魁!!クロマティ高校


アメリカではコミックの映画化が最近やたら多いが、
日本でも夏から秋にかけて5本ものコミックが
実写版で映画化されて公開ラッシュの様相だ。

本命『タッチ』と、対抗『NANA』は来月公開で未見だが、
あとの3本は見た。ただし、そのうちの一本『頭文字D』 は、
日本で映画化されたわけではなく、出演者もほとんどが
香港の俳優だったが、これが一番面白い!!
(詳細は今度そのうち……)

一番つまらなかったのが、劇場版『ナニワ金融道』で、
東京ではもう公開が終わっているみたい。地方では、
順次ロードショーなので、まだ見られるところもあるのかな?
(テレビのワイド劇場みたいなもんで、オススメしませんが……
総合評価★)

日本のコミックファン(特にアニメファン)は、マンガが実写になることに
あまり好意的ではない人も多いようだが、少年マガジンの人気連載
『魁!!クロマティ高校』も、実写版での映画化に文句言ってる人がいた。
「マンガで見せろ、実写じゃオモシロさが伝わらない!!」
……とか、なんとか。

自分はあまりコミック雑誌というものを好んで読むタイプではないので、
映画化されて初めて、「へえ、そんなマンガが人気だったんだ」
と、そこで知ることが結構ある。

現在、公開中の『魁!!クロマティ高校 THE★MOVIE』も、
元・巨人(読売ジャイアンツ)のクロマティ選手が、
まったく彼自身とは関係ない内容に公開中止を求め、
映画に「クロマティ選手とは一切関係ありません」という
クレジットを入れることで和解して公開されたということ以外、
なんだかよくわからずに見てしまったが、まさにナンセンス。

実にクダラない(ナンセンス映画の場合、これはホメ言葉です)
映画だ……こういう映画を褒めていいのか悩んでしまうが、
「日本人にしかわからないようなオモシロさ」
であることは間違いない。とりあえず、
不良が集まっている学園ドラマであることだけは確か。

バス停が「シピン」(これも元・巨人の選手)だったり、
いつもムキムキの上半身を露出して校内を闊歩している
伝説の留年生フレディ(渡辺裕之)は、どう見ても高校生じゃないし
(クイーンの音楽が流れなかったのがちょっと残念だったけど…)、
全編ギャグ(?)をつないだだけ、みたいなメチャクチャさ。

あまりにもミスマッチな阿藤快の登場も笑える。さらに、
学園を仕切っている番長はロボット(武田真治らしい)や、
明らかに着ぐるみのゴリラ(彼らは生徒なの?)だし、
乗り物酔いが激しく、それを悟られたくない裏番長が
プライドのリングでも有名な高山善廣。で、
彼らがどう絡むかというと、ちっとも絡んでこない。
突発的に出てきて個性を発揮するだけで、
ストーリーなんて、あってないようなもの。
みんなで逮捕されて牢屋に入った次のシーンでは、
何事もなかったかのように(何の説明もなく)、
また元の学園生活を再開している。

そうかと思うと突然、「スペクトルマン」のエンディングテーマ
♪宇宙猿人ゴリなのだ~
が、なんとフルコーラスで流れる。
一体、それに何の意味があるというのか??

幼い時にそれを見ていた自分は、「懐かし~い!!」
と、笑みがこぼれっぱなしだったが、
わからん人にはチンプンカンプンのシーンが延々と続く。
日本人ならみんな面白く見れるかというと、絶対違う。

ナンセンスな映画って、結構センスが問われるもの。
そういう笑いは個人差があって一番、難しい。
ワケわからん人には、ちっとも面白くないだろうし、
外国人には絶対、理解不能だろうと思う。

とは言っても、自分だけがわかる、と優越感に浸れるような
趣味のいいレベルの笑いでもない。誰にでもわかる低俗さ、
でもない。その人のツボにハマるかどうかの問題。
見てみなきゃ何とも言えない。そういうギャグの世界。
原作とも、このセンスはちょっと違うらしい。
でも、マンガのタッチを見る限り、
アニメだったら見る気がまったく起きなかったと思う。
ナンセンスものは、実写で正解。
アニメじゃ当たり前だからね。

個人的には楽しめた。でも、それだけ。
万人にオススメできるような映画じゃない。
総合評価★★★

甘いかな?……でも、
少なくとも豪華キャストのナンセンスコメディ
『ライフ・アクアティック』よりは、ずっと面白い。





野中 英次
魁!!クロマティ高校 (1)




魁!!クロマティ高校 8 限定版



野中 英次
魁!!クロマティ高校 14 (14)
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亡国のイージス
先日、オネ富士子さんから『亡国のイージス』について
次のようなコメントいただいた。

「あの映画にそれなりに満足されている方が意外に多い
ことにも、映画以上にショックだったりしました」

確かに、それは意外というか、ショックというか、
不思議というか……。
どこで、どう間違っても褒められた出来の映画じゃない。
何がそんなに良かったのか、本気で皆そう思っているのか、
「好評」な感想のブログ記事が比較的多かったことについて、
なぜそうなってしまったのか、ちょっと考えてみた。

もちろん、以下は仮説で、その複合的な理由の結果ではないか
と思われるが、その要因を挙げてみようと思う。


〔1〕アメリカ映画好きの人は、ハナっから興味がない?

……アメリカ映画、特に娯楽映画の王道を行くハリウッド作品が
好きな人にとって、『亡国のイージス』自体に興味がないとなる
と、当然、映画を見ていないので感想など書けない。見た人なら
数々のアクション映画と比較して、比較するのもおこがましい程
のレベルであることは一目瞭然なので、文句もたくさん出てくる
はずなのだが、ハナっから興味もなく、見ていなければ、文句の
つけようがない。悪評が多く出てこないのも、それなら納得だ。

〔2〕日本映画好きの人の意見が重なり流れができちゃった?

……自分の国が一番好きなのは、どこの国民も一緒。日本人が
「日本映画が一番好き」というのもわからないわけじゃない。
そういう人たちは映画に限らず日本人のドラマばかり見ていて
天下の趨勢がわかっていないため、相対的な評価ができない。
比較対象が日本映画中心であれば、当然、評価は甘くなる。
ただ、そんな人が多数派とは思えない。日本映画好きの特徴は
娯楽映画に対する評価が低く、CGを使いまくっているような
ハリウッド大作を親の敵みたいに非難し、日本映画を擁護する。
実際、そういう評論家を時々目にする。そんな人たちに限って
自分だけが芸術をわかっているみたいな自信家が多く、堂々と
日本人の感性と芸術性を最大評価する。こうした人たちの意見
が重なって、ある程度の数になると一つの評価の流れを作って
しまう。その可能性も強いのではないだろうか。

〔3〕日本映画にしては、という低次元な比較評価が誤解の元?

……もっとも多くの日本映画好きは、外国映画もよく見ていて、
天下の趨勢をわかっている人たちだ。そんな人たちの常套句が、
「日本映画にしては……」という書き方。実際、そういう感想が
『亡国のイージス』に関しても結構多くのブログで見られた。
「日本映画にしては、迫力があった」とか、「日本映画にしては
アクションシーンが良かった」とか、つまり、最初から比較対象
の出発点が低い所からの上乗せ評価だから、まるでとってもいい
映画だったみたいに語られ、誤解が誤解を生んで好評価が広がる
という現象が考えられる。相対的評価は比較対象が狭い場合に、
とんでもない誤解を招くことが往々にしてある。
よく見るパターンが、2億ドル近くも稼いだ大ヒット作をさらに
高いレベルのスーパーヒット作と比較して「興行的に失敗した」
と評してみたり、数千万ドル規模のヒット作を他の独立系小規模
公開の映画と比較して「大ヒットした」と、なんの注釈をつけず
に語ってしまうような書き方だ。当然、知らない人が見たら誤解
を招く。2億ドルと数千万ドル、どちらが興行的に稼いでいるか
は、数字を出せば説明するまでもないのだが、こうした書き方が
誤解の元になるケースは意外と少なくない。

〔4〕アメリカ映画以外は露出度の多い評論家に左右されやすい

……感想(個人の絶対評価)は当然、人それぞれでいいんだけど、
評論家が単なる感想を述べているだけではまったく価値がない。
相対的な評価も必要だ。にも関わらず、単なる感想を述べている
評論家とは言えないようなライターやコメンテーターが最近では
非常に増えている気がする。そんな状況で、比較的露出度の多い
コメンテーターが『亡国のイージス』を褒め、それを聞いて影響
された人が多数出てきてしまった、という可能性も考えられる。
アメリカ映画の場合は、そのパターンが難しい。なぜなら、全米
公開された時点で、ヤフーのムービーサイトなどで米国の評論家
や観客の評価をしっかり確認することができるからだ。そのため、
『宇宙戦争』のように情報統制された日米同時公開作品になると
感想が真っ二つに割れたりする。日本映画もそうした事前の指標
がないために、評論家の意見により左右されやすいという傾向が
強い。これを覆すような真っ向対立する意見で後から大きな流れ
を作るのは極めて困難な作業で、相当な意思とパワーと説得力が
必要になる。日本の評論家は一般人と比べ、日本映画好きの割合
が多いような気もするので、余計やっかいになる。

〔5〕ブログの性質が偏った意見を培養させてしまう

……ブログを始めて感じたことだが、真っ向対立する意見の人に
トラックバックは非常にしづらい。例えば、「とても感動した」
というブログに、「最悪だった」という意見をトラバしたりする
と、まるでケンカ売ってるみたいに思われる(小心者?)。逆に
「最悪だ」という感想に、「最高だ」という意見のトラバも気が
引ける。すると、必然的にコメントやトラックバックは近い感想
の人たちが集まり、偏った形で意見が純粋培養されてしまう。
となれば当然、アクセス数の多いブログの意見が多数派を占める
ことになり、より多くの人がそれを目にして、それに近い意見や
感想にしておいたほうがトラックバックしやすいな、と流される
人が多く出てきたとしても決して不思議じゃない。意外とそんな
ケースも多いんじゃないだろうか。
自分は決して人の感想に左右されない自信はある。それでも、皆
が「最高」と言ってるものに「最悪」と言ったり、逆に「最悪」
と皆が書いてるのを見て「最高だった」と書くのは、結構勇気が
いるもんだ。そういう意味では、『亡国のイージス』に満足して
いる人が意外と多くいるように見えても不思議ではないのかな、
と良心的かつ前向きに解釈したいと思う。

オネ富士子さん、こんなところで納得いただけましたでしょうか?

「亡国のイージス」評価記事
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ノロイ
こわかった。

しかも、あとをひくコワさ。文字打ってる時も背後が気になる、って経験ありますよね??

映像はドキュメンタリービデオ風で、すんごいシーンや画像があるってわけでもないのに、この怖さ。そもそも、これは「ドキュメントなの?」「ドキュメント風フィクションなの?」という部分が見終わって、わからなくなる。そういう話。

実際、映画の終わりに一切、スタッフ・キャストのクレジットがない。
何か支障があるから、とかいう話を聞いたけど、そういう映画は滅多にないはずだ。

もしかしたら、自宅のビデオで適当に流して見たら、そんなに怖くないのかもしれないかも、とか思いつつも、映画館の暗闇の中で一気に見せられ、一番後ろの席だったせいかな……背後が気になって仕方なかった。

物語自体は、よくある「ノロイ」の話で、説明してもその怖さは伝わらないと思うので、やめとく。ハッキリ言って、たいした話じゃない。ところが、こんなに怖くなるのは、実話だか、フィクションだか、わからなくなるからかな。どこまでホントで、どこまで作り事なのか、ホント、わからなくなる。

それって、『ブレアウィッチ・プロジェクト』と、おんなじ手法。
でも、明らかに『ブレアウィッチ・プロジェクト』はフィクション、とわかる点、
こちらの方がはるかに怖い。

ハッキリ言えるのは、日本のホラーが一番怖い。
日本人だから、そう思うのかな?

きっと、そうではないと思う。

日本映画が世界に誇れるレベルのジャンルが、ホラーとアニメだっていう意見は、ほぼ間違いないのではないだろうか。

プロデューサーの一瀬隆重さんは、『呪怨』『リング』『リング2』と、
ハリウッドでも成功している、ホラー専門(?)に近い製作者。
映画ファンドの本格的ビジネス化も模索している。
こういう人にホラー以外の娯楽映画を作ってほしい、
と切に思う。

総合評価★★★

理由?

怖くて、2度と通して見たくないから。

しかも、大した映像がなく、怖さ以外には楽しめない。
なおかつ、後味も悪い。いや~な感じが残る。

こわけりゃいいってもんじゃないけど、こんなにチープな映像で、おそらく超安上がりに作って怖く見せてしまうんだから、ある意味スゴイ映画と言っていいんじゃないだろうか。

8月20日より公開中。




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ザ・リング


『ノロイ』公式HP

『ノロイ』取材者・小林雅文公式ホームページ




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herbieリンジーが11歳の時のデビュー作『ファミリー・ゲーム/双子の天使』
(1999年/デニス・クエイド主演)も、実はディズニー映画だったが、
今や彼女はディズニーのドル箱スターだ。

7月末から劇場公開されているリンジー・ローハン主演最新作
『ハービー/機械じかけのキューピッド』(マイケル・キートン、
マット・ディロン共演)は、彼女の3本目のディズニー映画になる。
1969年から約10年にわたり4本製作されたディズニーの
『ラブ・バッグ』シリーズのリメイクだ。

廃車寸前のフォルクス・ワーゲン「ハービー」が、
落ちぶれたレーサーに救われ恩義を感じてガンバる
という感情をもった車の活躍を描いた、いかにも
ディズニー映画らしいノリのコメディで、つまり
リンジーの主演作は全部コメディってことになる。

というわけで、まさにこれがリンジーの決定打になる
作品となるのでは、と実は大いに期待していた。


結論から言うと、今回の新作はリンジー主演作のなかで
最もクダラない出来だ。決定打というには程遠い。
お子チャマ向けコメディ、それ以上でも以下でもない。

今回、一番問題なのは、肝心のティーンセレブ=
リンジー独特の純真な「毒気」がないこと。
あまりに「いい娘」なんだよねえ。

あくまで彼女には天真爛漫に毒づいていてほしかった。
それが彼女の天性のキャラの魅力だからだ。

ハービー自体のキャラも物足りなかったな。
取り立てて応援したくなるほど好きになれなかった。
キュートな新車に一目惚れして、「年齢を考えなさい」
と、リンジーに諭されるシーンは笑えたけどね。

ただし、リンジーは相変わらず元気でカワイイ。
彼女の一途な想いには、いつも目頭が熱くなる。

リンジーの主題歌「ファースト」もなかなかイケてる
(彼女のデビューアルバム『スピーク』の1曲目)。

さらに、ハービーが飛び跳ねて大活躍するシーンでは
ヴァン・ヘイレンの大ヒット曲「ジャンプ」、
マット・ディロンとのストリートレースシーンでは
ステッペンウルフの名曲「ワイルドで行こう」と、
王道というか定番的な選曲で盛り上げてくれる。
意外性は、ほとんどない。

逆に、話の内容は荒唐無稽そのもの。
リアリティなど求めちゃいけない映画だけど、
最後のレースシーンも荒唐無稽すぎる予定調和で
何のきらいもなく締めくくられるから、
ストーリー的に盛り上がるってほどでもない。

今回は厳しく、総合評価★★です。


一つ心配なのは、彼女の激ヤセ報道ぶり。
全米では『ハービー』はそこそこヒットしているものの、
ギャラの高騰と反比例して『フォーチュン・クッキー』
以降、徐々に興行成績が下り坂傾向にあるのも事実。

さらに、ほぼ同世代のスカーレット・ヨハンソンが
大人の女性の役柄で大活躍しているのを見て、

「自分にはシリアスな大人の役がこない」と、
ライバル心を剥き出しにして嘆いているそうだから、

(本当はないものネダリなんだけどね……実際、まだ
スカーレット・ヨハンソンはピンで集客できるような
リンジー並みのスターになっているとは言えない)

『ハービー』は大人になる前のムチムチした十代の
リンジーが見られる最後の映画になるかもしれない。

そういう意味では、見ておいて損はないかもネ。




リンジー・ローハン
スピーク(初回)

herbie2

今、劇場公開中の『ハービー/機械じかけのキューピッド』に主演
しているリンジー・ローハンには、ちょっとした思い入れがある。

実は今年3月、このブログで最初に紹介した新作映画が
リンジー主演の『ミーン・ガールズ』だったからだ。

いまだに、その古い記事にトラックバックをいただいたり、
ようやくここへきて、日本でも彼女の話題をよく目にする
ようになってきた(主にゴシップ系の話題だけど…)。

『ミーン・ガールズ』は、アメリカンスクールに転校してきた
女子高生の実体験を基にした、メチャ楽しいコメディだった。

リンジーが初めてピン(一枚看板)で大ヒットさせた映画で、
その後に発売されたデビューアルバム『スピーク』も大ヒット
したことから、彼女は全米で一躍ティーンセレブのトップに
祭り上げられている。ところが、日本での知名度はイマイチ。

これまで彼女の映画は、日本では一つも当たらなかったため、
2004年に全米公開された主演作『彼女は夢見るドラマ・クイーン』
に至っては、日本未公開のままビデオ・DVD化されてしまった。




ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
彼女は夢見るドラマ・クイーン


これ、見たけど、そんなに悪い出来じゃない。
全米でも、そこそこヒットして支持を得ているし、
相変わらず元気でティーンのこだわりがいっぱいの彼女が
女優を夢見て奮闘する、というハイスクールコメディで、
言ってみれば、リンジーの「定番」路線。

彼女が浮かれると、背景はお花畑に突然変貌、
「ドラマの世界の主役に自分がなっている」
といった類の映像でティーン女性の気持ちや
感性を表現し、随所で笑わせてくれる。

ただし、ディズニーの実写映画ならではのマイナス点もある。

彼女がブレイクした最大のヒット作『フォーチュン・クッキー』
(ジェイミー・リーカーティス共演で全米興収1億ドル突破)や
『ミーン・ガールズ』(これも1億ドル近く稼いだ)に比べると、
笑いや感動のツメがやや甘く、安心して見ていられるストーリー
展開も「お子チャマ向け」といった感は否めない。それでも、
彼女の得意気な笑顔を見ているだけで充分楽しめるから不思議。

すでに観客のツボを押さえる演技を確立しているんだよねえ…。

しかも『ミーン・ガールズ』ではほとんど封印されていた
歌唱力が、『彼女は夢見るドラマ・クイーン』では全開!
デビッド・ボウイの初期の名曲「チェンジズ」まで披露し、
映画のサントラCDも結構、楽しめそうだ。それに……

なぜか、この映画だけは胸もやたらデカくてビックリ。
リンジーのファンなら絶対必見!(総合評価★★★)

(最新作の話は次回に続く)




サントラ, リンジー・ローハン, シェリ, アトミック・キトゥン・フィーチャリング・クール&ザ・ギャング, シンプル・プラン, リリックス
彼女は夢見るドラマ・クイーン オリジナル・サウンドトラック


追伸……気づいたら10日間も更新してなくて、
すいませーん!!(笑)
お盆休みだったということで、ご勘弁を……。
長々と書いてたら、文字が全部消えてしまって余計、腹が立ってきた。
いったい、これは何の映画だ??

反戦映画? ……じゃないよね。

アクション映画? ……じゃ、チャチすぎる。

娯楽サスペンス巨編? ……笑わせるな。

観客をバカにしてんのか!! と言いたい。

すでに面白い娯楽アクション映画をたくさん見ている観客に対して、
これで満足させられると思ってるとしたら、救いようがない。

しかも、自衛隊の協力を得て、本物のイージス艦とかで撮影してるほど、
お金をかけた娯楽大作なんでしょ?

それなのに、爆発するイージス艦はプラモデルみたいにチャチで、
爆発の炎は明らかに合成とわかる継ぎ接ぎの映像。
一体どこに、お金をかけてるんですか?
30年以上前の円谷プロの怪獣特撮映画を見に来てるんじゃないんですよ。

それだけでも許せないのに、あのリアリティさのない悲壮感は何?

カンベンしてよ。そういう、ウザイ娯楽映画を十数年前は何本も見たけど、
まだ、そういうチャチな悲壮感を売り物にしたいわけ?
映画の内容よりも演じさせられてる役者たちがかわいそうに見える。

こんなにも熱くなれない、映画としてのリアリティさがない、
出来損ないの娯楽アクション大作、最近見たことない。

いや、一つあった。『ホワイトアウト』がそうだった。
今回もそこに出てる俳優が一人いたね、佐藤浩市さん!!
もちろん、あなたの責任ではないと思うけど。


原作はベストセラー。少なからず、読者の支持を得ている小説だ。
ということは、映画化した中身の責任者である監督と、
そんな人に監督をさせたプロデューサーがダメってこと。

「話はつけたから自衛隊と映画撮ってきて」と、自主製作やってる素人学生に10億円を渡してるようなもんでしょ。無駄遣いも甚だしい。
だいたい、これ見て「自衛隊に入りたい」なんて人がいると思う?
悪いけど、宣伝にもなってない。




福井 晴敏
亡国のイージス

公式ガイドを見てみると、阪本順治監督のプロフィールには、こう書いてある。
「映画は時代とともにある」という監督自身の集大成ともいうべき本作で、日本映画の歴史を塗り替える事間違いない………ふざけんな!!
時代の感性とは30年以上ズレてる。映像技術のチャチさも同様。
これは、最近30年以上にわたる日本の娯楽アクション大作のダメさ、
つまらなさ、地味さ、チャチさを集大成したような、
出来損ないの代表作として歴史に刻まれること間違いない、
と書き直してほしい。

宣伝も過ぎると、犯罪だよね。
詐欺罪が成立しないのは残念だけど…。

日本では、いまだに木製のカチンコをセコセコ叩いている一方、
海外ではデジタル表示の電器製品的カチンコをゆっくり叩いている、
そんな歴然とした映画づくりの差が、映像にモロに出てしまった感じだ。

もちろん、娯楽大作じゃなかったら、こんなに文句はなかった。
監督が「これは個人的な私の内面の話です」というスタンスなら、
ある程度は許せたかもしれない。そんな映画なら、みんなどうせ
見に行かないからいいけれど、申し訳ないが、この監督には
二度と娯楽大作は撮らせるべきじゃないと思う。
他の監督にお金が回らなくなるし、娯楽映画のレベルにも達していない。
おそらく、海外で娯楽映画製作の勉強をしてきた人に内側から変えてってもらわないと、いつまでたっても日本映画は家内制工業の域を出ないのではなかろうか。
自分たちの都合じゃなく、観客のことを考えているジャンルは、
日本ではホラーとアニメだけ、という気さえする。

にも関わらず、試写会で隣に一人で来ていたオバサンが号泣していた。

「サクラか?」と思ったよ。
しかも、涙を拭きながら関係者と話していたから、
多分、評論家なんだろうな。
そんな感性ズレまくりのオバサンの批評(宣伝)で、
数百人以上の人が無駄金を払わされているのかと思ったら、
本当に腹が立ってきた。

そういう詐欺罪的な評論家の名前はきちんと記憶して、
二度とダマされないようにチェックしてほしい。
もし、それが若い人なら、勉強不足の素人もいいとこだ。
サッサと転職してほしい。世の中の観客のために。


ここまで文句言った責任上、では、どうすれば面白くなったか、
素人なりに一応考えてみた。
まず、日韓中国(香港)などの共同出資映画にして、
乗っ取り犯たちをすべて在日韓国人(当然、演じる俳優も
すべてイ・ビョンホンなどの韓国人スター)に設定を変える。
そうしたら、これは相当、熱い話になっただろうと思う。

もちろん、監督やプロデューサーに、例えば、ヨン様を
悪役として登場させるような勇気があれば、だけど。
興行的にも間違いなくオバ様たちを大量に劇場へ呼び寄せ、
違った視点からナショナリズムを考えさせる映画になったはず。

多分、賛否両論の国際的な問題作になってしまうかな?
少なくとも、熱く語れる中身を内包する話にはなっただろう。
中井貴一さんじゃ、いくら上手でも、そういう熱さや
リアルさは伝わってこないだろうからね。

数百ページもの原作を2時間の娯楽映画にする場合、
その程度の設定変更は普通でしょ?

原作の評価はできないけど、娯楽大作としての無駄遣いに
官僚の税金無駄遣いと同様の腹立たしさも加わって、
総合評価は★

ちなみに、前述の『ホワイトアウト』も、だいたい同じような理由で
総合評価★

織田裕二が出てたせいで、結構ヒットしたみたいだけど、
見た人はみんな、「ダマされた」って思ったんじゃないかな?
どちらも、娯楽アクション大作のレベルに達していない
出来損ないだ。こんな観客をバカにした娯楽映画を見せられ、
詐欺的なズレまくり評論家にダマされている日本人は、
この際、断固として文句を言うべきだ。




ビクターエンタテインメント
ホワイトアウト(通常盤)

あした元気にな~れ!

「文部科学省選定」「東京都推奨」「PTA推薦」「映倫推薦」
と、つまらない映画を象徴する、そうそうたる面々の看板が
所狭しと並んでいて、思わず引いてしまいそうになるけど
大丈夫!

戦後60年記念と銘打たれた『あした元気にな~れ!』に、
説教臭さは微塵もないし、いやらしい思想教育的な意図も
まったく感じられない。にも関わらず、
決して戦争の悲惨さだけを訴えている話には
なっていないところがまた素晴らしい。

悲しさより力強さ、悲惨な体験よりも勇気を描いているからだ。

とはいえ、この長編アニメは泣けるよ。見事な戦争反対の映画だ。

絵のタッチとしては、『火垂るの墓』と似てる感じもするけど、
あそこまで徹底した悲惨な話にはなっていないので、
号泣したくない人でも見られるから心配ない!(笑)。


1945年3月9日の東京大空襲により、両親をはじめ
家族6人を一瞬のうちに亡くして戦争孤児になってしまった
主人公の少女、かよ子(海老名香葉子=息子の林家こぶ平に
ソックリ。ということは峰竜太の妻=海老名みどりの母親!?)
の戦争体験談『半分のさつまいも』が原作で、
同じく91年に長編アニメ化された『うしろの正面だあれ』
の続編に当たる。



海老名 香葉子, 千葉 督太郎
半分のさつまいも

前作は、戦前から戦争までの話が中心で、
今作は戦後の極貧無法状態の庶民の話が中心だ。

疎開して生き延びた主人公が、唯一家族で生き残ったキイ兄ちゃん
を探し続けて、いかにして再会したか、という物語だ。

戦後、主人公は居候として知人に引き取られ、
兄は浅草の闇市で戦争孤児仲間と助け合いながら、
どのようにして生きていったか、が描かれる。
兄を求めて危険な闇市を徘徊する少女の健気さに
涙しない人はいないだろう。

別に林家(海老名)一家には何の思い入れもないが、
アニメが始まる前に原作者本人が登場して語る、
その話だけで泣けてしまった。


実は、私の父親も戦前の浅草の生まれだ。
小学生で東京・青梅に疎開した父は、
妹と乳飲み子の弟と三人で戦争中を過ごした。
父と妹は畑から野菜を盗んだりして生き延びることができたが、
乳飲み子の弟はミルクがなく、山羊の乳をやっと仕入れて
父が帰ってきた時には、弟は餓死していたという。
「かわいそうだったね」
という父の話は1回しか聞いたことがない。
消防車ごっこをしていて本当に火事を起こしてしまった笑い話
とかは何度も聞いたことがあるのに…。

祖父の戦争話も、ちっとも口調が悲しくなかった。
当時、兵器工場の工場長だった祖父は、空襲で仲間が倒れて、
「だいじょぶか、って聞いたら死んでた」とか、
そんな話し方で大笑いしてしまった記憶がある。

でも、実際の体験は、悲しい記憶がいっぱいあるんだろうな、
と慮る他ない。あまり、悲しい話は語られた記憶がない。
自分の周りにいる人たちは、みんなそんな感じで、
悲惨さばかり訴える他の日本人とは少し違うような
気もするが、このアニメ映画を見ていると、
そんな下町の人たちの力強さや前向きさが、
実に自分の周りにいた人たちと似ていて、
それがとても親近感があって良かったのかもしれない。

間違いなく、今年一番泣けた日本の映画だ。
当然、総合評価も★★★★!

ただ、『ヒトラー~最後の12日間~』のように、
積極的に侵略者の側から描いた日本人の話が今まで
あまりないのは残念なような気もするけど。
この映画を見ていても、まるで単なる被害者としてしか
戦争が語られていないし……。
もちろん、この映画の立場(子供が主人公)では、
それも仕方ないとは思うけど、そろそろ加害者側の立場から描いた
反戦映画も日本で作られていい頃なのではないか、とも思う。


ただし、先日ニュースでやっていた原爆をつくったアメリカ人が
初めて広島に来て被爆者と語り合った、その内容には腹が立った。
語り合う、というよりは、まったく意見が合っていなかった。

日本人が「二度とこのような戦争が起こらないように」と
お決まりの被害者論を展開すると、
そのアメリカ人は、一切の謝罪などすることなく、こう言った。
「アメリカには別の言葉がある。リメンバー・ザ・パールハーバーだ」

ちなみに真珠湾攻撃とは、その方法論はともかくとして、
戦艦や空母などの兵器の破壊を目的としたもので、
東京大空襲や原爆投下などの一般市民の無差別殺戮とはワケが違う。

もちろん「今とは時代が違う」という意見もあろうが、それは、
現在の戦争では考えられないような、アメリカ人が非難する類の
大義名分の下に行われている無差別テロ行為と同じではないか。

そろそろアメリカ人も真珠湾攻撃に対する意味合い
(すべてを正当化させる道具として使われている)
を今の時代の視点から再考してほしいと思う。


ちなみに『あした元気にな~れ!』は、なかには公開がもう
終わってる地方や、これから公開される地方もあるようだが、
東京では「東京都写真美術館」で8月25日まで公開中。

親たちがあまり語ってくれない戦後の話を
ここで再見するのに、とてもいい機会だろう。

『あした元気にな~れ!』~公開劇場他、公式ページ