弁護士江木大輔のブログ

弁護士江木大輔のブログです。日々感じたことや裁判や法律のことなどを書き綴っていきたいと思います。なお、具体的な法律相談をしたい場合は、最寄りの弁護士会などの法律相談できちんと相談してください.


テーマ:

http://www.sankei.com/affairs/news/161105/afr1611050010-n1.html

 

相続税対策の養子縁組が有効かどうかが争われた訴訟の上告審で、最高裁第3小法廷(木内道祥裁判長)は、弁論期日を12月20日に指定した。最高裁は慣例として2審の結論を変更する際に弁論を開くため、縁組を無効とした2審東京高裁判決を見直す可能性がある。(11月5日産経新聞オンラインから一部引用)

 

一審が養子縁組を有効と判断したのに対し、2審判決では節税対策のための養子縁組であったことから真に親子関係を築く意思がなかったとして養子縁組を無効と判断したということのようです。

 

 

養子縁組をする場合には、養子縁組届に署名押印す時点、届けを役所に提出する時点でそれぞれ親子関係を設定しようとする意思、役所に届け出をしようとする意思が必要とされていますが、それぞれの意思の内容としてはそれほどハードルが高いものではなく、わかりやすく言えば、前者については「養子縁組することによって親子関係ができるんだ」(要するに「養子」とは何ぞやということが分かっていればよい)という程度のことが分かっていればよいものであると判断されてきたものと思います(理屈上はいろいろと言われていますが、実務的な感覚としてはそれほど高いハードルでの理解が必要とされているようには思われません)。養子縁組が無効になるケースというのは、そのことすら判断できないような重篤な認知症などにり患した高齢者などが終末期に養子縁組届けに署名押印させられたとして無効と判断されるというケースが多いものです。

 

 

判例の中には、実質的に夫婦関係にある姪と叔父が、法律的には婚姻届けを出すことができないので、養子縁組したという事例について当該養子縁組を有効と判断したものがあります。これなども、わかりやすく言えば、養子ということの意味内容さえ分かっていればよいということで、その実態は問わないということかと思います。感覚的にはおかしいようにも思いますが、実態まで問いだすと、戸籍に記載された養親子関係が不安定になり、法的安定性を害するということも言えるかと思います。なお、例えば、臓器移植目的で養子縁組するなど、公序良俗に反するような養子縁組については、縁組意思という要件で切るのではなく、公序良俗違反という要件で無効と判断したほうが分かりやすいように思います。

 

 

このような判例の流れからすると、今回のケースでは、たとえ、節税目的のための養子であったとしても(なお、節税目的での養子縁組をしているケースというのは山ほどあります)、養子ということの意味内容さえ理解していたのであれば、養子縁組は有効という結論に判断が変更される、ということかと思います。

 

 

 

いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)

弁護士江木大輔(北川・江木法律事務所)さんの読者になろう

ブログの更新情報が受け取れて、アクセスが簡単になります