判例時報2203号で紹介された事例です(東京地裁平成27年9月16日)。

タイトルの「尋問中に代理人弁護士が証人を負傷させた」を見るとどんな事例なのか興味が湧くところですが(尋問中に弁護士がキレて証人を殴ったとか・・)、尋問中に、代理人弁護士が書類の綴りを証人に示して尋問していたところ、尋問を終えて書類つづりを回収する際に、証人の右目に当たってけがをさせたという事案です。

 

 

その後証人が原告となって、ファイルを当てた弁護士、また、弁護士の依頼者、また、裁判官や書記官についてもその場にいながら尋問を続行させたことを理由として国も相手取って損害賠償請求をしました。

 

 

けがの存在自体も争われましたが、この点については、尋問時に、証人が「ファイルが目にぶつかってので」と言ってティッシュペーバーを取りに傍聴席に戻ることを裁判官が許可していたことや尋問翌日に眼科に行って治療を受けていることなどから、弁護士がファイルを回収した際に証人の右目に当ててしまい、けがをさせたことは認められました。

 

 

そして、弁護士が故意に当てたということは考えられないものの、注意深くファイルを回収すべき義務を怠った過失があるとされました。

弁護士の依頼人については、弁護士と一緒になってこのようなことをしたということは認められないとされています。
国に対する請求も棄却されています。

 

 

本件ではファイルを当ててしまった弁護士に対してのみ責任が認められていますが、認容されたとしては3万円です(けがをした証人は約3000万円弱を請求していたので、治療費などを含めても4万円少ししか認められなかったことからすると、印紙代のほうが高くつきました。)。

 

 

あくまでも判例時報情報ですが、控訴されているということです。

 

 

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