Mon, September 26, 2005
posted by eigazanmai
『猟奇的な彼女』こそ韓国映画の最高傑作だ、と勝手に思っています!
テーマ:Dead Movie
『僕の彼女を紹介します』の大ヒットの最大の要因は、
言うまでもなく『猟奇的な彼女』(2002年12月日本公開)
の存在なしには考えられない。
同じクァク・ジョエン監督脚本、チョン・ジヒョン主演のコンビによる
前作のビデオも見ず(またはその評判もまったく知らず)に、
今回初めて『僕の彼女を紹介します』を見たという人は
少ないのではないだろうか。
今や、レンタル等のビデオ(DVD)で映画を見る人の数は、
劇場で見ている人の数倍、下手をするとそれ以上。つまり、
それだけビデオ(DVD)の評判が、劇場興行に対して
多大な影響力を及ぼすようになってきたってこと。
このことは、考えるまでもなく、誰の目にも明らかだ。
それを最初に実感したのは、『ダイ・ハード』(1988年)シリーズだった。
この映画を見た友達の評判が良かったので、とりあえずという感じで、
実はあまり期待しないで見に行った。平日の夜、最終回だったが、
横浜駅西口のムービルの500人以上は確実に収容できる規模の
劇場に、観客は数人(ガラガラ)だった!!!!
いくら何でも、平日の昼間でさえ、この規模の劇場で、
そんなに観客が少ないことは今まで一度も見たことがなかった。
それほど、この映画は全然売れなかった、という印象が強い。
にも関わらず、見た人の評判は皆、口を揃えて「おんもしれ~」
というものだった。
映画を見終わって、ムービルの人気のない駐車場(ビルの5階か6階)で、
一緒に見た彼女とゾクゾクしながら車に入ったのを憶えている。
「こんなに面白いとは思わなかった…」
当然、ブルース・ウィリスのことなど当時は知らない人の方が多く、
私にとっては「アンダー・ザ・ボードウォーク」を汗ビチョで歌っていた
汗臭いレトロ趣味のあんちゃん、というイメージしかなかったし、
この映画で日本での人気に火がついたというのは大間違いだ。
そんなのは知らない奴が後で勝手に都合よく作ったヨタ話だ。
実際、当時まったく彼の知名度は上がったとは思えなかった。
が、私はこの映画のことをみんなに喋った。
「面白かったよ、久々に興奮したよ」
当時はバブルの絶頂期に近かった。それで、物語の舞台が
米国に進出した日本の大手企業のビルというのもツボにハマった。
スネイプ教授もこの映画が初見参だった。最高の悪役だった。
映画の最後のヤマ場、ブルース・ウィリスとの緊迫した対決シーンで、
「グレース・ケリーと二人で夕陽に去って行くジョン・ウェインのつもりか?」
というスネイプ教授に、ブルース・ウィリスが
「それを言うならジョン・ウェインじゃない。ゲーリー・クーパーだ」
という映画愛へのコダワリのセリフは、もう最大級のツボにハマった。
ついでに言うなら、これは『真昼の決闘』(1952年)の話なので、
決闘シーンは正午。夕陽も出てこない。ブルース・ウィリスには
そこまでツッコンでほしかったが、「そんなことはどうだっていい!!」
と、すでにスネイプ教授をめちゃめちゃイライラさせていたので、
もうこれだけでも充分だった。ここで勝負アリ!!
そして、最後はシナトラのクリスマス・ソングですよ。
公開は年明けの1月か2月だったのに、
またクリスマスが来たみたいに、もう最高だった!!
(総合評価★★★★★=このブログでは2度目の満点映画です)

20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
ダイ・ハード
まあ、たいがい皆さん見てるでしょうから、説明不要ですよね。
ビデオが発売されて次第に、この映画のオモシロさが広まった。
事実、『ダイ・ハード2』(1990年)が公開される頃には、
まるで大ヒット作の続編が公開されるかのような大騒ぎで、
同じ横浜駅西口の劇場での先行オールナイトには長蛇の列ができ、
1回では劇場に人が入りきらず、自分も2回目の上映で夜中に見た。
この頃、やっとブルース・ウィリスもポカリスエットのCM
に出るようになり、急速に知名度が上がった。
それがリアルタイム体験における真実だ。
本題に戻ろう。つまり、90年頃から明らかに映画の観客動員に、
一つの流れが加わったのだ。それが、ビデオの(評判の)影響力だ。
『ターミネーター2』(1991年)の大ヒットでも、似たような現象が起こった。
『ターミネーター』(1984年)は、知ってはいたけど劇場で見ていない。
全然、話題になっていなかったからだ。物語の中身も知らず、
特に知りたいとも思わなかった。だから、最初に見たのは、
ラブホテルでのビデオだった。たまたま、何気なく見始めて、
途中からはセックスそっちのけで、そのオモシロさに大興奮した。
ビデオやテレビ放映で、『ターミネーター』のオモシロさは
有名になったといっても過言ではない。
ただし、『ターミネーター2』公開時は、すでにシュワちゃんは
トップスターだった。この頃が間違いなく彼のキャリアのピークだ。
従って、チョン・ジヒョンの場合は、どちらかというと、
前者(『ダイ・ハード』のブルース・ウィリス)の現象に近い。
実際、チョン・ジヒョンの日本での知名度はまだまだで、
「あのコ、かわいいよね、名前は忘れたけど…」
なんて、ブログの書き込みをいまだによく目にする。
『猟奇的な彼女』は韓国で2001年公開当時、韓国の歴代4位
という大ヒットを記録し、すぐにスピルバーグが映画化権を
買い取ったことから日本でもそこそこ話題にはなっていたが、
まあ単館系レベルの人気ではあった。
しかし、チョン・ジヒョンが韓国で一躍人気スターとなり、
韓国で唯一、CMで破格のギャラ(1億円)を受け取るほどの
女優だという評判は、『猟奇的な彼女』のビデオ発売と共に
次第に醸造され、特にレンタルビデオのハードユーザーや
情報に敏感な若い層には急速にその評判が広まったのだろう
と容易に想像がつく。だから、『僕の彼女を紹介します』が
若い層を中心に大ヒットしたのも、至極当然の結果なのだ。
ヨン様の『四月の雪』のヒットとは、年代層だけでなく構造的に少し違う。

アミューズソフトエンタテインメント
猟奇的な彼女 ディレクターズ・カット特別版
実際、『猟奇的な彼女』は韓国映画の最高傑作といえるほど、
日本映画における『七人の侍』の存在と同じように後世に残るだろう
と思われるほど、それぐらい面白い……多分、ホメ過ぎです。
でも、最高傑作と呼んだ限りは、総合評価★★★★★です。
もちろん、バカバカしいほど極端な主人公の彼女
(チョン・ジヒョン)のキャラと物語を非難する論調も、
いくつか読んで知っているけれど、その非道徳的キャラは
数年前、『桑の実』でタブーを破った女性を経て、
そして『シュリ』で弾けた全体国家主義的なアクションを
さらに凌駕し、急速に個人の想いを重視する
(成熟社会への発展における必然的現象)
社会へと韓国が変遷したことの象徴として、
今の韓国の社会的トレンドの最も現実に則した部分を
捉えていたからこそ、この映画は
儒教社会のかつて最も色濃かった韓国で、
こんなに受け入れられたのだと思う。
事実、この映画の原作は、現代人の本音が詰まっている
インターネットの掲示板に書き込まれた体験がストーリーの基になっている。
そのドタバタに近い笑いと後半の涙、
そして見終わった後の清々しい印象は、
見事に次のコンビ作となる『僕の彼女を紹介します』に引き継がれている。
また、もう一本、『猟奇的な彼女』で
情けない男の方の主人公を演じていたチャ・テヒョン主演作
『永遠の片想い』(2003年)にも引き継がれている。
この3本が、今のところ最も好きな韓国映画だ。
韓国が極めて前向きな社会になっていることを、
この3本が象徴しているような気もする。そのせいか、
どこか似ている部分が多く(旅行に行く展開など)、
どの場面がどの映画だか、ゴッチャになってるかもしれないので、
細かいことは書かないでおこう(笑)。
ただ一つ、ハッキリ言えるのは、
この3本のオモシロさの絶妙なバランス感覚こそ、
今の日本映画に最も欠けている点であり、
それがハリウッド的なオモシロさの根源でもある
「観客おもてなしの演出力」の差だ、ということだろう。
ある意味、『猟奇的な彼女』は日本映画が今、
最も身近にあって学ぶべき内容が詰まっている作品、
ということができるのではないだろうか。
(まだまだ次回に続く)次回の記事、チャ・テヒョン主演『永遠の片想い』は、こちらから!
言うまでもなく『猟奇的な彼女』(2002年12月日本公開)
の存在なしには考えられない。
同じクァク・ジョエン監督脚本、チョン・ジヒョン主演のコンビによる
前作のビデオも見ず(またはその評判もまったく知らず)に、
今回初めて『僕の彼女を紹介します』を見たという人は
少ないのではないだろうか。
今や、レンタル等のビデオ(DVD)で映画を見る人の数は、
劇場で見ている人の数倍、下手をするとそれ以上。つまり、
それだけビデオ(DVD)の評判が、劇場興行に対して
多大な影響力を及ぼすようになってきたってこと。
このことは、考えるまでもなく、誰の目にも明らかだ。
それを最初に実感したのは、『ダイ・ハード』(1988年)シリーズだった。
この映画を見た友達の評判が良かったので、とりあえずという感じで、
実はあまり期待しないで見に行った。平日の夜、最終回だったが、
横浜駅西口のムービルの500人以上は確実に収容できる規模の
劇場に、観客は数人(ガラガラ)だった!!!!
いくら何でも、平日の昼間でさえ、この規模の劇場で、
そんなに観客が少ないことは今まで一度も見たことがなかった。
それほど、この映画は全然売れなかった、という印象が強い。
にも関わらず、見た人の評判は皆、口を揃えて「おんもしれ~」
というものだった。
映画を見終わって、ムービルの人気のない駐車場(ビルの5階か6階)で、
一緒に見た彼女とゾクゾクしながら車に入ったのを憶えている。
「こんなに面白いとは思わなかった…」
当然、ブルース・ウィリスのことなど当時は知らない人の方が多く、
私にとっては「アンダー・ザ・ボードウォーク」を汗ビチョで歌っていた
汗臭いレトロ趣味のあんちゃん、というイメージしかなかったし、
この映画で日本での人気に火がついたというのは大間違いだ。
そんなのは知らない奴が後で勝手に都合よく作ったヨタ話だ。
実際、当時まったく彼の知名度は上がったとは思えなかった。
が、私はこの映画のことをみんなに喋った。
「面白かったよ、久々に興奮したよ」
当時はバブルの絶頂期に近かった。それで、物語の舞台が
米国に進出した日本の大手企業のビルというのもツボにハマった。
スネイプ教授もこの映画が初見参だった。最高の悪役だった。
映画の最後のヤマ場、ブルース・ウィリスとの緊迫した対決シーンで、
「グレース・ケリーと二人で夕陽に去って行くジョン・ウェインのつもりか?」
というスネイプ教授に、ブルース・ウィリスが
「それを言うならジョン・ウェインじゃない。ゲーリー・クーパーだ」
という映画愛へのコダワリのセリフは、もう最大級のツボにハマった。
ついでに言うなら、これは『真昼の決闘』(1952年)の話なので、
決闘シーンは正午。夕陽も出てこない。ブルース・ウィリスには
そこまでツッコンでほしかったが、「そんなことはどうだっていい!!」
と、すでにスネイプ教授をめちゃめちゃイライラさせていたので、
もうこれだけでも充分だった。ここで勝負アリ!!
そして、最後はシナトラのクリスマス・ソングですよ。
公開は年明けの1月か2月だったのに、
またクリスマスが来たみたいに、もう最高だった!!
(総合評価★★★★★=このブログでは2度目の満点映画です)

20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
ダイ・ハード
まあ、たいがい皆さん見てるでしょうから、説明不要ですよね。
ビデオが発売されて次第に、この映画のオモシロさが広まった。
事実、『ダイ・ハード2』(1990年)が公開される頃には、
まるで大ヒット作の続編が公開されるかのような大騒ぎで、
同じ横浜駅西口の劇場での先行オールナイトには長蛇の列ができ、
1回では劇場に人が入りきらず、自分も2回目の上映で夜中に見た。
この頃、やっとブルース・ウィリスもポカリスエットのCM
に出るようになり、急速に知名度が上がった。
それがリアルタイム体験における真実だ。
本題に戻ろう。つまり、90年頃から明らかに映画の観客動員に、
一つの流れが加わったのだ。それが、ビデオの(評判の)影響力だ。
『ターミネーター2』(1991年)の大ヒットでも、似たような現象が起こった。
『ターミネーター』(1984年)は、知ってはいたけど劇場で見ていない。
全然、話題になっていなかったからだ。物語の中身も知らず、
特に知りたいとも思わなかった。だから、最初に見たのは、
ラブホテルでのビデオだった。たまたま、何気なく見始めて、
途中からはセックスそっちのけで、そのオモシロさに大興奮した。
ビデオやテレビ放映で、『ターミネーター』のオモシロさは
有名になったといっても過言ではない。
ただし、『ターミネーター2』公開時は、すでにシュワちゃんは
トップスターだった。この頃が間違いなく彼のキャリアのピークだ。
従って、チョン・ジヒョンの場合は、どちらかというと、
前者(『ダイ・ハード』のブルース・ウィリス)の現象に近い。
実際、チョン・ジヒョンの日本での知名度はまだまだで、
「あのコ、かわいいよね、名前は忘れたけど…」
なんて、ブログの書き込みをいまだによく目にする。
『猟奇的な彼女』は韓国で2001年公開当時、韓国の歴代4位
という大ヒットを記録し、すぐにスピルバーグが映画化権を
買い取ったことから日本でもそこそこ話題にはなっていたが、
まあ単館系レベルの人気ではあった。
しかし、チョン・ジヒョンが韓国で一躍人気スターとなり、
韓国で唯一、CMで破格のギャラ(1億円)を受け取るほどの
女優だという評判は、『猟奇的な彼女』のビデオ発売と共に
次第に醸造され、特にレンタルビデオのハードユーザーや
情報に敏感な若い層には急速にその評判が広まったのだろう
と容易に想像がつく。だから、『僕の彼女を紹介します』が
若い層を中心に大ヒットしたのも、至極当然の結果なのだ。
ヨン様の『四月の雪』のヒットとは、年代層だけでなく構造的に少し違う。

アミューズソフトエンタテインメント
猟奇的な彼女 ディレクターズ・カット特別版
実際、『猟奇的な彼女』は韓国映画の最高傑作といえるほど、
日本映画における『七人の侍』の存在と同じように後世に残るだろう
と思われるほど、それぐらい面白い……多分、ホメ過ぎです。
でも、最高傑作と呼んだ限りは、総合評価★★★★★です。
もちろん、バカバカしいほど極端な主人公の彼女
(チョン・ジヒョン)のキャラと物語を非難する論調も、
いくつか読んで知っているけれど、その非道徳的キャラは
数年前、『桑の実』でタブーを破った女性を経て、
そして『シュリ』で弾けた全体国家主義的なアクションを
さらに凌駕し、急速に個人の想いを重視する
(成熟社会への発展における必然的現象)
社会へと韓国が変遷したことの象徴として、
今の韓国の社会的トレンドの最も現実に則した部分を
捉えていたからこそ、この映画は
儒教社会のかつて最も色濃かった韓国で、
こんなに受け入れられたのだと思う。
事実、この映画の原作は、現代人の本音が詰まっている
インターネットの掲示板に書き込まれた体験がストーリーの基になっている。
そのドタバタに近い笑いと後半の涙、
そして見終わった後の清々しい印象は、
見事に次のコンビ作となる『僕の彼女を紹介します』に引き継がれている。
また、もう一本、『猟奇的な彼女』で
情けない男の方の主人公を演じていたチャ・テヒョン主演作
『永遠の片想い』(2003年)にも引き継がれている。
この3本が、今のところ最も好きな韓国映画だ。
韓国が極めて前向きな社会になっていることを、
この3本が象徴しているような気もする。そのせいか、
どこか似ている部分が多く(旅行に行く展開など)、
どの場面がどの映画だか、ゴッチャになってるかもしれないので、
細かいことは書かないでおこう(笑)。
ただ一つ、ハッキリ言えるのは、
この3本のオモシロさの絶妙なバランス感覚こそ、
今の日本映画に最も欠けている点であり、
それがハリウッド的なオモシロさの根源でもある
「観客おもてなしの演出力」の差だ、ということだろう。
ある意味、『猟奇的な彼女』は日本映画が今、
最も身近にあって学ぶべき内容が詰まっている作品、
ということができるのではないだろうか。
(まだまだ次回に続く)次回の記事、チャ・テヒョン主演『永遠の片想い』は、こちらから!



















