ドローン・オブ・ウォー感想 戦地に行かずアメリカ本土から遠く離れた国を爆撃するドローン戦争の実態 | 映画時光 eigajikou

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世界の色々な国の映画を観るのがライフワーク。
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浜松シネマイーラの会報にイラスト&コラム連載中。
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『ドローン・オブ・ウォー』
原題:Good Kill

2014年製作 アメリカ映画

TOHOシネマズ川崎で鑑賞













↓『ドローン・オブ・ウォー』予告動画第1弾


↓『ドローン・オブ・ウォー』予告動画第2弾


↓Good Kill トレーラー


監督・脚本:アンドリュー・ニコル

製作総指揮:テッド・ギドロウ 、
パトリック・ニュウエル
製作:マーク・アミン 、
ニコラス・シャルティエ 、
ゼヴ・フォアマン
撮影:アミール・モクリ
美術:ガイ・バーンズ
音楽:クリストフ・ベック
編集:ザック・ステーンバーグ
衣裳デザイン:リサ・ジェンセン

出演:イーサン・ホーク
ブルース・グリーンウッド
ゾーイ・クラヴィッツ
ジャニュアリー・ジョーンズ
ジェイク・アベル
ピーター・コヨーテ(声の出演)

あらすじ
アメリカ空軍のトミー・イーガン少佐は、
F-16戦闘機のパイロットから
無人戦闘機の操縦士に転身し、
政府のテロリスト掃討作戦に貢献してきた優秀な軍人である。
しかしトミーはやるせない違和感に囚われていた。
ラスベガス郊外のマイホームと砂漠の空軍基地を車で毎日往復し、
エアコンが快適に効いたコンテナ内の
オペレーションルームにこもって、
圧倒的な破壊力を誇るミサイルをクリックひとつで発射する。
音声の出ないモニターだけで戦場の状況を確認するその任務は、
まるでゲームのように現実感が欠落しているのだ。
CIAの対テロ特殊作戦に参加したトミーは、
度重なる過酷なミッションにじわじわと精神を蝕まれ、
愛妻モリーとの関係までも冷えきっていく。
やがてストレスが限界を超えたトミーは、
冷徹な指揮官からの人命を軽んじた爆撃指令への
反抗を決意するのだった……。
(公式サイトより)

アンドリュー・ニコル監督の
『ガタカ』ではジュード・ロウに
喰われ気味だった感のイーサンですが、
本作では大丈夫そうです。
『ドローン・オブ・ウォー』って、
日本で付けた邦題で、
原題は「Good Kill」グッド・キル。
目標を爆撃で一掃したときに、
ドローン爆撃機操縦士が言う決まり文句です。
『ロード・オブ・ウォー』で
武器商人の裏の世界を描いた
アンドリュー・ニコル監督だから、
『アメリカン・スナイパー』のような
英雄譚にはなっていないはず。
と、
鑑賞予定作品の紹介の時に書きました。
やはり、予想は当たり、
戦争を肯定したヒーローものではありませんでした。
12000キロも離れたアフガニスタンを
ラスベガス郊外の空軍基地のコンテナの中から、
ドローンを操作して爆撃する兵士のドラマです。
CIAの対テロ特殊作戦では、
対戦国でない
アラブの最貧国イエメンも爆撃します。
女性や子ども、
民間人が巻き込まれることが分かっていても、
容赦なく爆撃命令を下してきます。
これにあくまでも忠実に従うだけの者もいれば、
反発を感じる者もいる。
イーサン演じるトミーは酒の量も増え、
精神状態が不安定になり、
家庭生活も崩れてしまいます。

ドローン戦争の現実、
恐ろしさを描きながら、
エンタメ性も保持して、
後味悪くはまとめませんでした。

激しい戦闘場面はないので地味ではありますが、
ドローンを使った新しい戦争の現実はリアルに描かれ、
見応えがありました。

戦争はどんなかたちであれ
人間同士が殺し合いをするということで、
テクノロジー化が進んで兵士の犠牲が減っても
戦争を続ける限り殺し合いは続き、
テロの原因にもなる
憎しみの連鎖は断ち切れないのです。

後ろに見えるのがドローン爆撃機。



















ニコリともしない寡黙すぎる
イーサン・ホークをはじめ
キャストは地味目ですが好演でした。
本作は昨年のヴェネチア映画祭の
コンペ部門に出品された作品です。





イーサン・ホークは近年出演作品が多く、
2015年は6本で2016年も既に2本の待機作。
いまのところの完成・公開作品で評価が高いのは
ジャズミュージシャンの
トランペット奏者でヴォーカリストでもある
チェット・ベイカーを
イーサンが演じた伝記もの
「Born to Be Blue」
(ボーン・トゥー・ビー・ブルー)
です。








カラー写真がイーサン、
モノクロがチェット・ベイカー

↓映画「Born to Be Blue」動画


↓チェット・ベイカーの歌う Born to Be Blue



9月に観た映画は
新作26本旧作19本の合計45本。

10月1日映画の日に観たのは、
『ドローン・オブ・ウォー』
『アメリカン・ドリーマー 理想の代償』
良く見ると時代考証的に
おかしい点がいろいろあるようですが、
(予算が足りなかったのでしょう)
俳優の演技が素晴らしくて集中して観ていたし
スリルある展開に引き込まれました。
『岸辺の旅』
湯本香樹実の原作を黒沢清ワールドで表現して見事でした。
ホラー・ファンタジーな感じでこれは上手い脚色。
この3本。
特に『アメリカン・ドリーマー 理想の代償』
『岸辺の旅』は、
見応えがありました。



その他今週観たのは

キネカ大森で
『マジック・イン・ムーンライト』
『ミッド・ナイト・イン・パリ』(再見)
2本ともウディの自己投影度が高い作品ですが
特に『マジック・イン・ムーンライト』は、
言い訳度、自虐度も相当高いし、
そう見られることも計算して
撮っていることを考えると
可笑しくてたまらなかったけど、
ミア・ファーローが観たら
ますます怒れちゃうんじゃないかなァ。

『カプチーノはお熱いうちに』
予想以上に闘病部分が多く、
そこのリアル度には納得できず。
でも、ゲイの親友が可愛らしかったなァ。
なんだそれ(^^ゞ

ポップでちょっと怖くてすごく面白かった
マルジャン・サトラピ監督の
『ハッピーボイス・キラー』
イケメン・サイコ・キラー映画マイベスト3は、
『サイコ』
『アメリカン・サイコ』
『ハッピーボイス・キラー』
にした。(笑)
クリスチャン・ベールはバットマン、
ライアン・レイノルズはグリーン・ランタン、
アメコミヒーローもやってるというネ。
でもなんで犬と猫が出てくると
猫が悪者の場合が多いんだろ(>_<)

前回の記事の
『合葬』←クリック
です。










イーサン・ホークとワンコUo・ェ・U