https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180402/k10011388581000.html?utm_int=news-social_contents_list-items_036

 

 

 

日本通運で働いていた都内の40歳の女性は、1年ごとに契約を更新していましたが、書類には「5年を超えて更新しない」という文言があり、その期限となる先月末で契約が終わりました。

訴えによりますと、この文言は3年前に契約書に盛り込まれましたが、会社からは「書式が変わっただけだ」などと説明を受けていたため、女性はこれまでのように更新されると受け止めていたということです。

雇用契約をめぐっては、5年を超えた契約社員などを期限のない雇用に転換するよう企業に義務づける制度が今月から始まりましたが、原告の女性は「転換から逃れるための不当な雇い止めだ」と主張し、雇用の確認を求める訴えを東京地方裁判所に起こしました。

(4月2日NHKニュースウェブから一部引用)

 

 

リーマンショック後の非正規切りに端を発して,同一使用者との間で締結された有期労働契約の通算契約期間が5年を超えることになる労働者が,期間の定めのない労働契約の締結を申し込んだとき(要するに,正社員になりたいと意思を示したとき)は,使用者はその申し込みを承諾したものとみなす,という無期転換制度を盛り込んだ改正労働契約法が平成25年4月1日に施行され,施行日ちょうど5年を迎えるということで話題となっています。なお,施行日より前の日が初日である有期労働契約の契約期間は通算契約期間に算入されないこととされています(附則に定められた経過措置)。

 

 

(有期労働契約の期間の定めのない労働契約への転換)
労働契約法第18条1項前段 同一の使用者との間で締結された二以上の有期労働契約(契約期間の始期の到来前のものを除く。以下この条において同じ。)の契約期間を通算した期間(次項において「通算契約期間」という。)が五年を超える労働者が、当該使用者に対し、現に締結している有期労働契約の契約期間が満了する日までの間に、当該満了する日の翌日から労務が提供される期間の定めのない労働契約の締結の申込みをしたときは、使用者は当該申込みを承諾したものとみなす。

 

 

本件は,契約書上は,いわゆる「更新上限制度」が定められているようですが,これは,「更新は4回までとする」とか「更新は通算して5年まで」と定めておき,これにより,契約更新に対する合理的期待を失わせて,無期転換権が発生する前の雇止めを有効にしようというもので,この規定自体については合理的なものであり有効であるものと解されています。

 

 

ただ,本件で上記のような報道がされているように,仮に,それまで更新されていたが,3年前に更新上限条項が記載された契約書を締結したものであった場合,労働者の真の同意が得られていたかどうかを厳しくチェックするという最近の最高裁が示した判断基準からすれば,きちんとした説明がなされていたのか,労働者としてはそのような記載がある契約書に同意せざるを得ない状態であったのではないかといったことが厳しくみられることになり,無期転換逃れだったのではないかとして当該更新条項が無効として判断される可能性もそれなりにあるものと思われます。