2007-08-23 10:30:28

ゼロの焦点

テーマ:映画ジャンル サスペンス
ゼロの焦点  1961 日本

ゼロの焦点
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ゼロの焦点―長編推理小説/松本 清張
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◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


監督: 野村芳太郎
製作: 保住一之助
原作: 松本清張
脚本: 橋本忍
山田洋次
撮影: 川又昂
美術: 宇野耕司
音楽: 芥川也寸志

出演: 久我美子
高千穂ひづる
有馬稲子
南原宏治
西村晃
加藤嘉


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


松本清張原作、野村芳太郎監督が贈る快心の長編ミステリー。

憲一は広告会社に勤めていたが、社用のために金沢へ旅立つ。

しかし、それが憲一の姿を見た最後になってしまう。妻の禎子は真実を探るために手を尽くすのだが…。


★★★★★★★☆☆☆


ただでさえ難解なサスペンスなのに、

食事をしながら気軽に見ていたので途中で・・

汁椀を落としてしまいました(爆)

そうきたか??」まさによそ見しながら見られないです。

でもその「そうきた」がわかるとあとはもうわかりやすいんですが・・

よくできているので見終わってからまた見直したい映画です。

原作がよい。

というのも作者の松本清張本人が特典映像で言っていました。

自分の作品で一番よいと。

私は松本清張の作品が大好きなのですが、

実際に本は読んだことがないのですよね。

未読だけれど読まなくてもいいと思っているほどです。

映画化はどれも水準が高く楽しめて泣けます。

が・・それを文章にすれば思いっきり暗いだろう。

そして後味も映像だから余韻に浸れる。

文章というものは個々の頭の中でトラウマになるかもしれないくらい、

人間の中に入ってくるのです。

松本清張の原作がすばらしいから映像化できるのですが、

あくまでも映画=映像はリアルな作り話です。

それを文章で読むとくどくないかなと・・

いつかは読みたいのですがちょっと勇気がいります。

さて、松本清張といえば、

「砂の器」「天城越え」「鬼畜」と泣かせてもらいました。

この作品はどうでしょうか?

泣けるという人情映画でもありませんし、

面白いサスペンスというのでもありません。

ただ・・

つくりはすごいなぁと感心しますね。

この時代に他の作品はどうだったのかわかりませんが、

つくりは、

ヒッチコックの「めまい」を思い出しました。

どっちが先だろうか??

勘のいい人ならわかると思うけれど、

「ああそうきたか」というのはこのつくり。

この映画が1961年作なので同じくらいの年代の邦画洋画と比べてみてください。


結婚式をあげる主人公の女性。

その後新郎は消え死体確認をしに行くんですが、

どうも別に同じ場所で同じように死んだ人がいる。

しかしそれがどうしてつながるのか、

それがわかるまでにはその時代背景にヒントがありました。

この冒頭に式をあげ夫の出張から帰らない事件までが早い。

途中からもう、これはヒッチコックの「めまい」だ。

そう思って見ていましたよ(苦笑)

受付嬢のすりかわりや同じ風景や同じ写真・・

これって「サスペリア2?」とまた途中で面白くなって・・

見た方にはわかると思うけれど、

サスペリア2の展開や小道具が似てるんですよ。

もしかしたら清張の原作かこの映画に触発された洋画の人もいてたり・・

あと・・「パルプフィクション」にも似てたなぁ・・

こうたとえたら違うかもしれないけれどそのくらい「そうきたか」です。

脚本をいじるとか前後を変えるとかいうのではないけれども、

見ながら実に不思議な感覚になります。

誰が主人公で誰に共感すればいいのかはわかりませんが、

まずはストリーテラーということで飛び降りた夫の妻。

彼女を中心に考えて見ていきます。

しかし途中からそうではないそれだけではないとわかります。

その真犯人の過去や動機がわかりだすと、

犯人の方に共感さえしてしまいます。

これが本だとめちゃ暗いだろうなぁ・・

「天国と地獄」の後半を思い出しましたし、

一番似た世界だなぁと思ったのが「飢餓海峡」これです。

飢餓海峡を見たことのある人なら共感できるかも。

この時代のなりあがりの果て、

当たり前のように地位をつかみぬくぬくと生きている人。

清算される現実と過去。

いわゆる「帳消し」「落とし前」というのはまた違うかもしれないけど、

これ・・やはり映画では短いですね。

もちろん映画だから説明不足だからスピードもあり面白く、

そのどんでん返しも娯楽として見られるのですが。

内容は確かに暗くて救いようがない。

けれど構成が面白いし、

サスペンスで明るい殺人なんてほうが不気味だ。

殺人に理由がなく明るいなら猟奇的でありまんまホラーですし。

救いようのない結末に特有のこの野村監督の効果音。

そんな、派手な・・とひきつつも、

このくらい緩急があったほうがよいかも。

ちょっとあの音楽使いは特撮映画のノリですが(苦笑)

「天国と地獄」もそんな音使いありましたし、

そういう時代なのかもしれませんね。

なんにせよ野村監督と松本清張の組み合わせは好き

過去を語らせる絵作りがうまいですね。




DVD特典を見ると、

その時代解釈や作者の言葉、

そして原作がヒットしたために自殺の名所となってしまった場所・・

松本清張は言います。

この話はあくまで小説であり架空のこと。

自殺の名所となってしまい碑まで建てられましたが、

これ以上死なないでほしい。

あくまでも小説は架空の話・・


ということで映画でもリアルなのに、

やっぱり清張の文章はリアルで生々しいのだろうと想像。

ホラーは好きなのにこの人の原作にはいまだ手をつけられない・・





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コメント

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9 ■●今月の第三弾は、既に名作の声価のある周防監督の『シコふんじゃった。」をアップロードしました。

流石埜魚水です。相変わらず旺盛な映画意欲ですね…。私も来年もまた映画を見て見て感動し、ブログに書いて書き続けまいよ。来年も宜しくお願いします。
先日、既に名作の声価のある周防正行監督のシコふんじゃったをアップロードしました。

今年もいろいろな映画が公開されましたね、あちこちのブログやTVの映画番組で、今年のベスト映画を特集していますね。私の映画ベスト3?…と聞かれたら、私は勿論「スラムドック&ミリオネア」と「愛を読む人」を一番に挙げたいです。その次は「グラントリノ」と「セントアンナの奇跡」かな、「レッドクリフⅠ・Ⅱ」も外せませんね…。その次は、この「おと・な・り」か「剣岳」かな。もう一点、僕の好みとしては、青春映画路線の「色即ぜねれいしょん」と「ルーキーズ」を挙げたいです。
邦画の名作旧作は年末からこの年始にかけてこのブログで掲載したいと思っています。今月は山口百恵の「伊豆の踊子」、本木雅弘の「シコふんじゃった。」を取上げました。続けて「墨功」「フルメタル・ジャケット」「飢餓海峡」「沈まぬ太陽」「死の棘」「火天の城」「家宅の人」「楢山節考」「パッチギ」…を取上げたいと思っています。


この映画シコふんじゃった。」は本木雅弘の魅力、彼の肉体的な野性味と、繊細で柔軟な演技がよく現れていました。

また、防監督の評価が漸く認められた作品なので、監督作品から放出されるコメディーな笑いと温かい可笑しみの要素、あるいは、主人公に映画のテーマを冠せながら、ジワッーと時代の矛盾に近づき、シリアルに社会問題の輪郭を描く映像手法が、この映画「シコふんじゃった。」ではよく表現されているのではないでしょうか。

是非とも一度私のブログも覗いて下さい。時々情報交感しましょう。そして良かったら読者になって下さい。
感想が有ったら(コメントが届いたら直によく分るように)コメント欄にお寄せください、必ず返事を書きます。

8 ■セフレラブ

優雅なセレブ女性だってセフレが欲しい

7 ■アダルト

アダルトサークルをご紹介!素敵なきっかけ探し!アダルト好きな方にはお薦め

6 ■アダルト

アダルトな一時を楽しめる…素敵なアダルトライフを求める女性様より朗報です。

5 ■アダルトな時間には優雅な楽しみがあるのです

アダルト

4 ■>saku さま

お返事遅くなってすみません。
そんなに前の映画になるんですね・・
昔の邦画はいいものが多いと思います。

3 ■懐かしいです

この映画も劇場で見た
うーーん  名古屋のミリオン座
30年前かな・・・(・_・;)
この作品なんて  映画検定
試験問題に出てましたね。

2 ■>yashima1505 さま

お久しぶりです。
こちらこそ遅くなってすみません。
松本清張の本全然読んだことがないんですよ。
でも映画で大好きなのです。
特典で清張が語っていましたが、
この人の物語は映像化のほうがよいらしいですね。
うん、原作者がそういうのだからたぶん、
映像化しやすい叙情的な人間ドラマが多いのでしょうね。
特に「砂の器」は清張が言うに、
原作を越えたと。
原作読もうかどうしょうか~たぶん細やかすぎなのかもしれませんね。

1 ■そうきたか

めっちゃご無沙汰しています。
旧い映画ですねー。
ワタシは逆に映画は観たことがないので、この話がどう映像に残されているのか、知りたい様な、知りたくない様な感じ。
ただ、印象に残るのは断然映像だと思いますヨ。

久我美子が鵜原禎子やったのか。うーん、なるほど。

「砂の器」は両方知ってるけど、やっぱ映像の方が勝っちゃいますよね。
ライ病に侵され父親に連れられてお遍路をする少年。小説ではあそこまでの印象は残らない。

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