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ロイターの記事にサマーズ教授の良さげなまとめがあったので復習しておきます。

【いずれにせよ、次期大統領に必ず求められること】
①失業率低下につながる経済成長。
②ソブリン債務の比率を押し下げと、安定的な国家財政。
③中間層の所得拡大を支える経済基盤の再構築。

色々言ってますが、ともかく景気を良くしろということです。
景気が良くなれば失業率は下がります。
景気が良くなればソブリン債務の比率は下がり、国家財政は安定します。(いわゆる「国の借金」を返しに行けます。)
景気が良くなれば基本的に所得は拡大し、それにつれて経済基盤は安定します。

つまるところ、次期大統領には「景気回復」が求められているということです。他のことは大した争点にならないくらい、「景気」の問題が重要な選挙となっているのかもしれません。
もちろん両候補ともそれは十分に理解しているわけで、自信満々の政策を披露しているはずですが、その大雑把な内容としては次の通りです。


【オバマ】
・需要不足が経済成長を阻害している。
・これまでも民・公双方に対する需要喚起に努めてきた。
・FRBの独立性を尊重し、FRBも低金利以外に創造的な対応を講じてきた。
・今後も輸出拡大を持続させる所存でござる。
・支出抑制と税収増は両方とも必要だよね。
・「国の借金」抑制のため、色々対策をとっていくよ。


【ロムニー】
・不景気でカネが無いんなら政府支出は大幅削減すべきでしょ。
・当然、学校や高速道路の修復は後回しで。
・政府が武器を購入したり、富裕層を減税などで優遇して雇用を創出するよ。
・信用供給は削減すべきだ。
・シナは為替操作国(=為替八百長国)に認定するわ。
・「外部の専門家」とやらが必要だと示した予算は認めないよ。
・でも軍事費は1兆ドル以上アップします。強いアメリカだ!
・減税は広範に渡って20%ほど行います。そのための5兆ドルの財源はこれから考えます。
・とにかく全力で減税すれば企業は投資を再開するから心配すんな。


まぁ一目見て

ロムニーが当選したらアメリカおわたwww

ということが分かるわけですが、オバマもなかなか苦しいものがあります。特に最後の二つは苦しいと思います。選挙で「借金返済なんざ後回していいんだよ」と主張するわけにも行かないでしょうし。
一方でロムニーは「減税と節約」がキーワードであり、政府の役割は小さくすべきだという信念の持ち主のようです。

景気が良くなるには経済成長、GDPの増大が必要になりますよね。
GDPが順調に増えれば、GDPのうわ前をハネることで得られる"税収"も当然増えることになります。それで「国の借金」も返していけばいいでしょう。

そしてGDPってそもそも、

消費 + 各種投資 + 政府支出 + 貿易収支

でしたよね。
ロムニーは政府支出を歴史的な規模で縮小すべきだと言っていますから、それが実現すれば政府支出はゴッソリ減ることになります。それは選挙においては確かに「国の借金を減らすよ!」というプレゼンスになるでしょうが、それで本当にいいのかどうか?

最後の貿易収支ですが、これはアメリカが独りで頑張ってどうにかなる問題ではありません。この世界不況の中、簡単に輸入を増やしてくれる国があるとも思えません。というか、むしろその役割は今までアメリカがやっていたんですけどね。

残ったのは消費と投資ですが、この2項目で、凄まじく減った政府支出を補って余りあるだけの増加が必要です。
ロムニーの減税政策で、本当にそんなことが可能になるのでしょうか。


------ ああおもしろい ロムニー君の「合成の誤謬」劇場 ------

ロムニー 「一般庶民どもはカネを使おうぜ!企業は未来に希望を持ってガンガン投資しようぜ!」

庶民A 「いや・・・大統領閣下、そんなこと言われても不安です。手元にお金残したいですよ。住宅ローンもあるし・・・」

ロムニー 「大丈夫!思い切り減税するから問題ないよ。20%も減税するからね」

庶民A 「減税は嬉しいんですが、将来が不安だからそれも含めて預金しときたいっていうか」

ロムニー 「そんなこともあろうかと、富裕層にはさらなる優遇措置を考えているよ!」

庶民B 「え?富裕層を優遇って、我々には恩恵が無いじゃないですか」

ロムニー 「そんなことないさ。富裕層に余裕が出れば消費が生まれ、雇用も生まれるはずだ」

庶民B 「ほんとですか。じゃあそうなることを期待して・・・!」

ロムニー 「そうそう、お金はどんどん使おうぜ!大丈夫!」

庶民ども 「預金しときます」

ロムニー 「えっ」

庶民A 「あ、いえいえ、"私個人"が使うのは様子を見てからってことですよ。大統領の政策が正しければ景気がよくなって、給料も上がるはずですよね?」

庶民B 「景気が良くなれば、私も安定した職に就けるってことですよね?」

庶民C 「私も?」

庶民D 「おいらも?」

ロムニー 「もちろんさ!みんな大丈夫!だからどんどん使おうってことなんだ」

庶民A 「そうですか、頼もしいなぁ。ほんとに期待してますよ。給料が上がったら旅行にでも行きたいですね」

庶民B 「私も職に就けたら少し贅沢してみようと思います」

ロムニー 「いや、給料が上がったら・・・っていうか・・・ せっかく減税したんだから、今すぐ使おうよ」

庶民A 「大統領を信用しないわけじゃないんです。実際に一票入れましたしね。でも政策が正しければ景気がよくなるはずなので、それで給料が上がったら使うことにします。そうなるのを楽しみに待ってます。では頑張ってください」

ロムニー 「ちょwww 待www」

金持ちA 「ところで、富裕層への減税って本当ですか?」

ロムニー 「え・・・・・・あ、あぁ、本当さ。富裕層は『お金の出所』だからね。出所が潤わないことには消費も投資も喚起されない。これは常識だろう」

金持ちA 「助かります。先立つものが無ければ投資も雇用もできませんからね」

ロムニー 「うむ。そうだろう、そうだろう。まずは富裕層、すなわち『持つ者』を優遇し、その恩恵は雫が落ちていくように一般国民、すなわち『持たざる者』へと浸透していく。こうして国全体が潤うことになるのさ」

金持ちB 「未来に希望が持ててきました、大統領閣下」

ロムニー 「では、明るい将来に向けて、まずは設備投資でも始めよう。人を雇おう。心配は要らない。私を信じて欲しい」

金持ちB 「信じますとも。ただ、減税分はとりあえず留保しておこうと思います」

ロムニー 「えっ」

金持ちB 「大統領を信用しないわけじゃないのですが、何しろ『いま現在は』この不景気ですからねェ。借金までして設備投資するのは様子を見てからということに」

ロムニー 「なにそれこわい」

金持ちA 「政策が当たれば、近い将来に好景気が来るはずです。そうなったら我が社も、投資、雇用へと手を広げていきたいと思います。期待していますよ」

金持ちC 「我が社も」

金持ちD 「我が社も」

金持ちE 「おらが村も」

金持ちF 「我が社も同様です」

金持ちG 「我が社も右に同じであります」

金持ちH 「我が社も以下同文であります」

金持ちI 「富裕層への減税万歳!!今はまぁ貯め込んでおきますが、好景気が楽しみであります」

ロムニー 「ちょwwwww おまwwwww」

金持ちA 「大統領、何か問題でも」

ロムニー 「いや、その、だから大型減税っつってんだろ。使えよ。投資しろよ」

金持ちども 「なにそれこわい」

ロムニー 「怖くねぇっつってんだろ。この国庫が厳しい中で、全部で何兆ドル分の減税になると思ってんだよ」

金持ちB 「え?・・・だから、その減税の効果はこれからしっかり出てくるんですよね?」

ロムニー 「いや、まぁ、それはそのはずだが・・・」

金持ちB 「ならば、大統領閣下の政策を信じて待つことにします。そうなってきたら我が社も景気よく投資するってことで」

金持ちC 「我が社も」

金持ちD 「我が社も」

金持ちE 「おらが村も」

金持ちF 「我が社も同様です」

金持ちG 「我が社も右に同じであります」

金持ちH 「我が社も以下同文であります」

ロムニー 「だから待てっつーのwww どいつもこいつもそう言ってたら意味ねーじゃん。好景気なんて来ねーじゃん。減税の意味ねーじゃん」

金持ちA 「だって・・・今すぐってのは怖いし」

金持ちB 「ねぇ」

金持ちC 「大統領、だから好景気が来たら使いますってば!」

ロムニー 「いや・・・その好景気を呼ぶために使えって言ってんだけど・・・・・・・」

金持ちD 「じゃあ、ジャンケンでもする?」

金持ちE 「負けたヤツが最初に大型投資するってことで」

金持ちF 「いやwww ちょっとwww ジャンケンで決めるのはやめようぜ」

金持ちG 「じゃあ・・・オレが」

金持ちH 「いや待て、オレが最初に行こうか」

金持ちA 「いや、オレやるわ」

一同 「どうぞどうぞ」

金持ちA 「ちょwwwwwwwwwwwwww」

ロムニー 「やってくれるんだね?」

金持ちA 「いや・・・うーん・・・まぁ・・・ あのさぁ、オレが最初に投資したらみんなついてくるんだよね?」

金持ちB 「もちろんさぁwww」

金持ちC 「決まってるじゃんw」

金持ちD 「ねぇwww」

金持ちA 「鼻ふくらませてんじゃねーよ 信用できねーよ

ロムニー 「まぁまぁ、そう言わずにやってくれたまえよ」

金持ちA 「ちょっと大統領にお聞きしたいのですが、もし私以外に誰もついてこなかった場合、景気回復は」

ロムニー 「無いだろうな」

金持ちA 「ってことは、オレの会社は」

金持ちB 「コケるw」

金持ちC 「コケるだろうなwww」

金持ちD 「コケるよねぇww」

金持ちA 「おまえらwwwwwwww」

ロムニー 「そりゃそうさ。一企業が単独で投資行動に出たからといって全米が回復などするわけがない。ほら、金持ちB君、一緒にやってくれないか」

金持ちB 「そう言われましても大統領、現実問題として、我が社でこれ以上モノを作ったところで売り上げが伸びるとは思えないのですよ。むしろ在庫が増えるばかりでしょう」

金持ちC 「さらに値下げするしかないな」

金持ちD 「仕方ないよね」

金持ちE 「不景気だもの」

ロムニー 「うん、まぁ・・・だからその不景気を好景気に戻すために投資しろって言ってんだけど・・・」

金持ちF 「ひらめきました」

金持ちG 「ととのいました」

ロムニー 「ととの・・・ じゃあ、ひらめいた方を聴こうか」

金持ちF 「やはりですね、この状況で投資が不安なのは仕方ありませんよ。大統領も経営者だったのですからご理解頂けるでしょう」

ロムニー 「それは、まぁ・・・」

金持ちF 「だから、とりあえず大きな"需要"をください。何か確実に行われる事業が発表されれば『収入』が約束されますから、そうなったら安心して投資できます。もちろん現在の余力でやれる程度の規模の事業なら"投資"には至らないでしょう。会社を拡大させてまでやるのなら、それだけの巨大な事業が必要です」

金持ちA 「なるほど。それなら『お前が先に行けよ』『いやお前が行け』みたいなことは無くなる!」

金持ちB 「むしろ逆に『オレがオレが』の展開が予想されるな!!」

ロムニー 「それって、つまり」

全員 「オバマの公共事業じゃんwww

------

金持ちAも金持ちBも、それぞれがやっていることは合理的です。
なぜって、この不景気で会社の規模を大きくするのは大変な冒険です。「景気が良くなってから」あるいは「その兆しが見え始めたら」拡大するというのが通常の手順です。
しかし、全員が合理的な行動を取ることで全員が不幸になることがあるのです。

ここでもう一度GDPの内訳を。

消費 + 各種投資 + 政府支出 + 貿易収支

政府支出をガッツリ削った中で消費と投資を拡大させるには、減税したって無駄です。いや、もちろん「全くの無駄」とは言いません。消費や投資は手持ちの資金や「返済の見込み」をもとに行いますから、減税はそれなりに意味があります。
しかし、それがロムニーの政策により失われた巨額の政府支出を補って余りある規模に達するとは思えません。その理由の大きなものの一つとして、上記のようなアホな劇(合成の誤謬)をやってみました。

よほど特殊な場合を除いて、あなたも恐らく同じだと思いますよ。
例えば、いま国から1万円もらったとして、何か豪勢に食ったり趣味に使ったりできるのは幸せな人です。多くはそれを食費などの固定費に回し、間接的に借金の返済や預金に回すことになるでしょう。
つまり政府はこの給付(あるいは減税)で1万円という新たな「借金」をこさえ、あなたの預金を1万円増やしたのです。実にアホらしい。
そして、銀行はあなたから受け取ったその1万円を眠らせていても意味がありませんから、どこかの企業にでも貸して金利を取りたいところです。しかしこのご時世、どこの誰が借りてくれるのですか。(金持ちAらを思い出してください。誰も投資する気なんかありません。)
じゃあ仕方ないから国債を買おう、ってことになります。だって他に投資先が無いんだから仕方ないじゃんという話です。

減税もまぁいいかもしれませんが、その前に今は

消費 + 各種投資 + 政府支出 + 貿易収支

これを増やすことです。
かといって、あのアホ劇のように消費や投資はどんなに命令したって誰もやってくれません。自分がかわいいのは誰だって同じですから当然です。貿易も相手国があることだし、水ものです。
じゃあ、あとは政府支出しかありません。公共投資です。しかし、ロムニーはこれを激減させると言っているのです。

公共投資なんかしたら「国の借金が増えるじゃん!」という話はもちろんありますが、じゃあ政府支出無しで、お前が率先して全力で消費するか?投資するか?誰もついてこなければ破産するしかないけど、それでもやるんだな?やらないんだったらgdgd言うな。

景気を良くするには、プレイヤー全員が「無茶」することのできる状況作りが必須です。まさに公共事業です。仕事をスッポかすこともないし、カネは必ず支払われます。安心して投資できます。
しかし逆にロムニーの政府支出削減は誰もが慎重になり、「お前が先に使えよ」という態度をプレイヤー全員が取ることになり、しつこいようですが

消費 + 各種投資 + 政府支出 + 貿易収支

これが激減することになるでしょう。
消費も投資も政府支出もガッタガタ。

さて、日本時間の明日には投票結果がはっきりしますね。

クワバラ クワバーラ

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