判例タイムズ1423号などで紹介された事例です(大阪高裁平成27年9月17日決定)。

 

普通養子縁組では、縁組したとしても実親との親子関係は切断されませんが特別養子縁組では実親やその親族との関係は切断されることとなっています(民法817条の9)。

本件では、特別養子縁組の成立を認めるのにあたって、実親との関係を消滅させるだけの特別の必要性があるかどうかということが問題となりました。

 

 

本件では、未成年者が交際中に妊娠し赤ちゃんを産んだものの、交際相手とは別れ、一人では監護できないという状況となったため、引き取って育ててもらえないかという打診を受けた赤ちゃんを産んだ未成年者の母親の従姉妹夫婦(実子に恵まれなかった)が、出産直後から育てているという事案です(赤ちゃんを産んだ未成年者は一度も赤ちゃんと会っておらず、認知も受けていない。未成年者は特別養子縁組に同意している)。

 

赤ちゃんがまだ月齢の段階で家裁に特別養子縁組の許可の申し立てをしはたところ、家裁では、実親である未成年者との親子関係を続けることが支障があるというわけではないという理屈で申し立てを却下しましたが、高裁では、実母である未成年者が監護することは著しく困難である一方で、申し立てをした夫婦が赤ちゃんを養育監護するのに問題があるとはいえず、子の利益のために特別の必要があると認めて、特別養子縁組を許可しました。

 

第817条の7  特別養子縁組は、父母による養子となる者の監護が著しく困難又は不適当であることその他特別の事情がある場合において、子の利益のため特に必要があると認めるときに、これを成立させるものとする。
 

 

民法817条の7の「子の利益のため特に必要があるとき」の解釈として、実親との親子関係を終了させることが子にとって利益となることを必要となるものと解されているところ、この点をどのように評価するかについて判断が分かれたようです。

 

 

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