http://www.yomiuri.co.jp/national/20160910-OYT1T50014.html

 

被告は保釈が認められ、当初7月19日の判決予定だったが、被告が「保釈中に大口の商談がまとまり、被害を弁償する見通しがついた」と主張し、8月31日への延期が決定。しかし、被告は台風10号の影響で出廷できず、鎌倉正和裁判官は9日に再延期することを認める一方、その間に弁償の手続きを終えるよう被告側に指示していた。

 ところが、被告は同日までに計70万円ほどしか用意できず、この日の法廷でも「この先も入金の予定がある」などと“再々延期”を求めたが、鎌倉裁判官は「もう十分だと思います。もう待てません」と一蹴。「相応期間の実刑にすべき常習的詐欺事件だ」と結論づけて判決の宣告を終え、被告は直ちに保釈を取り消されて身柄を拘束された。

(9月11日付読売オンラインから一部引用)。

 

芸能人による事件もあって注目を集めている刑事事件での「示談」ですが,刑事事件には,起訴されるかどうかというタイミング,起訴された後に判決が宣告されるタイミングがあり,それぞれまでに示談が成立させられるかどうかが重要になります。

起訴されるまでに示談がまとまれば不起訴を獲得する可能性が高まりますし,起訴されたとしても実刑か執行猶予が微妙な案件において示談が成立したかどうかというのは決定的に重要になるからです。

 

 

とはいえ,示談は,被疑者(被告人)の都合だけで進められるわけではありませんので,時間的な制約のある中において交渉するということになります。

 

 

今回は起訴された後の示談のタイムリミットが問題となっている案件ですが,弁護人としては被害者の意向や示談金の準備などでどのくらい期間が必要なのか頭に入れたうえで,公判期日を設定していくかということになります。

いくつかのやり方がありますが,通常認めている案件ですと,検察側立証と弁護側の情状立証(示談が成立したことも有利な情状に含まれます)を同一期日で行うことが多いのですが,示談未了ということで,弁護側の情状立証は後日にしてもらうということもあります。また,示談に手間取りそうなことが予想されるのであれば第一回公判期日をなるべく先にするということも考えられますが,被告人の身柄拘束がされている場合には,保釈されないとそのまま拘束されてしまうことになるので,なかなか判断が難しいところです。

今回の場合は,既に双方の立証を終えて判決を待つのみという段階で,示談が成立しそうだということで判決期日を延期してもらったということですが,そのようなこともあり得ることです。

もちろん,公判期日の指定は裁判所が決めることですが,示談のために時間が必要ということである程度は通常よりも長めに期日を設定してもらうことも可能な場合がほとんどです。ただ,さすがに半年後でお願いしますといってもそれは認められることはあまりなく,感覚的にはせいぜい1か月程度といったところでしょうか。

 

 

今回の場合,もともと7月19日の公判(判決)期日が,8月31日に延期され,台風の影響もあって再度延期されて,もう一回お願いしますということだったようですが,さすがに,認められなかったようです。

こういう場合には,仕方がないので,示談のためにその期間中どのような交渉をしてどのような金額提示を行ったのかといったことを弁護人による報告書という形で提示したりすることがあります。

 

 

今回の場合,控訴して,控訴審の審理までに示談成立が間に合えばもうワンチャンスあることになりますが,そもそも控訴審で示談成立が考慮されて執行猶予が取れるのかどうかといった悩みもあり,控訴棄却された場合には未決算入されない身柄拘束がもったいないということにもなるので,いろいろな要素を勘案しながら控訴審でトライするかどうか検討するということになりそうです。

 

 

 

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