弁護士江木大輔のブログ

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http://www.asahi.com/articles/ASJCX43V5JCXPTIL00P.html

 

指定暴力団「山口組」傘下の組織を8年前に脱退した40代男性が、地元・兵庫県内の家庭裁判所に、改名を認められたことがわかった。6月下旬、経営する会社の給与振り込みに使う口座の開設を申し込んだところ、地元の信用金庫が拒否。男性は、暴力団員などを登録する信金のデータベース(DB)に名前が残っているためだとし、社会生活への支障を訴えていた。(12月5日朝日新聞デジタルから一部引用)

 

氏の変更については戸籍法107条1項に規定があり,名の変更(戸籍法107条の2)よりも変更が認められる事情については制限的に解釈されています。

 

戸籍法107条  やむを得ない事由によつて氏を変更しようとするときは、戸籍の筆頭に記載した者及びその配偶者は、家庭裁判所の許可を得て、その旨を届け出なければならない。

 

戸籍法107条の2 正当な事由によつて名を変更しようとする者は、家庭裁判所の許可を得て、その旨を届け出なければならない。

 

氏の変更について,多くは離婚に伴う改姓絡みのことが多いですが(離婚して親権者となった者が復氏しても子どもは当然には親権者の氏にはならないのでそのために子どもの氏の変更を求めるなど),まれに元暴力団から社会生活上の不利益を理由として申し立てられるということもあるようであり,先例としては,宮崎家裁平成8年8月5日審判というのがあります。

 

 

これは,元暴力団員として氏が周知されている者からの氏の変更許可申立事件で,客観的に現在の氏による社会生活上の現実の支障や不利益があり,氏の変更の必要があると認められ(仕事現場に暴力団関係者が申立人を訪ねてきたりして犯罪にならないような形で金品を要求されたり嫌がらせ等をされたりする。また、元暴力団と見られることで、営業上も苦労する,といった事実が認定されています),加えて,氏を変更することが本人の更生に必要と認められる事情がある場合には(前科を隠そうとか単に気分一新したいというようなものではなく、暴力団関係者との関わりを持つ契機となる現実の危険を少しでも除去するために氏を変更したいとするものであって,その意図は真摯なもので更生意欲の現れと見られるとされました),やむを得ない事由に該当するとして、変更を許可した事例です。

本件においても参考とされたものと思われます。

 

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