龍三と七人の子分たち(2015年) | 勝手に映画紹介!?

龍三と七人の子分たち(2015年)

龍三と七人の子分たち

【鑑賞日:2015年4月25日】

このところやけにビートたけしが自分の番組以外に出まくってる…まぁ、監督した映画が公開となればさすがのたけしも必死になるってわけか。そんなわけで北野武監督(ビートたけし名義含む)通算17作目…最新作「龍三と七人の子分たち」を初日の初回上映で見てきた。ご存知の方も多いと思うが、引退したじじいヤクザが現役ヤクザ相手に大暴れするという喜劇…劇中セリフも「なんだジジイ!この野郎ジジイ!」の応酬なんだが、近所のシネコンなんて上映時間まで年寄仕様。朝8時20分上映スタートって早すぎだろ!客も早起きの年寄ばかりだったぜ。

昔はヤクザの大親分だった龍三…現在は引退し、息子夫婦や孫と一緒に暮らしているのだが、なかなかヤクザな性分が抜けきらず、家族からは疎まれていた。ある日、振込詐欺の被害に遭いそうになるのだが、今でも懇意にしている弟分のマサの機転で事なきを得る。マサと食事をしながら昔を懐かしみ、久しぶりに他の仲間たちにも会ってみたくなった龍三は、連絡をとることに。中には、老人ホームや病院に入っている者もいたが、みんな喜んで招集に応じる。再び組を構えることになった龍三は、町で幅を利かせている京浜連合に目をつけるが…。

これは日本版、北野武流の「バッド・アス」ですね…バスに乗ってたチンピラをのして、その映像がYouTubeにアップされて素人のジジイが一躍人気者になってしまったという実話を題材にしたダニー・トレホ主演のあの映画みたいだよ。そして個性豊かなメンバーがボスのところに集まってくるというチームプレイ要素は「エクスペンダブルズ」の影響かな?それにしても、ジジイ俳優の皆さんが本当に渋い!映画を見る前は、早撃ちのマックが気になってたが、見終わった後は近藤正臣扮するマサが一番のお気に入りになってた…マサさん素敵♪

数分に1回は笑わせる、全編にちりばめられたギャグの数々は…今までタレント、ビートたけしがバラエティで披露してきたネタとほぼ一緒であり、聞き覚え、見覚えがあるネタも多かったりするのだが…たけし本人ではなく、藤達也をはじめとするベテランのジジイ俳優の皆さんが演じられているというのが新鮮であり、妙な面白さを醸し出しています。かぶりもの大好きなたけしらしく…藤竜也にもブリーフ一丁で、女装までさせてしまうというのが愉快でして、それがバッチリ絵になってしまう藤竜也の演技も素晴らしいわけですけど。

完全におもちゃにされていた中尾彬…津川雅彦がマキノ雅彦名義で撮った「寝ずの番」って映画で、実兄の長門裕之にやらせていた演技をちょっと思い出す…いや、アレよりもっとブラックで大爆笑でしたけど。一方、スナックのママ役で出てくる萬田久子がね、ちょっと痛々しかった…プライベートで大変だったからね、美熟女らしい一昔前の輝きが失せた感じ。龍三にかつて好意を寄せていたママという役柄としては、翳のある感じが似合っていると思ったんだけど…ここでもちゃんとギャグで落とすんですね。だから、今の容姿だとちょっと笑いづらいなぁと…。

クライマックスが路線バスの暴走チェイスというのは…やっぱり「バッド・アス」だよなぁ。でもね、「バッド・アス」はその見せ場のアクションを他作品(シュワちゃんの「レッドブル」)の映像を流用するという手抜きであったが、本作は商店街を破壊しながらバスが走り抜けるなんてことをちゃんとやっているので、ハリウッドにも負けないぜって意気込みなんかも伝わってくるのよ。意外と北野武って、バイオレンスな描写はあっても、派手なアクションを長めに見せる事って少ないと思うんだけど…今回の暴走シーンなんかは、ちゃんとアクション映画っぽい映像でしたね。


監督:北野武
出演:藤竜也 近藤正臣 中尾彬 品川徹 樋浦勉 伊藤幸純 吉澤健 小野寺昭 安田顕 ビートたけし


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