判例時報2288号で紹介された事例です(山形地裁平成27年12月27日判決)。









自動車損害賠償保障法第3条  自己のために自動車を運行の用に供する者は、その運行によつて他人の生命又は身体を害したときは、これによつて生じた損害を賠償する責に任ずる。








事案としては、介護職員であったAが最近購入したスポーツタイプの乗用車(A所有)を、友人に運転させて自らは助手席に乗っていたところ、友人が運転を誤って事故となりAが死亡したというものです。なお、Aも友人も飲酒していたということです。


Aの遺族が自動車を運転していた友人に対して損害賠償請求したというのが本件です。


自動車損害賠償保障法によって責任が認められるためには、被害者が「他人」であるということが必要です。
当然ですが、自分で運転していて自損事故を起こして自分がけがをしても、自賠責保険は下りないわけです。


「他人」とは運行供与者及び運転者以外の者をいうとされ、運行供与者というのは運転者よりはもう少し広い概念で、自動車の所有車で自動車の運転を第三者に許諾していたりするなど、自動車が運航の用に供されることについて支配的地位にいる者ょいうところ、本件では、運転者は友人でしたが、Aは友人に自動車を運転させており、友人に指示するなどしてその運行支配に影響力を及ぼすことができたとされ、「他人」には当たらないとされました。


もっとも、自賠法上の責任はないとしても(自賠責保険はおりないということになります)、自動車を運転していた友人には自動車の安全な運転を怠った過失が認められるので、民法709条の不法行為責任は負うということになります(自賠責保険に助けてもらうことはできず自力で支払わなければならないということになります)。


本件では、介護職員をしていたAの将来の収入増額の蓋然性ということも争われ、昨今の国による介護職員の処遇改善と言ったことも主張されましたが、裁判所はそこまでは蓋然性は認められないと判断しています。





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