http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160815/k10010636571000.html?utm_int=all_side_ranking-social_001

成人の年齢は、民法では20歳とされていますが、公職選挙法の改正によって、選挙権を得られる年齢が18歳以上に引き下げられ、自民党の特命委員会は、去年、民法の成人年齢も合わせて引き下げるべきだとする提言をまとめています。
これについて、金田法務大臣は、閣議のあとの記者会見で、「成人年齢の引き下げに向け、環境整備の施策も進めていて、一定の成果を上げてきた。必要な改正案を早ければ来年の通常国会に提出することも1つの選択肢だ」と述べ、早ければ来年の通常国会に提出することもありうるという考えを示しました。
(8月15日付NHKニュースウェブから一部引用)。

 

民法において20歳が成年とされ(民法4条)、未成年が行った契約については後から取り消すことができるとされています(民法5条)。

 

 

確かに、公職選挙法の選挙権年齢が引き下げられ、18歳で大人の判断ができるとされ、社会としてもおおむねそれを受け入れるという状況である以上、民事上の判断についても平仄を合わせるということは論理的であると思います。

 

 

もっとも、現在、未成年者が契約する際には、親権者の同意書が求められたりするなど、いろいろと「面倒なこと」も多いものです。

そして、18歳といえば、高校を卒業する、一人暮らしを始めるなどして、さまざまに社会に羽ばたく年齢です。

18歳に民法上の成年年齢が引き下げられた場合、その「面倒な制約」が外れるわけですから、内容がよくわからないまま携帯電話やインターネットの契約をさせられたり、将来に備えた資格取得のためということで高額な契約をさせられるなどという事態が多発するのではないかということは容易に危惧されるところです。

 

 

選挙権の場合には、選挙権行使の結果、何らかの具体的な義務を負うということはありませんが、民事上の契約をした場合には、金銭の支払いを将来にわたって負わなければならないなどの具体的な義務を負うことになるわけであり、現在の高校教育の中身(消費者としての注意事項などがきちんと喚起されているのかなど)や契約した当事者と実際に支払い義務を負う者(18歳程度の者であれば多くの場合親が負担していることが多いものと考えられます)とが分離していることが多いことからくる当事者の責任感の強弱といった要素も勘案しながら、さらに慎重な検討が必要になってくるものと考えられます。

 

 

 

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