンクラブ』(1984年)では、
あろうことか、ストリッパー役。
しかも、共演は目つきがイヤらしいこと、
このうえないリチャード・ギア、ときた!
さらに、脳天直撃だったのは、彼女のインタビュー記事。
「ベッドシーンの撮影ではスタッフからは見られないようにシーツに
くるまってたけど、リチャード・ギアには丸見えで恥ずかしかった」

みたいなことが書いてあって、もう立ち直れなかった……
なんで天才子役がそこまで……だから、リチャード・ギアの
イメージはいまだによくない。今でも好きになれない(笑)。
唯一の救いは、乳首に飾りが付いてて、完全には
見えなかったこと(オールヌードではなかった……はず)。
その割には、「随分と胸が大きくなったもんだなあ」
などと密かに感慨もひとしおだったりして……
(総合評価★★★)



ハピネット・ピクチャーズ
コットンクラブ

そんなわけで、その後に見た『愛は危険な香り』(1987年)
では、もう、どうでもよくなってた。
こんな駄作で、突然ソフトフォーカスになって乳首を見せて
微笑んでいる彼女は、ニセ者かと思った(総合評価★★、
そのうち★一つは彼女の予想外に大きかった胸に……)。

もう脱がなきゃいられないソフィー・マルソーの如く、
知的清純派天才子役のヌードは当たり前になっていた。

そのせいか、20代半ばにして、彼女のキャリアは絶不調……
に見えた。若い肉体を晒して売れる年齢から、大人の女優へ
……その変遷が、どうにもうまく運ばなかった感じがする。

久々に見たシルベスタ・スタローン主演の『ジャッジ・ドレッド』
(1995年/総合評価★)は超駄作だったし、
コッポラ監督作『ジャック』(1996年/総合評価★★★)では
母親役に、『ホワイトハウスの陰謀』(1997年/総合評価★★★)
ではアクション映画に挑んで、どちらもそこそこいい出来だった
けど、どちらもあんまり話題にならなかった。
それでも、それなりに彼女を見続けていた。




ブエナビスタ・ホームエンターテイメント
ジャック

久々の大ヒット作『パーフェクト・ストーム』
(2000年/総合評価★★)も残念ながら駄作で、
話題作の割には地味な妻の役だった……
彼女のファンじゃなきゃ記憶に残ってないんじゃないかな。

『グラスハウス』(2001年/総合評価★★★)も、
そんな薄い印象しかない。この時、彼女は30代半ば。
主演のリリー・ソビエスキーの引き立て役(母親役だったっけ?)
として、完全に脇役の女優になってしまった感じだった。

彼女が久々にフッ切れて話題作の主演にカムバックしたのは、
中年の不倫セックスに体当たりで挑んだ『運命の女』
(2002年/エイドリアン・ライン監督)だろう。
皮肉なことに、共演は憎きリチャード・ギア!(笑)。
ところが、リチャード・ギアは情けない夫で、気が抜けた。
実際、あんまり面白い映画じゃなかった(総合評価★★)
けど、彼女の主演作が話題になったこと自体、嬉しかった。



20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
運命の女 特別篇


さらに話題となった前作『トスカーナの休日』(2003年)は、
まさに等身大の彼女が蘇ってきたようで、嬉しかった。
もう、すっかり中年。顔には小シワが目立ってきた。
けれど、初めて『リトル・ロマンス』を彷彿とさせる
イタリアが舞台の主演作で「全米でロングヒットを記録」
とは、嬉しい限り!
ツメの甘いコメディと言われようが、充分楽しめた。
監督のオードリー・ウェルズは、ブルース・ウィリス主演の
『キッド』や、ユマ・サーマン主演の『好きと言えなくて』や、
米国版『シャル・ウィ・ダンス?』の脚本家。
そんな甘い映画が嫌いな人に共感を求めてもムダでしょうが、
エンディングも素敵じゃなかったですか?
(総合評価★★★)



ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
トスカーナの休日

そして、ついに彼女が看板女優に復活する作品が登場!
共演のジョン・キューザックを2番目に押しやる最新作
『理想の恋人.com』(総合評価★★★)は、全米でも
スマッシュヒットとなる中年のロマンチックコメディで
現在公開中。今回は脱がないけど、ドタバタのセックス
(コンドームがなくて途中でコンビニへ……)で見事に
笑わせてくれる。詳しくは長くなったので、また次回。

ちなみに、やっぱり一番好きなのは『リトル・ロマンス』
ですね、いまだに……。ローレンス・オリヴィエも良かったし、
ジョルジュ・ドルリューの音楽も泣けた(総合評価★★★★)。

いつかベニスに行ける日まで、ディズニー・シーのゴンドラで
我慢しとこっ!



ワーナー・ホーム・ビデオ
リトル・ロマンス

頭文字D

「韓流」の次は、「華流」ブームが来るらしい。
そんな「華流」イケメンスターを揃えた話題作が、
9月17日に公開された『頭文字〔イニシャル〕D』だ。

ご存じの通り、原作は日本の人気コミック……なんだけど、
日本よりも台湾や香港での人気の方が高いらしい。
それで、日本で映画化されなかったのかな?
実際、この映画、アジア各国で大ヒットしたらしく、
日本で映画化してたら間違いなく、こんなに売れなかっただろうな
と思う。

要は、最初から香港や台湾のマーケットをメインに考えて、
成功したのだ。それが日本にも波及すると踏んだのだろう。
製作者側の目論見は見事に当たった。

日本のマーケットはアジア最大(世界でも2~3番目)であるにも関わらず、
「アジア映画の潮流は、香港や台湾や韓国からやって来る」
という、なんとも情けない状況になってきた。

いつまでも木製の板でカチンコ叩いてるから、
こんなことになるんだ!

これは危機的な状況だ。
カチンコなんて関係ないアニメだけは、
かろうじて日本の市場の優位性を生かしているけど、
実写映画はもうメロメロだ。国際化の波に完全に乗り遅れている。
『NANA』の予想以上の大ヒットには驚いたけど、
もともと、この作品もコミックだしねえ……。
『タッチ』は1シーン見ただけで古臭そうなニオイがプンプン、
それだけで見る気を失せさせるのに充分だったし……。

ちなみに、『頭文字〔イニシャル〕D』の作品の出来ばえ、
話題性に関しては文句なく及第点だ。細かい文句はあるけど。

そのことに関しては、オネ富士子さんがバッチリ書いていたので、
あれを読んだら、ほとんど書くことがもうなくなった(笑)……
きっと、トラックバックしてくれるでしょうから、
そちらをぜひ読んで下さい(……なんていい加減なブログだ!)

つまり、それぐらい見事な紹介文だってことです。
監督が傑作『インファナル・アフェア』のアンドリュー・ラウ
&アラン・マックだってこと、
同作で警察の上司役だったソース顔のアンソニー・ウォンが
酔っぱらいオヤジの役でいい味を出してるってこと、
『インファナル・アフェア』シリーズで主人公二人の若い頃を演じた
エディソン・チャンとショーン・ユウが揃って出てるってこと、
そんな華流スターの競演が日本人役なのに違和感ないってこと、
そして日本でのオールロケが迫力満点だってこと、
……などなど、ほとんど過不足なく同感です。

一つだけ付け加えるなら、主役の藤原豆腐店の息子・拓海を演じる
ジェイ・チョウが台湾では最も高い年収(10億円?)を稼ぐ
超人気スーパースターだってこと、そして本業が歌手だってこと。

そんな人気スターとは知らず、映画を見ている間は
冴えない稲垣吾郎をさらに暗くした出来損ないの新人、
ぐらいにしか思えなかった……オレの目はフシ穴だ!


以下、ちょっとだけネタバレするので注意!

終わり方がね……ちょっと気になった。
いかにも続編ができそうな終わり方だってことはいいとして、
最後に流れる悲しげな音楽、これは多くの日本人監督と同じ趣味。
なんで最後に、そんな湿らせなきゃいけないわけ?
スリリングなカーアクションの勢いそのまま、
突っ走ってほしかった。
たとえ悲恋話が最後に控えていたにせよ、
エンディングは痛快に締めてほしかったなあ……ちょっと残念。
総合評価★★★

きっと、また面白い続編ができることでしょう。
次は鈴木杏以外の日本人キャストがどこまで食い込めるか、
要注目です。



ポニーキャニオン
インファナル・アフェア



ポニーキャニオン
インファナル・アフェア II 無間序曲



ポニーキャニオン
インファナル・アフェア III 終極無間



ポニーキャニオン
インファナル・アフェア トリロジーBOX
韓流イケメン四天王の一人として今や大人気の
イ・ビョンホンがブレイクしたヒット作『JSA』、
その彼の次の主演作が『バンジージャンプする』(2001年)
なのだが、日本公開は今年2005年の3月。
ちょうど、共演者のイ・ウンジュが自殺したニュースの後に
公開されたため、もっと話題になるかと思っていたけど、
そうでもなかった。

イ・ウンジュには可哀相だけど、
韓流ブームがなかったら、きっと公開されなかったんだろう。

だって、『バンジージャンプする』って、そんなに面白い?
正直、見ていて恥ずかしくなる純愛ものだった。

韓国映画の人気の秘密は、「純愛+エンターテイメント性」
にあると言っていいと思うのだが、これはちょっとねえ、
ここ数年で急速に変わっていった韓国映画が
変わる前のまだ少し古いタイプの純愛ドラマなのかな
っていう気がする。

物語は前半、80年代が舞台なので、
それで古めかしい感じがするのかもしれないけれど、
あの学生時代の、まさに「連れ込み宿」のシーンとか、
なんだか恥ずかしくて見ていられなかったなあ。
(総合評価★★)


ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
バンジージャンプする

公開時期がイ・ウンジュの追悼になっていたこともあり、
それもこれも含めて、なんだか悲しいものがあった。

どうやら不倫をテーマにした彼女の主演最新作
『スカーレットレター』(2004年)の大胆なヌードシーンが
自殺の引き金となったらしい、という話も余計悲しくさせる。




アミューズソフトエンタテインメント
スカーレットレター



ハピネット・ピクチャーズ
スカーレット・レター
95年にデミ・ムーアとゲイリー・オールドマン主演でリメイク
された『スカーレット・レター』(何度か映画化されている)は、
そんなに過激な印象もなく、不倫が絞首刑に値する時代の
古めかしい話だったという印象しかないんだけど、
韓国版『スカーレットレター』は話が現代に置き換えられて
いるらしく、「そんなに過激なのか」と見ようと思っていたら、
いつの間にか公開されていたようで、
ビデオ発売を待つしかない。が、こちらも結局その程度で、
決して話題になったとは言い難い。
イ・ウンジュはつくづくツイてない、というか、ホント悲しい。

そんなわけで、彼女には冷たいイメージがあるが、
今思うと彼女の主演作『永遠の片想い』は
楽しそうだったなあ。
あれを見たら、また泣けるに違いない。
見るなら、絶対こっちがオススメ。

イ・ビョンホンも最近は垢抜けてきたけど、純な感じの頃の
彼が見たいなら、思い切って『パンジージャンプ』してみたら?


しかし、それにしても韓国では
イ(李)さんとキム(金)さんが本当に多い。
いわゆる苗字は、韓国では結構少ないらしく、
イさんとキムさんばかりのクラスもある、
なんて話も聞いたことがある。

そんなわけで同姓同名の人も、あんまり珍しくないらしいが、
『子猫をお願い』(2001年)にもイ・ウンジュの名前があったので、
てっきりスラッとした仲間うちの一人が彼女だと思っていたら、
どうやら別人みたい。正直、数年前に見ただけなので、
こちらのイ・ウンジュさんの顔は、あんまり記憶にない。
っていうか、退屈で寝てしまったんだよねえ…。

仁川の町を舞台に十代の女の子仲間の生活とその後
を描いた作品『子猫をお願い』も、公開当初は結構、
絶賛されていたように記憶してるんだけど、この映画も
「そんなに面白かった?」と、逆に皆さんにお聞きしたい。
(総合評価★★)



ポニーキャニオン
子猫をお願い

というわけで、韓国映画もいろいろ。
特に2001年頃ぐらいまでの韓国映画には従来タイプというか、
日本の映画のような古い臭いがして、ハズレとなるこも多い。
最近のハリウッド的なノリの映画が好きでない人にとっては、
そういう方がいいのかも知れないけど。

とりあえず、韓国映画の話は、このへんで一旦休止です。
(新作が溜まりに溜まっちゃってるんだよねえ…)