ダラス・バイヤーズクラブ感想アカデミー賞主演・助演男優賞マシュー・マコノヒージャレット・レト決定 | 映画時光 eigajikou

映画時光 eigajikou

世界の色々な国の映画を観るのがライフワーク。
がんサバイバー。
浜松シネマイーラの会報にイラスト&コラム連載中。
今は主にTwitterとFilmarksに投稿しています(eigajikou)

ダラス・バイヤーズクラブ
Dallas Buyers Club
2013年製作 アメリカ映画
TOHOシネマズ磐田で鑑賞









ウェイト・ダウン競争!?
マシュー・マコノヒー↓




ジャレット・レト↓




監督:ジャン=マルク・バレ

キャスト:
マシュー・マコノヒー
ジェニファー・ガーナー
ジャレッド・レト
ダラス・ロバーツ
グリフィン・ダン

マシュー・マコノヒーが、エイズ患者を演じるため21キロにおよぶ減量を達成して役作りに挑んだ実録ドラマ。1985年、テキサス生まれの電気技師ロン・ウッドルーフはHIV陽性と診断され、余命30日と宣告される。米国には認可された治療薬が少ないことを知り、納得のできないロンは代替薬を求めてメキシコへ渡る。そこで米国への薬の密輸を思いついたロンは、無認可の薬やサプリメントを売る「ダラス・バイヤーズクラブ」を設立。会員たちは安い月額料金で新しい薬を手にすることができ、クラブはアングラ組織として勢いづく。しかし、そんなロンに司法の手が迫り……。ロンの相棒となるエイズ患者でトランスセクシャルのレイヨン役をジャレッド・レトが演じた。(映画.COMより)

↓トレーラー


↓日本語字幕版予告動画


見所は、マシュー・マコノヒーと
ジャレット・レトの激やせ&熱演だけじゃないビックリマーク
製薬会社と病院とFDAの癒着体質
から生まれる薬害の告発
消費者・患者の訴えが届かない行政・司法の壁も描く
反権力メッセージも込められていますパンチ!


FDAはアメリカの食品医薬品局
( Food and Drug Administration)
食品や医薬品、さらに化粧品、医療機器、動物薬、玩具など、消費者が通常の生活を行うに当たって接する機会のある製品について、その許可や違反品の取締りなどの行政を専門的に行うアメリカ合衆国の日本の厚生労働省に当たるHHS
(Department of Health and Human Services; 保健福祉省)
に属する政府機関である。(ウィキペディアより)

アカデミー賞の発表が3月2日に迫っていますね。
作品賞にノミネートされた9本のうち今迄に日本公開されたのは
「キャプテン・フィリップス」
「ゼロ・グラビティ」
「ウルフ・オブ・ウォールストリート」
「アメリカン・ハッスル」
「ダラス・バイヤーズクラブ」
この5本です。
後4本と公開日↓
「ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅」(2月28日)
「それでも夜は明ける」(3月8日)
「あなたを抱きしめる日まで」(3月15日:遅れますがシネマイーラでも公開)
「her 世界でひとつの彼女」(6月28日)

作品賞の受賞は「それでも夜は明ける」を予想します。
直前予想は今日か明日にはUPしたいと思います。
主演男優賞、助演男優賞はこの、
『ダラス・バイヤーズクラブ』の2人と予想します。
これは、リサーチに基づく私情を抜いた予想ですが、
心情的にもこの2人が取っていいのではと思います。
アカデミー賞の演技賞は、
難病、身体や精神的障碍、性同一障碍、トランスジェンダー、
アルコール依存症などを熱演した場合に評価されやすい。

激やせの肉体改造、難病、トランスジェンダー
を熱演という
今回のマシュー・マコノヒーとジャレット・レトも、
それに当てはまりますが、
条件クリアだけでない、
2人の魂を込めた演技が、心に沁みました。

私的には、
今迄観た日本公開された
アカデミー賞作品候補5本の中では、
この『ダラス・バイヤーズクラブ』が一番良かったです。

まあ、私の場合は読者の方に「独特の熱意がある」
と形容されてしまうように、
おそらく一般的な映画ファンからみたら偏った映画の観方をしているのでしょう。
ただ、確信的に一般論がなんじゃ!と思っています(笑)
審美眼は常に磨く努力をしていますし、
表層的な観方をしていない自信はあります。
映画を観るには様々なジャンルに対する作法も必要で、
その作法を身に着けるための勉強も大事ですね。
私はインディー映画、ミニシアターの味方だし、
反権力・反体制メッセージも応援します。
これを率直に書いてきて、
今まで何人の読者の方が離れて行ったことか...
でも、自分の信条を曲げる気ありません。
また、どんなに博識で、知的な文章書く人でも、
人種、民族、国籍や出自、性差やジェンダーについて、
差別的な考えを確信的に持っているなァ。
と感じる人を心から信用することはできません。
これは、今後も自分の矜恃です。

『ダラス・バイヤーズクラブ』は、
最近観た、
『ザ・イースト』
『世界が食べられなくなる日』
とも、リンクしましたよ。
患者や消費者をモルモット扱いする産学官連携体制(含む司法)に、
何の疑問も抱かないのは危険です。
(すべてがそうと言っている訳ではないですよ)
薬害や公害の被害が広がってから、
後追いで対策される負の歴史が何度繰り返されてきたことか...
役者の演技も勿論見所ですが、
この映画に込められているメッセージも重要です。

ゲイに対する偏見をレイヨンとの友情から越えて行く、
ロンの人間的な成長も2人の好演で説得力があります。
実際のロンは映画のロンのような、
マッチョな考えの持ち主ではなかったようです。
でもフィクションとして主人公の人間的な成長を描く
演出としては好感が持てます。
2011年から演技派への脱皮で快進撃の続くマシュー、
『ダラス・バイヤーズクラブ』は、
その流れの中のでの1つの集大成でしょう。
これからも活躍が楽しみです。

レイヨンのキャラクターは映画での創造ですが、
医師のイヴ(ジェニファー・ガーナー)の
大学時代からの友人でもあるという3人の人間関係も、
ストーリーの流れの中でうまく機能しています。
ジャレット・レトのチャーミングなレイヨンの演技は、
私のお気に入りゲイ演技入りです。



ガエル・ガルシア・ベルナル
『バッド・エデュケーション』(ペドロ・アルモドバル監督)
バッド・エデュケーション [DVD]/ガエル・ガルシア・ベルナル,フェレ・マルチネス


キリアン・マーフィー
『プルートで朝食を』(ニール・ジョーダン監督)
プルートで朝食を [DVD]/キリアン・マーフィー,ニール・ジョーダン,リーアム・ニーソン


他にもお気に入りいろいろあるけど今回はやめておきます。
ジャレット・レトは、
バンド「サーティー・セカンズ・トゥー・マーズ」の活動に忙しく、
俳優業はこのレイヨン役が『ミスター・ノーバディ』以来6年ぶり
でしたが、やはり芝居のセンスがイイですよね。
『ミスター・ノーバディ』もとても好きな作品です。
ジャコ・ヴァン・ドルマル監督
ミスター・ノーバディ [DVD]/
ジャレット・レト,ダイアン・クルーガー,サラ・ポーリー


医師イヴ役のジェニファー・ガーナーも好演です。
演技力は夫のベン・アフよりあると思うなァ。




ジェニファー・ガーナー、ベン・アフレックと3人の子どもたち



今回はこんなお色気は勿論封印



ベン・アフのデアデビルより人気で、
スピン・オフも作られたジェニファー・ガーナーの
カッコいいアメコミ女性ヒーローエレクトラ

デアデビル [DVD]/
ベン・アフレック,ジェニファー・ガーナー,マイケル・クラーク・ダンカン

エレクトラ [Blu-ray]/
ジェニファー・ガーナー,テレンス・スタンプ,カーステン・プラウト


『ダラス・バイヤーズクラブ』は、
予算も撮影日程もタイトでした。
25日間で撮っています。
ロン役のマシューも、
ただ激やせしただけでなく、
とても体調が悪い時、
免疫力が回復して体調が回復した時など、
微妙に細さなどが違うので、
これ短期間に撮る順番やメイクの調整など、
俳優、制作現場スタッフの仕事は大変だったと思います。
アカデミー賞はメイクアップ賞にもノミネートされていますが、
これも受賞は確実な所です。

予算の関係での選択だったという、
ドグマ95的な自然光のみ、手持ちカメラでの撮影は、
この映画に臨場感や
ドキュメンタリー映画のようなリアルなルックを与えていて、
効果が上手く出ました。

ロンが世界中を飛び回るシーンで、
日本や日本人やが登場しますが、
風景は合成だし、日本のホテルの部屋も笑える和風インテリア、
日本人役の人が話す日本語もアヤシイ日本語、
日本の製薬会社も医師もこんなコトするわけないし、
不自然と指摘する人もいるでしょうけど、
まあ、こんなコトと合わせて↓低予算映画のご愛嬌と私は思いました。

映画の舞台は1985年スタートで、
ロンは1992年に亡くなりました。




難しいこと考えず、
作品賞候補だし、
俳優の演技を楽しみたい、
そんな感じで観ても充分見応えのある作品だと思います。


ジャン=マルク・バレ監督はカナダでは既に実力を認められている監督。
日本公開されたのは、
『ヴィクトリア女王 世紀の愛』(イギリス・アメリカ合作)
エミリー・ブラント、ルパート・フレンド共演
マーティン・スコセッシがプロデューサー
ヴィクトリア女王 世紀の愛 [DVD]/
エミリー・ブラント,ルパート・フレンド,ポール・ベタニー


これ、コスチューム物敬遠する人もいるし、
あまり観ている人いないかもしれませんが、
しっかりした見応えのある
人間ドラマ系の歴史ものなので、
おススメですよ。
ポール・ベタニー、ミランダ・リチャードソン
ジム・ブロードベントといった、
芸達者が脇を固めています。

ロン・ウッドルーフ氏の担当医であった
スティーヴン・パウンダース医師のインタビュー動画↓


マシュー・マコノヒーと
実在のロン・ウッドルーフ氏の写真。
ダラス・バイヤーズクラブは、
お金儲けのためにやっていたのではありません。









マシュー・マコノヒーとジャレット・レトのことを、
もう少し書きたいのですが、
『ダラス・バイヤーズクラブ』について、
とりあえず、一旦ここで切りますね。

『ダラス・バイヤーズクラブ』は、
私はおススメの作品です合格
俳優の演技も、作品の持つメッセージ性も素晴らしいです。
生きるために行動し、
ポジティヴであり続けたロンの生き様にグッときますョ。


マコとレトの間に監督






『かしこい狗は、吠えずに笑う』

$映画中毒日記『新★映画時光』ブログ版
25歳衝撃の才能ビックリマーク
渡部亮平監督応援していますビックリマーク
ぜひ、お近くの映画館にリクエストして下さいビックリマーク


新潟 シネウィンド

3月8日(土)~14日(金)

★名古屋シネマテーク

4月19日(土)~25日(金)

★高崎映画祭で上映←詳しい上映日・時間はクリックでどうぞ!



カチンコ読んで下さってありがとうございましたビックリマークランキングに参加してます映画にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへこれをクリックしてもらえたらうれしいです音譜


読者登録してね