2006-02-03 05:12:13

そっと届けられるもの

テーマ:飛ぶひと

ずいぶん沢山のことをあきらめてきた。


与えられないことが、当たり前だと今でも思っている。


愛情や、信頼、そして、それに基づくわがまま。ほしいものをほしいということ。それらは、わたしには関係のない世界に存在している。


どうしても、どうしても、ほしかった愛情が、与えられず、その人からの愛情を当たり前のように浪費している他人を見て、殺意を抱いたこともある。その殺意は、幼かったわたしを深いところで切り裂き、わたしはいまだに血を流し続けている。


だから、あきらめることにした。


与えてほしいと懇願をし、拒否をされ、いえることのない傷をかかえるくらいなら、はじめからあきらめればいい。与えられることを期待などしなければいい。


ほしいものは自分の力で手に入れればいい。そのための努力は、惜しまなかった・・・つもりだ。


ただ、どんなに努力をしても手に入らないものがあることにも気がついていた。与えられるしかないもの。ひとりでは育てられないもの。それらは、わたしには縁のないもの・・・とあきらめた。


深い森に幼子を置き去りにするように、あきらめた。森の奥からかすかに聞こえてくる泣き声に耳を打たれながら、その痛みを抱えたままで生きていくしかない。


そして、時折、深遠な嫉妬をKesに抱いた。その自由さと、完全さと、与えられることを恐れない勇気。だから、飛べるのだ。羽根をむしりたいとさえ、思った。


嫉妬は、胸の奥深くに柔らかな思いを隠し持っている。その奥深いひそやかな場所で、わたしはKesを激しく求めていた。Kesの滑らかな翼を見るたびに、触れたいと願った。その羽根を一筋でいいから自分のものにしたいと切望した。


でも、与えられるはずがない。


拒否される前に、自分でそれを否定した。何度も、何度も。嫉妬と恋慕に引き裂かれながら。


その明け方、苦い否定を抱きながら、ようやくたどり着いた浅い眠りのなかで、Kesの翼がわたしの頬をなで、かすかな風とともに去ったような気がした。


そして、青い朝の光に照らされて、枕の上に一筋


Kesの羽根を見つけた。




*******************

なんか、全体に繰り返しが多くて、そのわりには言いたいことがいえてない。それから、言葉と言葉の連結もよくないし。


あきらめることも大事だけど。


与えられることを恐れない勇気を持ちたい。



(2月3日21時 ちょこっとだけ手を入れました。)

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2005-12-23 06:29:46

けしやう

テーマ:飛ぶひと

化生: 四生の一。母胎または卵を通過せずに、超自然的に突然生まれ出ること。また、そのもの。

(広辞苑)


Kesは空から生まれた。


天に住む人の常として、無垢で純粋だ。天に住むものだけが持つ、軽やかな魂をもち、俗塵に触れることを嫌い、己の思うままに宙を舞う。


誰もKesには触れない。

Kesは誰にも触れない。


損なわれもしない。

変りもしない。

それゆえに、Kesは孤独だった。深い無色無音の世界に沈んでいたのかもしれない、と思う。


何万年もの孤独を生きた。Kesは世界に対して意味を与えず、世界はKesに対して意味を持たなかった。


・・・と、思う。


天使は中心まで均質で清浄な白い物質でできている。それを同じように、Kesは軽やかで透き通った、淡い青い色のもので構成されているように思う。


軽やかに宙を舞い、なにものにもつながれたり縛られたりしない。


わたしは、鈍重で内臓を持ち、摂取と排出を繰り返す体を、重力によって地上に縛り付けられながら、生きてゆく。時折、天を見てKesを夢見る。


いつか、きっと。


いや、それは無理な相談だ。わたしの現実は消えることなく、あり続けるだろう。わたしは、無様に地上を這い回り続けるしかないだろう。


でも、いつか。


いいえ、それはありえない。



**********************************


ええと、もうすぐクリスマスです。


クリスマスといえば、天使。


天使はよく分かってない概念らしいんです。でも、性を持たず、内臓を持たず。ゆえに、ちんちんもなければ、うんこもおしっこもしないし、妊娠も射精もしないし、年も取らないし、間違えることもなければ、知らないこともない。完全無欠の存在です。


それが、1800年代の後半にかわいらしい男の子の姿に変っていったらしいんですよね・・・。そのほうが売れるから(笑)。経済活動って、すごい。文化におけるある種の存在のあり方を根本的に変えちゃうんだから。


と、世迷いごとを言っていますが。


天使のように、自分も内臓など持たない均質できれいな存在でありたいようにも思います。


それと同時に、不完全であるからこそ、生きてることが面白い、とも思います。完全になってしまったら、それを損なうことのみを恐れて生きていくような気がして。


だから、不完全な自分に溜息をついている閑なんてないと思うんですけどね。


それでも、比ゆ的に、重力を断ち切れればな、と思うこともあるんだけど。そうやって、天使みたいに自由に飛んで行きたいところもあるんだけどね。


まあいいや。↓の記事に書いたような、自分の現実を等身大でとらえていこう。


とりあえず、よいクリスマスを。平和と慈しむ気持ちを。

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2005-10-20 20:44:50

つきのひかり

テーマ:飛ぶひと

moon



月が好きだ。日ごとに姿を変え、自分からは光らずに、青く柔らかく太陽の光を受け止める。


自ら輝く原始の女性のように明るい太陽でありたいと思う。


それと同時に、自らは光らなくとも、優しい想いを受け止めほのかに光り、誰かの胸のうちに日ごとに姿を変えつつ、


しん


と永遠に存在していたいとも思う。月のように。




まどろみの中をさまよっているわたしにKesが言った。


月を見に行こう


まだ、目も覚めやらず、時間も空間もねじれたままで、Kesがそこにいるかどうかも定かには分からなかった。ただ、わたしの耳はKesの声を聞いていた。夢の中で何度も聞いた声。もう一度聞きたいと思い続け、耳の奥に残っているはずの細かな震えを何とかしてもう一度、音として再現したいと望んでいた。


それは夢の中でのみ叶う望みだったのだけれど。


夢の中でKesの手をとった。いつもそこで目が覚める。


そして、目が覚めた。風が顔に当たっている。


飛んでいる。


Kesが飛んでいる。わたしを連れて。


不思議に青い光に満ちている空を、空気を切り裂きながらKesが飛んでいた。何かを言いたかったけれど、思考はKesの速さについていけない。後ろに取り残されるばかり。そうやって、莫迦みたいに口をパクパクさせていた。


やがて海が見えてきた。夜の海。そこに月の光が一筋落ちている。


Kesはふわりと、誰もいない岬に舞い降りた。そして、わたしを振り向いた。


肩が冷たくなってしまったね・・・


そう言いながらそっと笑った。



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2005-10-18 17:30:20

AIRBORNE

テーマ:飛ぶひと

air


Airborne

とぶひと

2005





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2005-10-14 00:00:00

ここで待っている

テーマ:飛ぶひと

かたん。


音が聞こえる。金属の触れ合う音。重たい鎧。


どんなに重くても、鎧を纏わなければならない世の中というものがある。気持ちが重くなり、その重さにため息をつくけれど。のろのろとした動作でゆっくりと今日も鎧を着けている。


あなたがこぶしを振り上げ、戦う相手とはいったい誰なのか。いったい何のための戦いを戦い抜こうとしているのか。


後姿に問いかけてみたくなる。


なんで、一人ぼっちで飛ぶの。


一人だけど、一人ぼっちじゃないよ。君がいるから。


それならば、わたしが生まれてきた意味というものもあるのだろうか。いたずらに机上の空論をもてあそび、理想論をキレイな言葉で連ね、自分の抱えた暗闇を隠蔽することしかできないわたしにも、生まれてきた意味というものがあるのだろうか。


わたしはここにいつまでもいよう。あなたを待っていることとしよう。今度、あなたが来たら、わたしの手でゆっくりとその鎧を取り外し、あなたがわたしの膝の上で憩えるように。


生まれてきてよかったとそのときにはじめて確信できるだろう。











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追記(10月14日午後)

そんなことを言いながら、やっぱり待つのが嫌いなんですよ(笑)。それで、追いかけてったり、待ってられないって怒ったり。なかなか、自分のしたいことが上手にできない今日この頃です。

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2005-09-04 01:19:37

花火

テーマ:飛ぶひと

マミ姉さんの記事にTBして。


*********************


kes


そのとき、Kesはわたしを連れて夕闇の中を飛んでいた。次第に濃くなって行く夕闇を眼下にして、遠く透き通った夕焼けを臨んでいた。地上の夕闇と、天空の薄明かりのあいだに、宵の明星がぽつんと孤独に光っていた。


山々を越えた彼方の土地。


はじめてみる風景に心が弾み、Kesもそのときはいつもよりずっと緩やかな飛翔をしていた。夕暮れの風は柔らかで、半月と一緒に空に浮かびながら、わたしはうっとりとKesの手につかまっていた。


不意にKesが宙に止まりわたしを胸に抱いた。


見てごらん。


Kesの示すほうを見ると、遠くに小さな光の花がようやく濃くなった夕闇の中に咲いては消え、また、咲いては消えていた。


花火だよ。


Kesはわたしにささやいた。


遠く、無音で、闇の中に浮かんでは消えていく花火をKesに抱かれていつまでも見ていたかったけれど。


花火の光は、Kesがわたしの胸につけた淡いしるしのように、わたしの目に沁みた。



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2005-08-14 19:00:26

青が生まれるとき

テーマ:飛ぶひと


Kesが飛ぶ。

青が生まれる。

手のひらに受け止める。
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2005-08-08 19:07:31

ただ手を取る。

テーマ:飛ぶひと


ウェンディーはピーターパンに「おいでよ」と手を差し伸べられたとき、よく考えもせずにピーターパンの手をとった。一緒に行くことで、お母さんやお父さんがいなくなったわが子を思い心配をしたり悲しんだりすることなんて彼女の頭にはこれっぽっちも無かった。

ただ、ウェンディーはピーターパンが飛べること、それだけを信じていて、軽やかに彼の手を取った。

なんて無責任な子だろうと、眉をひそめる人もいるかもしれない。でも、それは間違っている。考えてから行動をすべきだなんていうことも、この場合には当てはまらない。

どうしようかと考えること、一緒に行こうかどうしようか迷うこと、それはすなわち、ウェンディーがピーターパンを疑うことだからだ。ピーターパンに常識を押し付けることだからだ。その疑いは重い足かせとなってピーターパンを地面に突き落とす。常識は彼を年老いさせる。

ウェンディーが信じる。ピーターパンは飛ぶ。

それだけ。

そんな風にして、自分の前に開かれた未知の可能性を手に取ったのだ。そのときの彼女の胸の高鳴りが耳に聞こえる。

そして、Kesが初めてわたしに手を差し伸べてきたとき、それがわたしのしたことだった。

ただ、Kesの手をとった。

何も考えていなかった。何も判断していなかった。迷いすらなかった。

Kesを信じていた。それだけ。

でも、一瞬だけ、考えた。

ウェンディーは幸せだっただろう。今のわたしと同じように。
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2005-07-21 11:32:47

飛ぶひと

テーマ:飛ぶひと

隼は猛禽類の中では一番小さいもののうちの一つで、しかし、一番すぐれた飛翔能力を持っている。


kestrel


ずいぶん前に、野生動物保護団体のイベントでケストレルという隼を見た。腕にとまらせ、その小ささと軽さに驚いた。つややかで滑らかな羽をそっと触ると、誇り高く頭を持ち上げた。ケストレルがわたしを見る目は鋭い。他人を警戒しているのだ。でも、恐れはしない。


誇り高く、自由で。どんな鳥よりも早く風を切る。


そのケストレルが唯一信頼している人間を見る目は、優しい。いや、甘やかといってもいいと思う。呼ばれると、その人を見て、翼を一閃してわたしの腕から飛び立った。そして、まっすぐにその人に向けて飛んで行った。振り向きもしなかった。


ケスをはじめてみたとき、ぼんやりとそんなことを思い出していた。


ケスはわたしの前に舞い降りた。そして、その大きな目がわたしを捉えた。はにかみながらケスは笑った。そして、挨拶をした。わたしは低く柔らかいその声を一瞬で愛したけれど、ケスの目に自分がどう映っているか気が気でなかった。


ケスに気づかれないようそっと深呼吸をした。


ケスは低い声で、注意深く言葉を選びながら話した。大きな目をゆっくりと瞬かせ、細くて長いきれいな指をやわらかく動かし。わたしの前に降り立ったケスは優雅でひっそりとしていた。


でも、一旦舞い上がると、ケスは別人になった。果敢に風を切り、急降下をし、翼をはためかせた。絶対に他者の追随を許さない誇りがケスの瞳を鋭く尖らせた。わたしがそこにいることを忘れて、ケスは飛び続けた。ひたすら前へ前へと。軽やかに、自在に。


どのくらいケスは飛んでいたのだろう。わたしを置き去りにしたままで。わたしはケスをぼんやりと見ながら、この速き者はいったい誰のところへ飛んで行こうとするのかと考えていた。ケスと同じ風の中にこの身をおいてみたかった。自分の腕の中にケスを迎え入れたかった。


でも、ケスはひとりで飛んでゆく。


ああ、見えなくなる。


そう思った瞬間、風が止まり、ケスが再びわたしの目の前に舞い降りてきた。夢中になって飛んでいたことを恥じるように目を伏せて、少し笑っていた。そして、ゆっくりと目を上げて、ケスはわたしを見た。夢のような微笑を浮かべて。



*****************************


一番、奥深いところの思い出。昨日のことみたいに鮮明に覚えているけど、どれくらい昔なのかよく分からなくなっているほど、自分の深いところにあるものです。書こうか書くまいか、ずっと迷っていたんだけど。自分の中を探索しているうちに、どうしても書きたくなって。


こうやって書くと、ケスってすっごくかっこいいんだけど、うーん、それはわたしの表現がいいからだな(笑)。実物はたいしたことはないです(爆)。


ちなみに、ケスはKestrelの略称で、Kesです。なんとなくね、音の感じが好きで。初めてケスに会ったときから、自分で勝手につけてたあだ名。ちなみに、ケストレルという鳥も大好きです。できたら飼いたいくらい。でも、難しいんだよね・・・。ずっと一緒にいてあげなきゃいけなくて、それができないと死んでしまうから。


だから、あきらめて、オカメで我慢(?)しています。


cat4

なにぃ? 我慢してるのはこっちじゃワイ。


すみません・・・。

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