今泉力哉監督!


『知らない、ふたり』
靴職人見習いの韓国人青年レオンは、あることがきっかけで、なるべく人と関わらないように生きていた。
同じ靴屋で働く小風は、そんなレオンに想いを寄せているが、彼は全く興味を示さず。
ある日レオンは、泥酔して公園のベンチで寝ているソナに出会って以来、彼女が気になる存在に。
そのソナの壊れたハイヒールを修理に持ってきたサンスは、受付の小風に一目惚れ。
ソナはソナで、彼氏に突然、他にも好きな人ができたと告白されて困惑していた‥‥。

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「サッドティー」「鬼灯さんちの家のアネキ」などの今泉力哉さん監督・脚本です。

主演のレオンは、韓国の人気グループ「NU'EST」のレンさん。

小風役は、モデルとしても活動してらっしゃる青柳文子さん。


なんとまあ、不思議な魅力のある映画でしょうか。

派手なアクションもない。ハラハラするサスペンスでもない。

でも、スクリーンから目が離せないんですよ。


僕が思うに二つあって。

まず、スクリーンの使い方の上手さ。

ほとんどのシーンが、定点に置かれたカメラで撮ってるんですけど。

長方形のスクリーンの、どこで、どの役者さんが、どう動いてどう消えるか、とか。

普段、そんな細かいとこまで気が回らない僕ですら、

「あ、うまいな~」

と思っちゃいましたよ。


そしてもう一つ、セリフまわしの絶妙さ。

登場人物が何人も出てきて、それぞれが片思いの恋愛映画なんて、まああるっちゃああるじゃないですか。

でも、そこにドラマチックなやり取りはなくて。逆に。

一人一人の感情と、一つ一つのセリフが、すごくリアルなんですよね。

「あ、そこ引っかかるよね」とか

「でもついそう言っちゃう時あるわ」とか。

かゆいところを作ってくれて、ちゃんとそこを掻いてくれる脚本が、細やかなんですよね。


それを演じる役者さんたちも素敵でした。

皆さん、間の取り方がすごく良くて。

静かやけど、リアルで味のあるやり取りに

映画館内では、随所で笑いが起こっておりました。


ラストも気持ち良く。

あのセリフ一つで、スコーンと心を持って行かれましたよ。

こう言っちゃあ何ですが、あまり大きなスクリーンじゃなくて

適度な大きさのところで、いっぱいのお客さんと観るのが楽しい映画だなと思いました。


偶然、前に今泉監督とお会いしたことがあって

しかも観た当日、劇場の入り口に立ってらっしゃって、少しお話もさせてもらったので。

もしイマイチやったらどうしよう‥‥なんて、余計な心配してたんですが。

帰りにお会いできなくて、お伝えできなかったので、ここに書きます。

今泉監督、面白かったです!


☆個人的見どころ
・恋のベクトル
・じゃあ、って?
・ラスト