こんにちは。浜島代志子です。

新年早々、こんなタイトルで
びっくりされましたか?

でんでんむしの悲しみ」という
絵本をご存じですか?

ごんぎつね」「手袋を買いに」の
新美南吉の作品です。

国語の教科書にも載っていますから、
ご存じだと思います。

物語はこうです。

一匹のでんでんむしは、
たいへんなことに気がつきました。
背中のからの中には悲しみが
いっぱい詰まっているではないか。

わたしは、なんという不幸せ者だ、
もう、生きていられない。
この悲しみはどうしたらいいだろう。

でんでんむしは、お友達に尋ね歩きました。
答えは、いつも同じでした。

でんでんむしは、どのように答えたと思いますか?
あなたなら、どう答えますか?

「あなたばかりではありません。
わたしの背中にも悲しみはいっぱいです」
とうとう、このでんでんむしは気がつきました。

「悲しみは誰でも持っているのだ。
わたしばかりではないのだ。
わたしは、私の悲しみをこらえていかなきゃならない」

そして、このでんでんむしはもう、
嘆くのを止めたのであります。

皇后陛下美智子様は、
でんでんむしの悲しみ」がお好きだとのことです。
ビデオ講演で語られています。

人は、悲しみを背負っていくものだ
ということを知りました。

新見南吉は、愛知県半田で生まれました。
4歳で母を亡くなり、
継母が来て弟が生まれました。

南吉は、母の実家に養子に出され、
病弱で寂しい幼年時代を過ごしました。

病弱で母の愛に乾いていた南吉は、
童話を書くことに生きる道を見いだしたようです。

幸せだといえない暮らしをしていたからこそ、
あのやさしい物語が書けたのではないでしょうか。

怒りもせず、人を憎みもせず、
叩きつける言葉を書くでもなく、
悲しみを受け入れて作品に書く・・・。

なんと、すごい人なんでしょう。
実生活は、きついものでしたし、
日記にもきつい言葉が書かれています。

作品に昇華させる力は、
もって生まれた才能でしょうね。

悲しみや、苦しみは、
無駄ではないと教えてくれます。
無駄にしてはいけないのだと教えてくれます。

一昨年、南吉記念館で
ごんぎつね」や「手袋を買いに」等の
語り公演をいたしました。

半田の持つふうわりとした空気が、
南吉を育てたのだと実感しましたよ。

でんでんむしの悲しみ」「てぶくろを買いに」は、
母と子の情愛を語り出しています。

ごんぎつね」は、ちょっとした行き違いから
悲しい結末を招きます。

生きているうちには、
こんな行き違いも起きますね。

でも、最後にはわかり合うことができるのだと、
ごんぎつね」は、教えてくれます。

保育園の公演の時に保育士から
ごんぎつね」のリクエストがあって、
読み語りをしたことが何度もあります。

子どもの反応は、みごとでした。
終わりの場面でしーんと静まりかえったのです。

ちょっとしたフォローをしましたけれどね。
ま、なくても良いようなものだかれど、
あまりにも静まりかえり、
涙をためている子もいたからです。

人生は、厳しいものです。
良いときばかりではありません。
苦しいこともたくさんあります。

そんな時、「でんでんむしの悲しみ」や
ごんぎつね」が思い出されるでしょう。

絵本の中できつい人生体験をすることは、
とても良いことです。

4歳の子どもにも読んであげて
いただきたいと思います。

金子みすずも宮沢賢治も
きびしい人生を歩きましたね。

だからこそ、人に優しくなれるのでしょう。
苦しさの中に夢と希望を
失わない強い心を育てたいですね。

それには絵本や物語が最高の教育ツールです。

さあ、新見南吉絵本を読んでみてくださいな。

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