http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161018/k10010734091000.html?utm_int=news-social_contents_list-items_018

 

18日の判決で、最高裁判所第3小法廷の木内道祥裁判長は「弁護士会に照会の権限が与えられているのは、弁護士からの申し出が適切かどうかの判断など制度の適正な運用のためで、相手から報告を受ける利益が法律上、保護されているわけではない」として、賠償を求められないとする初めての判断を示しました。ただ、岡部喜代子裁判官は「照会を求める側と秘密を守られる側の利益を比較して判断すべきだ」として、企業や団体は一律に拒否すべきではないという意見をつけました。(10月18日NHKニュースウェブから一部引用)

 

 

以前記事にした件の続報ということになります。

弁護士会照会にまつわるいくつかの事例

http://ameblo.jp/egidaisuke/entry-11995032959.html

 

 

今回のケースは日本郵便(郵便局)に対して転居先を照会したというものでしたが,そのほかに弁護士会照会を通じて,NTTや携帯電話会社に対して電話番号やメールアドレスの保有者を照会したりすることが多くあります。相手方が判明しているがどこに住んでいるのか分からないので照会するというケースもあれば,電話等をかけてきた相手がどこの誰だか分からないので特定するために照会するというケースもあります。ちなみに,携帯電話会社のうち一社は一切照会に応じないということで有名です。

 

 

照会を受けた側としては,回答したことによって責任を問われるかどうかということを恐れて回答に及び腰になるとしても,個別に検討することなく,一律にすべて回答拒否するという態度がまかり通るとすると,制度の根幹が崩れてしまい,弁護士会照会を規定した意味がなくなり,巡り巡って司法制度を利用しようとする一般国民が不利益を被るということになります(訴訟しようとしても相手の居場所が分からず権利が行使できないということになりかねません)。

 

 

とはいえ,弁護士会照会を拒否されたから,弁護士会が慰謝料請求することができるというのも少しおかしな論理であるということはそうだとも思います。

 

 

結局のところ,弁護士会照会に対して拒否した場合の制裁や免責といったことが制度化されていないことからこのような問題が起こるわけで,今回の最高裁の判断をきっかけに立法による制度作りが必要になるように思います。例えばですが,照会先に回答すべきかどうかの判断や回答した場合の責任について負担をかけるというのはおかしいようにも思うので,弁護士会が審査して照会している以上,照会に対して回答した場合には回答した先は免責されるとしたうえで,不適切で誤った照会をした責任については弁護士会が負うような制度にするしかないのではないかと思います(もちろん責任を問われるケースというのは,誰が見てもおかしいような限られたものにすべきであると思います)。